『ワンダフルライフ』を観た

ワンダフルライフ

死んでから死後の世界へと旅立つまでの1週間、死者達は「そこ」で一番大切な思い出を選ぶ。その思い出は、彼らと「そこ」のスタッフ達の手によって映画として再現される。そして、その記憶が頭の中に鮮明に蘇った瞬間、彼らはその「一番大切な記憶」だけを胸に死後の世界へと旅立っていくのだ……。選んでください。貴方の一番大切な思い出はなんですか?

観始めて、序盤くらいまで「お、これは面白い設定と手法だな(・∀・)」と思って
観てたけど、観続けていくうちに段々と俺氏の中の居る阿藤快人格が優位になり
最終的には「なんだかなー(・∀・)」という感想に落ち着いたw

インタビューパート自体は面白いけど長すぎるし、映画のストーリーそのものを
食ってしまうインパクトがあるので、映画自体がどうでも良くなってしまうw
ドキュメントに近い映像って危険だ。簡単に作品世界を崩壊させてしまう。

加えて映像化パートがもう酷くて、完全に流し観モードになった(ノ∀`)
なんかこれは素人の作る実験的というか同人的作品のように思える。
まあ映画の形というものがガチガチに定義されたものではないので
こういった作品もアリなんだろうけども、合わないなと思ったw


観ている途中で「考えてみると夫婦なり恋人の片方がその相手以外との、
過去の恋人との思い出を選ぶ可能性もあるんだよなぁ…(´・ω・`)」
と思っていたら、そんな感じの部分もあったw
これを裏切りと考える人も居るだろうけど、人は一個の閉ざされた脳内世界であり、
最終的に一人で現実世界から去って行くからその際に主観的に何を思うが勝手とも
考えられるしなぁなどと思ったり。

見逃してしまったけれども、これってまだ喋れないくらい子供や赤ん坊の扱いは
どうなってるんだろうな。何も持たずに天国に行くんだろうか。知的障害を持っていた
死者の扱いはどうなるんやとか、そもそも天国に行くということは事前に審判を受けた
人達ということだから、その過程はどうなってるんやとかもし全ての人が天国に
行くのであれば犯罪者達、特に快楽殺人犯の一番の思い出はどうなるんやなどと
設定の重箱の隅をつつきたくもなった。映像化云々ってところもいまいちな設定だったな。
漫画や小説ならいいけど、その部分を実写化してしまうと非常に陳腐な物になってしまう。


伊勢谷友介が伊勢谷友介役で出てた。映画デビュー作らしい。
「笑う大天使」で司城一臣、「ハチミツとクローバー」で森田忍をやっていたのか。
まあでもこの人はどんなにゴリ押ししても駄目だろうなぁ。

里中しおり役の小田エリカは可愛い感じ。他に何に出てたのかなと思ったら、
キューティーハニー THE LIVE」の烏川真由美かw
サディストのレズビアンというパンサークローの幹部じゃないかw
この作品が1999年公開でキューティーハニーが2008年か。
芸能界で色々あって暗黒面に落ちたんだな、きっと(ノ∀`)

同年のテレビドラマ『世紀末の詩』でトップレスを披露、1999年の写真集『小田エリカ』ではパンチラと指ブラを披露。

確かにぐぐると海辺だか湖畔だかでのトップレス画像がヒットする(*´・ω・)

阿部サダヲも渡辺一朗の青春時代役で出てたらしいが気が付かなかった。
寺島進はやけに若くて良い男風だった。原ひさ子のおばあちゃんは可愛かったな(・∀・)


変にドキュメンタリー風にしないで、その部分も完全に脚本化して役者に演じさせた方が
良かったろうな。映像化パートは蛇足だから素材集めのところ以外はバッサリ切って。
多分その方が映画としての完成度は高かったんじゃないかなぁ。まあでもそうしちゃうと
今度はぶつ切りダイジェスト風味になって物足りなさも生まれるかもしれないw
つまるところ、テーマ等の発想は良かったんだけども、それを上手く膨らませられなくて
ドキュメンタリー風映像の大量投入で水増しして作った映画のような気もする。

フィクションとノンフィクションのカクテルは決して綺麗に混じることはなく、視聴者を
混乱という悪酔いに導く。それは確かに幾許かの人の記憶に「この映画には何かある」
という風に残るかもしれないけれども、それは大画面と大音量で視聴者の感覚を麻痺させて
"迫力ある映像"と勘違いさせる映画に似てて、良い手法とは思えない。


監督の是枝裕和という人の作品は「歩いても歩いても」くらいしか観たことがないけど、
あれは普通に映画として良かった(・∀・) ききききききりん無双映画だったw
阿部寛と夏川結衣が夫婦役だったなw