天明三年、大飢饉が日本全国を襲い、人々を飢餓に陥れた。世は余りの飢餓状態に人が死ぬのを待って人を喰らうという、地獄絵図と化していた。
伊州(現在の三重県伊勢市)の神社港の女郎屋には、飢饉のために明日をも知れない貧しさから、金のために売られてくる女が絶えなかった。
そんな中、一人の眼光鋭い素浪人が伊州に入ってきた。その流れ者は自らを<葬流者>と名乗った。その者は、どこにも誰にも属せず、ただ非道に対する怒りに従い、一人で悪に立ち向かう素浪人であった。
葬流者は、神社港の小さな女郎街で起こったトラブルに巻き込まれていく、、。
全11巻。
前半は「なんじゃこの忍者モノみたいなアクション時代劇(・∀・)」という感じで軽めに読んでいたが、後半からは打って変わった展開となり、That's 時代劇みたいな感じになって、これはこれで読み応えのある作品であった。
読後感はかなり熱い漫画だったわ(`・ω・´)
適当ではあるが全話のあらすじというか冒頭を紹介した…こんなことはするんじゃなかった(ヽ'ω`)

長合羽を纏い、己の正義の為に刀を振るうさ無頼。無刀取りを得意とする武術の達人。
その正体は元尾張藩鏡番の刑波之進。
「過去を葬り、今日を流れる(`・ω・´)!!」

尾張大納言であり、バカ殿でクズ(ノ∀`)
根来黒葵の刀自斎の甘言に乗り、幕府転覆を目論む。
史実では尾張藩の第四代藩主に徳川吉通(1689-1713)という人が居るけれど、この人は聡明であり、若くして亡くなってる模様。

根来黒葵の頭領。
根来衆が武技を仕込んだ300名余の無頼の者を世に放ち、治安悪化による江戸幕府への信頼を失墜させ、尾張が天下を取るという、若干アホな計画を義通に吹き込んだ諸悪の根源。

女性の陰毛等の処理をする下刈り屋。
自分の秘密を知った刑につきまとう。尚、刑は全く相手にしようとはしないw
『弐十手物語』の神江里見が小池一夫原作で『下刈り半次郎』という作品を描いているが、設定等は全く違うみたい。
一巻
序章
天明の大飢饉で餓鬼地獄となった寒村に訪れた刑は、傲慢な代官一行と刃を交える。

傲慢な態度が災いし、連れの者を馬共々皆失うことになる。
流章之一 白刃にすがった女郎の泪
後から追ってきた男に頼まれても助けようとしなかった刑だったが、流れ行く女の口から出た救いを求める声に応えて川へと飛び込んだ。
男は女衒で、仮名蔵一家が取り仕切る神社港の遊廓に女を売りに行く途中だった…

何やら普通の女衒と売られていく女の関係ではないようだったが…
最初は伊州は伊賀なのか伊勢なのかわからなかったが、神社港は伊勢にあり、勢田川があるからこっちか。伊勢神宮参拝客向けの遊郭があったみたいだし。つーか途中で伊勢の外宮と書いてあった(ノ∀`)
中々なんとも言えない話の締め方だった回であった…
流章之二 牛頭馬頭の群れ
山中の廃寺に辿り着いた一団は待ち受けていた刑と死闘を繰り広げる。

根来衆黒葵(根来黒葵)。
諸国通行勝手許可の手形を持ち、刑の命を付け狙う。
多分、一郎兵衛が眼帯の方で、次郎左が頬に傷がある方。

人肉の餌を与えられて飼育された、獰猛な殺人獣。他にニ頭居るけど、特に名前では呼ばれてなかったw
刑の身体

共に義通を諌めようとして命を落とした七人の尾張鏡番の名が刻み込まれた刑の身体。
何故か一郎兵衛は"六人の亡霊"と言っていたりするw
前面は宮下吉左衛門、佐々木甚兵衛(後に甚右衛門になってたりするw)、
市毛武太夫、滝河重内。
背面は後藤田左門、浜名惣一郎、岸右田玄蕃
この回の終盤で刑が言っていることと後の展開とは乖離しているので、おそらく路線変更したんだなって思ったw
流章之三 懸賞首頂戴

ただでさえ産米事情の悪い飛州で立身出世の為に悪政を敷いた豚野郎ヽ(`Д´)ノ
その悪政から一揆が頻発したのだが、諸星は賞金稼ぎの素浪人達を使ってそれらを鎮圧していた。

勘定奉行により、諸星を始末するように送られた達人。
農民たちに新たに諸星に雇われた賞金稼ぎと勘違いされて襲撃されてしまう。
ニ巻
流章之四 追いついた地獄

鎖術の使い手。左右の手でそれぞれ風車鎖を操る強悪。
刑が笠かぶってるシーンとないシーンが混ざってるのはなぜなんだぜ(´・ω・`)?
流章之五 尾張鏡番

山中で鳥を焼いていた刑の前に突如現れ、肉を所望するが、お金が無いと言う。その代わりにと話を持ちかける。
若き日の刑

やっぱりここでも"六人"という発言をしてるなw
流章之六 根来生薬組
周辺で飢饉が続く中、この村だけが豊作だった。だがしかし、ここで穫れる米は食べると頭が変になる狂い米と呼ばれ近隣の者は誰一人として食そうとしなかった。
刑を歓待する名主の元にならず者達が来たとの知らせが。

怪しい風体の刑を躊躇なく歓待する。狂い米について頭を悩ませている。

根来黒葵の女のみで構成されている集団。なぜかみんな最後裸になって戦うw
ネタバレ
流章之七 護送屋昵近衆
石和代官所に捕らえられた、鬼の目組首領の鬼目鉄心の江戸への護送業務の為、護送方昵近衆の三河三兄弟が訪れる。

体捨流の使い手。おそらく右から太郎左次郎左三郎左の順。
地獄の鬼と昵近であるから昵近衆と名乗ってる。

天領甲斐の郡内地方を荒らしまくっていた鬼の目組首領。鬼の目一揆と呼称されるほど、大勢力になっていたが、甲府・諏訪・沼津の大掛かりな掃討作戦の結果、捕縛された。
ちょっと三河三兄弟が可哀想であり、鬼目鉄心がちょい役過ぎだったw
三巻
流章之八 面影湯船

風呂屋船の主。やくざの亭主と死に別れ、子供を育てつつ、借金を返してる。美人でナイスバディ(*´・ω・)

尾張強悪の一人。
刑に敵わぬと思い、命乞いをして、刺青のこと、湯船などを利用することを教えた。
まあ何となく予想していた展開でした(・∀・)
流章之九 売り出す

石和代官所の手代。
代官と共謀し、賞金三百両の減額を謀る。
流章之十 人間墓標

網元の伜。度重なる時化で働き手をなくした村に大勢の男衆を引き連れて戻って来た。
倉吉は中々の漢であった(´・ω・`)
流章之十一 郡兵衛鴉

寒空の下でも薄着の怪しい風体の浪人。
芯の通った男かと思ったが、そうでもなかったw
肩に乗せている鴉の名前は文太。

日高は城代一派の不正を暴く為に、同志と共に脱藩し江戸へと向かう。おるいは城代の娘ではあるが、恋仲である日高と道を共にする。
四巻
流章之十二 鏡いのち

平吉、万、向次郎、志摩垣、幸太郎からなる五人組の無頼者達。各々の頭文字をとってへまむしこ組と呼ばれる。八丈島から抜け出した後、異人船に拾われ、はんまあるぼるばあなる6連発銃を手にしている。
ここで短筒を入手し、以降、短筒も使うようになる。
流章之十三 ま血がい槍

槍の名手。年老いた母と二人暮らし。槍の大道芸をたつきとしていた。
倉吉と同じく、きちんとした漢であった(´・ω・`)
流章之十四 肌越え峠

二人連れの浪人者を追い、駕籠に乗って坂本宿まで辿り着いた。
うーん、サービス回ですかねぇ(・∀・)?
これ以降の回でも裸が多くなった気がするから、テコ入れだったのかな?
流章之十五 下刈り半次郎

女郎達の陰毛の処理をする下刈り屋。美青年。月に一度、おかしくなる。刑に秘密を知られ、道連れになろうとつきまとう。

一見、人の良さそうな感じだが、せこい小物。
五巻
流章之十六 生命連れ

友引の銀蔵
悪虐の限りを尽くした大悪党だが、生まれ故郷であるこの地の民に掠め取った金をばらまいていたため、味方する者が多く、必死の探索の網にもかからず、逃げ続けている。
流章之十七 短筒と剃刀

北野代官所手代。宿での刃傷沙汰を聞き、駆けつけて来た。
流章之十八 政争の具




流章之十九 殺戮の海




流章之二十 墓船の盃<前編>


六巻
流章之二十 墓船の盃<後編>




流章之二十一 軍船安宅丸
天山の仕官の誘いを断った二人は、大砲誤射の責任者として島に降ろされてしまう。


流章之二十二 島抜け船



刑と共に戦いたいと懇願する。

流章之二十三 洋上の死闘


ネタバレ
最期に刑の身体に自分の名を刻み、この世を去る・゚・(つД`)・゚・
流章之二十四 孤剣再び


七巻
流章之二十五 徒手空拳


流章之二十六 白き狩人

茶屋で茶をすすっていた武士。刑に蛇をけしかける。実は公儀御庭番。


殺義之章一 安財数馬の狙撃

なんつーか、ひでぇ回だわ(´・ω・`)
もしかしてサービスシーンが必要だったということなんだろうか?
殺義之章二 九度参の忠


殺義之章三 忘恩不忠の徒<前編>

三河凧師衆の元締。刑の途方もない頼みを受け入れる。

八巻
殺義之章三 忘恩不忠の徒<後編>


殺義之章四 覇道王道
自分の目で民の苦しみを目にし、真の大義王道を悟るまで、天下六十余州を旅をさせるという申し出に抵抗する義通であったが、自ら命を断つことも出来ず、不承不承、承諾する。

義通家臣。一瞬、島左近ではないかと思ったけど、180年以上前に戦死してるな(ノ∀`)
諸国視察の旅に出る刑達を鉄砲隊と共に待ち構えていた。

まあ無駄死にと言えば無駄死にですかねぇ…( ゜σ・゚)ホジホジ
殺義之章五 君知り給うや天下の秋を
二人はそこで木地師達と村民の争いに巻き込まれてしまう。



木地師
木地師は、轆轤(轆轤鉋)を用いて椀や盆等の木工品(挽物)を加工、製造する職人。轆轤師とも呼ばれる。
(中略)
9世紀に近江国蛭谷(現:滋賀県東近江市)で隠棲していた小野宮惟喬親王が、手遊びに綱引轆轤(紐錐轆轤)を考案し、周辺の杣人に木工技術を伝授したところから始まり、日本各地に伝わったと言う伝説がある。
(中略)
木地師は惟喬親王の家来、太政大臣小椋秀実の子孫を称し、諸国の山に入り山の7合目より上の木材を自由に伐採できる権利を保証するとされる「朱雀天皇の綸旨」の写しを所持し、山中を移動して生活する集団だった(「朱雀天皇の綸旨」をはじめとする由緒書の多くは、江戸時代の筒井神社の宮司大岩助左衛門重綱の偽作と考えられている)。
山窩とは異なる技術集団みたい。
東近江市が木地師の分布を調べたパンフレットを作っていた。
木地師のパンフレットができました
岩手県や秋田県の大部分、長野県東部辺りから群馬県全県、中禅寺湖辺りまで、岡山広島鳥取の隣接区域(道後山近辺)が空白なのは、記録が残っていないのか、滅亡或いは移住したのだろうか? 一瞬、修験者の領域かと思ったけれども、そうでもなさそうだし。その他の勢力が居たのか、植生に起因してるとも考えにくいし、よくわからない(・∀・)
殺義之章六 五欲本能



殺義之章七 有為転変

村の娘。熱で寝込む義通を甲斐甲斐しく看護する。中々の気の強さであるw



この回の義通がガチ糞過ぎて笑うw
ほんとクズw
九巻
⑨であるはずなのに、なぜか①になってる。
蛇蝎道場が蛇蜴道場になっていたり。

殺義之章八 悲惨街道


今回の刑はいつもよりも増して非情(´・ω・`)
馬鹿殿を開眼させるためとはいえ…
殺義之章九 蛇蝎道場
その道場は他流試合、道場破りを歓迎し、道場主が敗れた場合は門弟を含め道場全てを進呈すると宣伝し、挑戦者が後を絶たないらしい。

蛇蝎道場の道場主。鏡心明智流の使い手。凄い手練れで、数多の挑戦者を叩き伏せてきた。
ネタバレ
東海道の要にして繁栄する浜松に大挙する無頼者を一網打尽にするため、好条件の罠で道場破りを引き寄せて駆除している。


心眼之章一 松と雪

第10代将軍。史実では天明六年(1786年)に49歳で没している。
死因は脚気による心不全らしい(´・ω・`)ゼイタクビョウ?
作品内ではこの時、天明五年辺りかな?

史実通りなら時代的に徳川治貞になるのかな?
紀麟公と呼ばれる名君だったらしい。
大磯の鴫立沢の万兵衛茶屋にて義通と会見する。


心眼之章二 信義と仁義

温田宿の渡世人。街道で刑達と並行して歩いてた時に、義通が考えなしにポイ捨てした丸めた鼻紙が当たり、呼び止める。義通の詫びがぞんざいであったが為に激昂して指詰めを要求する。
最初、温田宿の人間だと思って、長野県下伊那郡泰阜村温田から親分の代参で香取大社に刀を奉納しに行っているが、なんで君津なんだろうか?と思っていたが、温田というルビだったから、違う場所か。
泰阜村のWebサイトにアップされている地誌(?)を見ても、宿場であった様子が全くなかった。温田宿ってどこだ(´・ω・`)?
山口の周南市にも温田はあるが、違うようだし。いずれにしてもなんで君津なんだろうか。

紀州藩士。
鴫立沢での会見を公儀お庭番黒鍬者に知られたことを告げる為、馬に乗って義通のもとへ駆けつけた。



ここまで深く考えて読んでなかったが、二人は岡崎→舞阪→箱根→大磯と東進を続けているから、新蔵達と並進することになっていたのだな。てっきり会見後は西進してるのかと思ってたわ(ノ∀`)
心眼之章三 死闘!三対一<前編>

快楽殺人者の野州無宿・鯱の匁蔵、相撲上がりの巨漢の暴れ者の上州無宿・荒手の貫吉、冷酷非情で二人を使って荒仕事をさせていた武州無宿・まむしのお政。

科人護送の任につく石和代官所の筆頭手代。

十巻
心眼之章三 死闘!三対一<後編>



心眼之章四 公儀の触手

老中。義通が道中にあることを知り、その暗殺を指示する。

御庭番の頭領(?)。顔に複数の切り傷がある。義通暗殺の為、部下を率いて、その後を追う。

甚左からの無理な要求に疑問を抱きつつも、その気迫と脅しに押し切られて、探索の手配りをする。


心眼之章五 不死の別れ



鳥島って小舟で行けるのか? めちゃくちゃ遠いような…
ルビは"とりじま"だから違う島なんかな?
天地丸は半分くらいは熱海に漂着してたよな…
つーか安宅丸は新島から遠州灘に向かう途中で天地丸と遭遇して交戦したんだよねぇ…どういう海流の動きなんだろうか(´・ω・`)マアドウデモイインダガ
心眼之章六 別離海峡
時間稼ぎの為、鳥島に残り、後続の公儀隠密と死闘を繰り広げる刑。



心眼之章七 士魂ここに在り

御公儀御庭番黒鍬参之組。謎の武芸者・葬流者の正体が尾張鏡番の刑であることを見抜く。



十一巻
心眼之章八 天下の刺客
その累を及ぼさぬために、自らを八幡太郎義家と叫び、狂人を装う。

沼津藩軍目付け。
刑の行動を狂言と見抜いていたが、唾を額に吐きかけられ、平常心を失い、刑を狂人として捕らえる。

大目付。老中水野越前守がされた報を聞き、急ぎ小田原へと向かう。



大義之章一 吹く風枝を鳴らさず
紀州公からの早馬で刑の捕縛を知った義通は刑を助けるために合戦の支度をせよと喚くが、家臣団の理性的な説得によりこらえる。
稲葉美濃守の厳しい詮議にも答えぬ刑は拷問責めに遭う。



大義之章二 活法武備心流

活法武備心流の使い手。
稲葉美濃守いわく、"活法武備心流とは活かして殺さず、殺さずにして活かす術 人の骨を自在に動かす恐るべき術"らしい。つまるところ関節外しの技なのかな。
尚、何故か全裸になって処置を施すw


血涙之章一 再会


血涙之章二 葬送の詩


元はと言えば、義通の愚かさがこの幕切れを招いたわけだけどね…・゚・(つД`)・゚・
たまには全話紹介でもしてみるかぁ(・∀・)と軽い気持ちで手をつけたが、めちゃくちゃ時間がかかった…(ヽ'ω`)
まあ漫画の内容自体は良かったから、まだいいんだが、とにかく疲れた…_| ̄|○
疲労の割りに大した内容のポストにならなかった気がしないでもない( ゚ 3゚)デモキニシナイ
Netflix辺りで血ドバドバ有りで、山口馬木也主演とかで実写化して欲しいけど、
まあ無理やろな…( ゜σ・゚)ホジホジ
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