月: 2014年1月

『武士の家計簿』を観た

武士の家計簿

江戸時代後半。御算用者(会計処理の専門家)として、代々加賀藩の財政に関わってきた猪山家。八代目の直之(堺雅人)は、生来の天才的な数学感覚もあって働きを認められ、めきめきと頭角をあらわす。

微妙というか微妙過ぎる(´・ω・`)
正直つまらなかった。

直之(堺雅人)が猪山家の借金を知り、緊縮財政に取り組む辺りは
面白くなりそうな雰囲気があったが、それも長続きせず、
なんだかなぁという展開になった。 ヽ( ・∀・)ノタイジャタイジャ

四文銭探しの雨降りもわざとらしい設定だったなぁ。

元々時代劇として撮ろうとしてないのだろうけれども、なんちゃって
時代劇感が酷くてこれまた観ていてなんだかなぁという感じになった。

特に仲間由紀恵が酷いw トリックとかごくせんみたいなはっちゃけ
キャラ以外は駄目なのかなぁ、この人。松坂慶子もアレな感じ。
この人は或る程度歳を取ってからは一本調子の演技しかしなくなっているので
期待はしてなかったけど。

仲間由紀恵と松坂慶子の嫁姑役共演というと「エラいところに嫁いでしまった!」を
思い出す。あの時の仲間由紀恵の役は山田奈緒子風味だからそれなりに観られた
けれども、松坂慶子はもう一本調子の状態だったような気がする。

まあ中村雅俊も草笛光子も下手ななんちゃって時代劇風演技だったから
そういう演出なのかもなぁ…でも仲間由紀恵はちょっと突出してたな。

クヒオ大佐」以上に堺雅人の無駄遣いじゃないかなと思ったw


話の作りは猪山成之(伊藤祐輝)が父・直之の一生を回顧する感じ。

直之の人物像が随分とアヤフヤだったので全編を通して何がしたかったのか
よくわからないとまではいかないが、それはこの形で表現出来てるの?的疑問を
観終わった後に感じる。直之の人物像は

  • 先見の明があって算盤を選んだわけでもなく、算用者の家に生まれた故に算盤をやっただけ。
  • 文武両道に優れていて尚算盤を極めたわけではなく、他に選択肢がなかった故の算盤バカ。
  • 全てにおいてきっちりしているのかと思えば駒に買ってやった櫛は見逃す。砂糖は子につながるものと考えれば理解できなくもないが。
  • 自らがスパルタ教育で育てられたわけでもないのに成之には理不尽なスパルタ。
  • 上司の不正を知りつつも、父の職や猪山家の為にスルーするわりに成之は"さだめ"みたいな一言で片付ける。
  • 偶然の発覚がなければ成功体験もなく上司の不正を見逃す正義も主君への忠誠心もない。

と言った感じだったので、一体何を大事にしてたのかよく分からないw

融通の効かない算盤しかなかった人がたまたま算盤による成功体験を得て、
守株が如く子供にそれを叩き込み、その子がこれまたたまたま政治的動乱で
職に就いて出世しただけの話と言っても特に問題ないかなぁ(・∀・)


なんか凄く合わない映画だなぁ(´・ω・`)と思って観てたがエンドロールを観て納得した。
監督は森田芳光だった(ノ∀`) 直之は劇中で"帳尻合わせ"を嫌っていたけど、森田芳光の
作品ってなんか適当に有名どころの俳優を器用して適当に尺を埋めてなんとなく映画
みたいなもんが出来ましたよっていう感じの"帳尻合わせ"の結果みたいなイメージが
あるけど、何か自戒的な思いを込めていたのであろうか?

原作というか原案はノンフィクションの本らしいからそっちを読んだ方が良かったかな。

『最後の忠臣蔵』を観た

最後の忠臣蔵

元禄赤穂事件から16年。赤穂浪士の生き残り・寺坂吉右衛門は大石内蔵助から「事件の真実を後世に伝え、浪士の遺族を援助せよ」との命を受け、ようやく最後の遺族を探し出したことで浪士の十七回忌法要が行なわれる京へと向かう。その道すがら、寺坂はかつての盟友・瀬尾孫左衛門と再会する。討ち入り直前に逃亡した瀬尾だが、実は彼にもある目的があった。

忠臣蔵そのものはそれほど好きではないけど、「或日の大石内蔵助」みたいな
作品が好きな俺氏向きの内容だった(・∀・)

吉右衛門(佐藤浩市)は辛い命を受けたなぁと思って観ていたが、
孫左衛門(役所広司)も辛かったろうなぁ(´・ω・`)
つーか、ふざけんな大石内蔵助ヽ(`Д´)ノ

前半はなんか可音(かね・桜庭ななみ)と孫左(まござ)の恋愛物っぽくって
観るの止めようかと思ったが、吉右(きちえ)と孫左が再会した辺りから
ちょっと面白くなった。

動揺を隠せなくなってから橋の下に居る時辺りまでの孫左の表情が
何とも言えない味があり、主君の命を受けて生き延びざるを得なかった
哀しき二人の会話に涙を誘われる。・゚・(ノД`)・゚・。


可音役の桜庭ななみは頑張ってたと思った(・∀・)
なんかのドラマで観たと思ったら、恋して悪魔〜ヴァンパイア☆ボーイ〜かw
さかなくん似のジャニーズの子と堀内敬子と伊東四朗とマッチ棒さんが
出てたドラマだな。あれはつまらなかった記憶がある(ノ∀`)
テレ東のリミットの主役もやってたか。あれもドラマ自体がどうも…
今のところ代表作は「三菱地所を、見に行こう。」ということで(・∀・)

この作品の山本耕史はなんかいやらしい感じがしたw
伊武雅刀と田中邦衛も出てたな。田中邦衛はなんだかもう弱々しかった(´・ω・`)


話の転換点で挿入されている人形浄瑠璃の演目は曽根崎心中らしいが
詳しい内容は知らない。心中物ということだから男女の色恋沙汰の話
なのだろうけど、この映画でかぶせる部分はやはり可音と孫左ということか。

ラストの孫左の行動は予想されていたことではあったけれども、
その理由は何かというところで判断に苦しむところではある。
単純に忠義立てとも言えるがそうであるのであれば、あの人形浄瑠璃は
何だったのであろうかと。強引だが或る意味で結ばれる相手を
制度的に殺したと解釈出来なくもないから心中と言えなくもないし、
そちらの使命を果たしたからこその行為とも言える。

単純に考えるとあのラストだから「"最後の"忠臣蔵」なのかと思えてしまうが、
孫左は大石家の用人なのでそれは違うのだと思う。言葉遊びになってしまうが
"討ち入り"行列に参加出来ず、"嫁入り"行列を主導する、つまり孫左にとっての
可音の嫁入りとは大石内蔵助にとっての吉良邸への討ち入りであり、己の主君の
命を果たす「"最後の"忠臣蔵」なのではないか。

もっと言えば「"もうひとつの"忠臣蔵」と呼ぶべきものなのかもしれない。

ラストシーンはあそこまでがっつりやる必要があったのであろうか?
吉右が家に入って行くシーンを外から撮って吉右の慟哭とかで終わっても
良かったんじゃないかな。まあ映画だから映像で見せろと言われれば
そうなんだけれども。


結構出来は良かったとは思うけど、間延びするところも多々あり、
素養なき我が身には人形浄瑠璃の語りがラリホーの呪文のように
眠りにいざなおうとしたりしたので、最終的にはまあまあという
評価になってしまった(ノ∀`) 決して悪くはない。