喜劇新思想大系 / 山上たつひこ

喜劇新思想大系

これまた無料配信時に入手した。
kindle版はフリースタイル版の上下巻をそれぞれ3巻に分けた分冊版なのかな?

単行本は連載当時青林堂から全6巻で発刊され、その後も、初期の代表作と言うことで、繰り返し復刻されたが、内容が内容なだけに、どの版においても、収録を見送られる話が存在した。しかし、2004年にようやくフリースタイルから全話収録の「喜劇新思想大系 完全版」が上下巻で発刊された。

内容は主人公の逆向春助と彼の友人や周囲の人々との奇妙な生活を描いた、青春群像劇風ギャグ漫画である。作者の山上が大阪府育ちだったということもあり、ストーリー展開には吉本新喜劇要素も感じられる。また、それまでの漫画ではタブーに近かった「性」をギャグという表現を以て全面的に押し出して昇華させた。また、それまでSFやシリアスなものを描いていた著者のターニング・ポイント的作品とも言える。この作品でのエロ・グロ・ナンセンス、スラップスティックなギャグはそのまま『がきデカ』へと続いていった。

概ね、Wikipediaの項目で記されている通りであるが、敢えて付け加えるのであれば、お下劣というかスカトロかなw 「日本春歌考」回の汚さは「猟奇天国」回のグロとかよりもちょっときつい…(ヽ'ω`)

キチンとオチがつく真っ当な回もあるが、「がきデカ」の後半以上に投げっぱなしな回も結構多い(ノ∀`)

下巻になると、ネタ切れなのか新しい試みをしたくなったのか、主人公・春助がゆうれいの住む一軒家に移り住んだり、古事記や忠臣蔵、明治時代を題材にしたもの、推理モノっぽい内容(?)等、上巻と少し違う感じの回が多くなったような気がする。

一軒家に引っ越して幽霊情話シリーズになるが、3話で終わってしまう。

結局、大泉に戻って来る。この後、更に筒彦と時次郎と同居する。

色んな意味で「がきデカ」よりきつい内容なので、今のフォーマットで描かれた、理路整然とした"綺麗な"漫画に慣れている若い人達はこれを読んでどう思うんだろうねぇ…つーか最後まで読み進められるかどうかわからないw



逆向 春助
一応、この漫画の主人公。人畜無害な顔をしているが、この漫画の登場人物のほとんどがそうであるようにキチガイ染みたところ多数(ノ∀`) せんずり三昧の日々。

小説家の筒彦、時次郎、亀丸。

若尾 志摩とその娘・文子。ちなみに娘の文子はすぐに出て来なくなる。

小林 めぐみ。志摩の妹。一応、ヒロインと言っていいかな。

「日本春歌考」の回から連載になった為か、こんな会話もw

「逆向春世のしょうがい」回。野口英世のように左手を怪我してる筈なんだけども、何故か左手が普通に描かれているコマが多かったw

玉無啓三。脇役ではあるが警官役や寿司職人居酒屋の板前(?)役で何度か登場している。
断言は出来ないが、もしかしてこれって「こち亀」の両津勘吉のモデルなのかなぁとちょっと思ったりした。山止たつひこ名義もこの辺に関係してたりするのではないかと思ったけれども、違うかなぁ(´・ω・`)?


この取り調べかなんかで盛り上がって机を叩くシーンって「こち亀」でもあったような気がするけど、記憶違いかもしれない(ノ∀`)

初期の頃は、別の乱射警官が居たけれども、いつしか居なくなったような。


好き嫌いは別として、非常に濃い感じなので読破すると疲れると思うw (内容が濃いのかと言うと、それはまたちょっと違う気がするw)

今読む人が面白いと思うかどうかはわからないが、それでも読後に絡みつく何かを残していくような作品ではあるような気がする。

少なからず「がきデカ」や「快僧のざらし」とかよりはこっちの方が好きかなぁ(・∀・)マァデモオゲヒンオゲレツデスヨ