『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』を観た

男はつらいよ 寅次郎純情詩集

寅さんにマドンナが亡くなってしまう回があるなんて…。・゚・(ノД`)・゚・。
昨今の安易な死ぬ死ぬ泣け泣け映画とは違って、しんみりとした切ない物語だった。
多分、中高年が観ることが多いであろう「男はつらいよ」シリーズにはある種適した
内容であったかな。"死"が徐々に身近になってくる年頃だからね(´・ω・`)


小芝居は「アラビアのロレンス」のパロディなのかな?
OPドタバタ劇は荒川河川敷かなんかで映画を撮ってる一団を見物してて
邪魔しちゃう流れ(ノ∀`) サイレント喜劇でも面白いのは寅さんのキャラを
説明するのに言葉は要らないということだろうかw

今回はマドンナとのファーストコンタクトが冒頭からかと思ったけど、
産休教諭の柳生雅子(檀ふみ)はマドンナじゃなかった(ノ∀`)
マドンナである柳生綾(京マチ子)の娘だった。

いつもの寅さんの悪い癖で、家庭訪問に来た雅子の前で良い格好をしようと
ないことないことを吹きまくり博を筆頭にとらやの面々を怒らせる(´・ω・`)
皆に無視されて下手に出ていたが、結局逆ギレ→喧嘩→出て行くの連続コンボw

旅先で大空小百合一座?と再会してどんちゃん騒ぎ。支払うお金がなくて警察に
軽く身柄を拘束されつつ、さくらに精算と迎えに来てもらうことに(ノ∀`)
こうやって展開を書いてみるといつも通りに寅さんは酷いやつだなw


とらやに帰って来た時の「俺もあの時は若かったから…」ってアドリブなんだろうか?
少なからず、そのリアクションとして"笑う"というのはなかったらしいけど。
アドリブだったら確かに吹いちゃうかもしれないw でもそうだとしたら元の台詞は
何だったんだろう?「馬鹿だったから」だと寅さんにしては殊勝すぎるような気もするし。

ここでようやっとマドンナの綾とファーストコンタクト。まあ娘とのやり取りを
ファーストコンタクトと考えて、これは或る意味でセカンドコンタクトになるのかな。

今回は御前様の出番が多かったような。なんとなくいつもよりコミカルな感じで。
そういえばBSプレミアムの「男たちの旅路」に笠智衆が出てたな。あのドラマは
水谷豊が寅さん並に歪んだ人格障害風キャラで面白いw

満男が描いた似顔絵ワラタw 今のところ意思表示をするポジションではないけれども
寅さんのことが好きなのか。


綾の中の人の京マチ子って「羅生門」の女の人か。
失礼ながらもまだ御存命ということで驚いた。

壇ふみってクイズ番組かなんかの記憶しかないけど、色々と出ているんだな。
「あしたのジョー」の白木葉子役もこの人だったのか。「ねらわれた学園」の
看護婦役だったらしいけど、覚えてないな(´・ω・`)


今回の話の肝はとらやでの"お店"の話に沸くシーンかな。
それと終盤のとらとさくらが"お店"の話を駅でするシーンか(´・ω・`)

寅さんが綾に何故人は死ぬのかと問われて即興で答えるシーンも良かったな。
俯瞰ポジションで観ている視聴者達には笑えるも切ない回ですな、しかし。

芋の煮っ転がしを急かす寅さんと感情を抑え気味に対応するさくらのやり取りは
なんだか「となりのトトロ」のサツキとメイのやり取りのようであった(´・ω・`)
寅さんがメイの方だったけど。

前回同様にテーマは"色恋"ではなかった。強いていえば"愛"だけども
それは"恋愛"というよりも、人の存在の肯定という意味合いで付与される
"価値"の別名としてのものだろうな(´・ω・`)


やっぱり寅さんは中高年向けの娯楽作品だなと改めて思った作品であった(・∀・)
若い人が面白いと思って観ることも決して悪いことでもないけど、若い頃は
「寅さんつまらない、何が面白いかわからないヽ(`Д´)ノ」という感じで忌避しておく方が
良いのかもしれない。歳を食ってからの方が味わい深くなるような気がする。