テリー(マーロン・ブランド)は元ボクサーだが、今は波止場で荷役をする日雇い労働者であった。テリーはある日、地元のギャングであるジョニー(リー・J・コッブ)の命令で、古い友人を呼び出し、結果的に殺害に関与してしまう。波止場を牛耳るジョニーが自分の立場を脅かす存在を次々と殺していくことに皆怯え、テリーも逆らえずに居た。しかしテリーは信念に基づき生きることに目覚めていく。
ぼちぼち面白かったけど、絶賛するほどでもない感じだった(・∀・)
観ている時代や国の違いがあるからかな?
あんまり社会派っていうような感じがしなかったなぁ。当時のアメリカではこういう波止場の荷役絡みで問題はあったようだが、別にテリーは正義に目覚めてジョニーに立ち向かったわけでもないので、「社会派なの(´・ω・`)?」というのが観了後の素直な感想だったりするw
友達のジョーイを呼び出して、彼が殺されるきっかけを作ってしまったテリーは初めは保身の為に事の真相を語らずに済まそうとしていたが、ジョーイの妹のイディ(エヴァ・マリー・セイント)と恋に落ち、いちゃいちゃしているうちに、出会い、彼女の悲しみに触れているうちに、また、バリイ神父(カール・モルデン)の口車に乗り、説得により、悩み始めるわけだが、最終的に証言を決めた大元のきっかけは別なんだよなぁ(・∀・)
「スミス都へ行く」でもそうだったけど、この頃のアメリカと鳩は密接な関係を持っていたんだな。この作品の場合では象徴を表す為に使われただけなのかもしれないけど。象徴といえばジョーイのジャケットは勇気の象徴なのかな。
この映画の一番の阿藤快ポイントはイディだなw
最初は「兄さんを殺した犯人を見つけてやるヽ(`Д´)ノ」って金田一少年か名探偵コナン並にやる気満々だったのに、すぐにテリーと良い感じになって、挙句の果て「二人でこの街を出ましょう」とか言い出したりして、ジョーイも浮かばれないなぁと思ったり(´・ω・`) ナンダカナァ
一応話全体を見て、かつ好意的に見るのであれば、バリィ神父の呼びかけがあったからこそ最後の流れにつながったり、テリーを翻心させることが出来たと思えなくもないけど、この人自体は大したことしてないよねと思ってしまった(ノ∀`)
そういえば酒場での説得の時に映った額付き写真に写っているのはジョニーとつながってる政治家かなんかかな? 公聴会の中継シーンの時に、ジョニーからの連絡は受けるなみたいなことを言った人か。組合の小屋にも同じ写真がかかっていたような気がする。
ジョニーという存在やそれに従う人々の気持ちもわからないでもない。
大体現実の世界で生きている人なら普通は事なかれ主義になり、告発者は爪弾きになるもんだ。それが是か非かはともかくも。
現実の話はおいておいて映画の中で証言後に爪弾きになっている時、他の港湾労働者達の表情に後ろめたさが感じられないのに、ジョニーとの対決後に急激にテリー寄りになるのはなんかちょっと変な気がした。
日和見主義なのだろうか。まあこれも現実に即しているのかw
この映画の監督であるエリア・カザンは
1952年、アメリカ下院非米活動委員会によって、元共産党員であるエリア・カザンも共産主義者の嫌疑がかけられた。カザンはこれを否定するために司法取引し、共産主義思想の疑いのある者として友人の劇作家・演出家・映画監督・俳優ら11人の名前を同委員会に表した。
というようなことをしているらしい。
この映画の中のテリーはエリア・カザンであり、ジョニーや港湾労働者は共産主義者達や同じ映画業界の人々であり、公聴会での証言はアメリカ下院非米活動委員会への報告ということなんだろうか?
テリーが満身創痍でいつもの仕事場へ向かう姿は、行為への批判を受けたエリア・カザンがこの後も変わらず”生きていく”ということをかぶせて表明したかったから挿入したんだろうか。
マーロン・ブランドって後のゴッドファーザーなんだねぇ。
観たことないから、よく知らないけどマフィア物だっけか。
どっちかというとジョニーサイドな役をやるんだなw