デラシネてなんだべ(´・ω・`)?
[(フランス) dracin]
〔根なし草の意〕故郷を喪失した人。(はてなキーワード)
フランス語なのか。他の検索結果はderacineになってるけど、スペルが違うような。もしかするとéが弾かれたのかな?
オンラインの仏和辞典ではヒットしなかったので仏英辞典。
transitive verb
1.to uproot;
2.to eradicate [prejudice].
noun, masculine, feminine
uprooted person. (deracine)
「a transitive verb 他動詞」で「noun 名詞」の意味か。
「マスキュリン?a masculine noun 男性名詞/フェミニン?a feminine noun 女性名詞.]
あーそういや外国語にはそういうのあるんだっけか
性 (文法)
印欧祖語の名詞には元来は男性・女性・中性の区別があり、形容詞の変化もそれに呼応していたとされる。実際の印欧語族においては、これら三つの性を全て残している言語もあれば、性をほぼ完全に失った言語もあり、性の様相は多彩である。(wikipedia)
まあそれは措いといて。
uproot
━ 【動】【他】
Ⅰ 1 〈…を〉根こそぎにする uproot a tree 木を根こそぎにする.
2 〈…を〉根絶する, 絶滅する.
Ⅱ 〈人を〉 (住み慣れた土地・環境などから)追い立てる
eradicate
━ 【動】【他】
Ⅰ 〈雑草などを〉根こそぎにする.
Ⅱ 〈望ましくないものを〉撲滅する, 根絶する
語源 ラテン語「根こそぎにする」の意
root(根)をupで根を抜くとか根こそぎということか。ほいでuprooted personで根っ子をなくした人、故郷を喪失した人となるのか。
ユーザーによるデラシネの解説
五木寛之の小説に「デラシネの旗」があり、1968年パリ5月革命の中で活動する日本人青年を主人公にした作品で日本で有名になった言葉。
「根っこ」を表す「ラシヌ」から作られたフランス語の動詞「ラシネ」(根付かせる)に、
分離や否定の意味を表す接頭辞「デ」が付いた de'raciner の過去分詞 de'racine' は
「根を引き抜かれた」「根 無し草の」というような意味になる。(livedoor キーワード)
語感的には外部からの力によって強制的に故郷を喪失した人のような感じで、自発的に国や故郷を捨てたりした人ではなさそうである。
日本語で根無し草とその和英をみてみると
ねなし-ぐさ 3 【根無し草】
(1)池などの水に浮いていて、根が地中に張っていない草。浮き草。
(2)「浮き草(2)」に同じ。[季]夏。
(3)しっかりしたよりどころをもたない物や事のたとえ。「―の生活」
a floating weed. (goo辞書(国語・和英))
ねなしぐさ【根無し草】
〈浮き草〉 duckweed; 〈人〉 a rootless wanderer; 〈祖国を失った〉 a déraciné 《男》; a déracinée 《女》
・根無し草(ねなしぐさ) 1.池などの水中に生えて、漂(ただよ)い浮いている草。 類:●浮き草 2.漂い動いて定まらないもの、また根拠のないものごと、根も葉もない噂などの喩え。主に、安住するところがない者などについて言う。 類:●浮き草 例:「職を転々とする根無草」(
http://www.geocities.jp/tomomi965/ko-jien05/na08.html)
とある。微妙に意味が違う。浮き草で調べると
(1)池や沼の水面に浮かんで生える水草の総称。
(2)ウキクサ科の多年生の水草。池沼などの水面に浮かぶ。茎は扁平で、倒卵形。葉がなく、中央付近から数本の根が出る。ナキモノグサ。カガミグサ。ネナシグサ。[季]夏。
(3)〔浮き草が風の動きのままに水面をあちこち漂うことから〕生活が不安定で落ち着かないことのたとえ。「―のような生活を送る」(goo辞書)
とある。こうやって見てみると「デラシネ」に対応する言葉や概念がなかったから取りあえず「根無し草」と訳したのではなかろうかと思えてくる。これは色んな国やら人種やら文化がぶつかりあって興亡の歴史を重ねてきたヨーロッパと日本との違いから来るものなのかもしれない。日本において自分たちの根を外部強制力によって無理矢理切り取られた経験といえば、おそらくは開国と明治維新/敗戦による大日本帝国の終焉くらいじゃなかろうか。
デラシネ=外部の強制的な力によって根を、根付く土地(実際の土地・言語・文化などなど)を奪われた人。
根無し草=浮き草のように大地(生活基盤、故郷)をもたず(捨てて)、漂うような生活をする人。
そんな感じで覚えておこう。
昔はよくでらべっぴん買ってたなぁ(*´・ω・)