昭和に起こった数々の凶悪事件、その中でも一際異質な事件を作者自身が関係者に直接取材し、さらに警察資料から犯人の足取りや逃走経路を自らの足で追体験した完全ノンフィクション・ドキュメンタリー・コミック!彼らは何故罪を犯し、そして被害者たちの命を奪ったのか――。取材を通して語られる凶悪事件の犯人達の人間性とは…? そしてヒトはいったいどこまで堕ちることができるのか……。『連続強姦殺人事件・大久保清編』、『吉展ちゃん誘拐事件』、『帝銀事件』など、衝撃の事件を全6巻でコミック化!
33円x6冊=198円で購入。ずっと前に読了していたが、エントリ化せず数年経ってしまったので、もう一度読み直した(ヽ'ω`)ツカレタ
上記の宣伝文句では”完全ノンフィクション・ドキュメンタリー・コミック”とあるが、実際には結構フィクションの部分がある。特に6巻はフィクション部分が多く、実際の事件をベースにした完全な創作物と言える。
1~3巻が「姦殺」("連続強姦殺人事件・大久保清編")
4巻が"吉展ちゃん誘拐事件"
5巻が"帝銀事件"
6巻が「少女誘拐魔」("令嬢誘拐事件")、「不死鳥は飛ばず」("もく星号墜落事故")
尚、6巻の「不死鳥は飛ばず」は『暴行』の3巻に、「少女誘拐魔」は『暴行』の11巻に収録されている。"連続強姦殺人事件・大久保清編"は『暴行』の13巻以降に「姦殺」のタイトルで収録されているが、現在Kindleで入手出来る『暴行』は15巻までなので、あちらで読めるのはこの作品の2巻冒頭までである。
尚、マンガ図書館Zで無料公開している模様。
1巻から4巻までの大久保清、吉展ちゃん誘拐殺人事件、帝銀事件はWikipediaの内容とほぼ一緒。
6巻の「少女誘拐魔」のベースとなった事件は明確ではないけれども、住友令嬢誘拐事件辺りなのかな? 昭和21年の事件らしいし。
もく星号墜落事故は事故自体はwikipediaの内容とほぼ一緒。
1~5巻の各事件はなんとなく知ってはいたので、「ふーん( ゜σ・゚)ホジホジ」って感じで読み進め、6巻の事件は「へー、こんな事件や事故があったんだねぇ(・∀・)」くらいの感想を持つだけで終わった(ノ∀`)
興味深かったの巻末についていた数ページの文章(コラム?)で
私は当初『堕靡泥の星』をそんなに続けるつもりはなかった。三部で終わるつもりであった。達也のやりたいことは三部で全部やり尽くしてしまったのである。私は終了を編集部に申し入れた。それを聞いた編集長は驚いて私の事務所に駆けつけた。
「先生がもう描くことがないと言うのなら実は私のところで育てている原作者がいます。それにお手伝いをさせますからなんとかせめて10部までは続けていただけないでしょうか」と云うことである。
あまり気乗りはしないが、それで『堕靡泥の星』は連載を継続することになった。
その手伝いをしてくれたのが堂本龍策氏である。
そのやり方は、まず私が「こういうものをやりたい」と堂本氏に話す。それをもとに堂本氏が10回分のシナリオにして私のもとに届けてくる。それをさらに私が脚色して原稿にするという型をとった。
それにしても驚いたのは、私のサディズムの血をサッと理解してストーリィに仕上げてくる堂本氏の力量だ。氏のおかげでアイデアの枯渇した私がどれだけ助けてもらったか計り知れないものがある。
ずいぶんあれから時が経ってしまったが、この機会にお礼を言っておきたい。
本来ならもっと劇画の原作者として活躍してもいい才能の持ち主だと思うが、『堕靡泥の星』の陰の仕事だけで終わらせてしまったのが申し訳ないと思う。
「佐藤まさあき 劇画四十年の足跡 堕靡泥の星から劇画の星へ」
とあった。
『堕靡泥の星』って途中から原作者(原案者?)がおったんか Σ(゚∀゚;)
(この文章は面白かったけど、もしかすると『「劇画の星」をめざして - 誰も書かなかった「劇画内幕史」』の文章だったりするんだろうか?)
堂本龍策でぐぐると幾つかの漫画の原作・原案としてヒットするけど、その正体はどういう人だったんだろうねぇ?
まあ、犯罪系というかノンフィクション系が好きな人なら読んでもいいのかもしれないけれども、大久保清の事件は胸糞悪いし、吉展ちゃんの事件は警察何してんねんヽ(`Д´)ノという気分になってしまったりするんで、普通の人は読まない方がいいと思う(・∀・)