悪の華 愛蔵版 / 柳沢きみお

麻薬取引の黒幕をしていたタレントの身代わりとして、すべての罪をかぶって麻薬取締法違反で逮捕された大手芸能プロ・マネージャーの津島研一郎。しかし出所するまえにフィアンセは他の男と結婚。その男はタレントの身代わりで津島を刑務所に送った張本人のマルAプロ社長・花山だった―――。罠にハメられ愛する人を奪われた津島は、花山に勝つためあらゆる手段を使って芸能界に立ち向かう!

全12巻。0円+10円x11=110円で購入。

最初の方の巻では上記の紹介文のような感じで面白くなるのかな(・∀・)とwktkして読み進められたが、途中からなんか全然違う感じになるw

基本パターンや構成要素は、

  • 津島が女と出会う・助ける -> せっくる -> (タレントデビュー) -> 姿を消したり死んだり -> (最初に戻る)
  • 男をスカウトする -> なんやかんやあって消える。
  • 特にそそられる部分がないせっくるシーン
  • 相変わらずの喧嘩シーン
  • あとは芸能界批判的発言w
    THE大市民』より酷い感じでひたすら文句言ってたw
    この傾向は片源の登場以降に一層激しくなるw

最後の方の展開は正直、工エエェェ(´д`)ェェエエ工とならざるを得なかった。リアルに変な笑いが漏れたw


連載時期はいつくらいだったんだろう?
この電子書籍版は発行日は2014年2月7日だけれども、復刊ドットコムのリクエストは2001年3月。 片源が登場して作中で小室哲哉とSPEEDについて揶揄するような台詞があることを考えると、その時点で1995年以降……片源の登場巻は6巻だから……
うーむ、わからん(・∀・)

この電子書籍版の発行日は実際の漫画連載時とは関係ないしなぁ…
取り敢えず6巻は2016年1月22日である。仮に実書籍と同じ間隔で発行していたならば2年くらい前の1993年くらいの連載かな?
でも"一人はまだ小学生"とあるから、最年少の島袋寛子(1984年4月7日)が12歳とした場合の1996年から2年引いた1994年くらいかな?

まあどうでもいいか(・∀・)

取り敢えず、アサヒ芸能で連載してたみたいだ。


俺氏的には結構酷い漫画だなと思いながら読んでいたが、こんな感じの内容でも熱烈なファンは居るわけで、2001年くらいに復刊ドットコムで依頼は有った模様。ここのリクエストではかなり絶賛されている。電子書籍としての発行はあったけれども、この復刊ドットコムのリクエストとは別口で電子書籍化されたんだろうな。

まあ全巻通してつまらないということはないかなぁ……でもやっぱり途中の話は「内容がないよう…(´;ω;`)」と読んでて泣きたくなるような回が多いんだよなぁw

「それら全部合わせて、愛すべき柳沢きみお節じゃろがいヽ(Д´)ノ」と言われればそんな気もしてくる。加えて言えば20年近く前の作品を今の感覚で読んで、あんまりとやかく言うべきではないな(ノ∀)

今回は登場人物紹介のところにそのままネタバレの内容を埋め込んだ。こんなに一生懸命にやるほどこの漫画を愛していないし、誰も必要とはしてないんだろうなぁと思いつつ、ついつい頑張ってしまうのが俺氏の駄目なところ(ノ∀`)モットユウイギナコトヲシナイトナァ


登場人物 津島プロ系
津島研一郎37歳。元大手芸能プロ社員。麻薬取締法違反で懲役2年の実刑をくらう。模範囚として1年半で仮出所した。左が出所後、右が収監前。

柳沢きみお漫画なので色んな女性と関係を持ち、その体に溺れるが、なんやかんやで心の中ではずっと順子を追い求める模様。

出所後は外見も行動もヤクザみたいになったw でもディーノみたいに昔から空手をやっていて、自己鍛錬を欠かさないならまだしも、なんで津島はあんなに強くなったんだろうかw?


かんな
19歳。男に捨てられそうになり、別れ話で揉めているところに偶然出くわした津島の気まぐれからスカウトされる。3ヶ月のダイエットと顔の整形、豊胸、枕営業をしてデビューする。説明の必要はないような気もするが、左が整形前、右が整形後の画像。

関川
マルAプロの売れない俳優。花山に命じられ、月30万の報酬で津島プロへスパイとして移籍する。 あんまり出て来ないというか、ほぼモブに近いかもしれないw
ネタバレ
最終的に花山にスパイをやめることを告げるが、そのために暴力団員に焼きを入れられ、物語からは退場する。

井草秀人
津島が立ち寄ったラーメン屋のバイト店員。津島にスカウトされる。

ネタバレ
津島への妨害工作として、マルAプロに引き抜かれる。そのまま最後まで出てこなかったはず。

美川陽子
28歳。日朝テレビで一番の人気アナ。フリー宣言後、マルAプロを始めとする大手芸能プロからスカウトを受ける。津島もマルAプロの圧力から逃れる為の切り札として彼女を引き入れようと画策する。

ネタバレ
津島のせっくるに惚れ込み、恋人のような関係になるも、カマプロに入る。順子と似たマリとの関係を知り、津島と別れる。最終的にエリートの医者と結婚する。

宮沢秋菜親子
酒で身を持ち崩した元アイドルとそのステージママ。酒浸りの拒食症的状態で、ガリガリに痩せて、以前のような声量も美貌もない。宮沢りえと中森明菜をニコイチにしたんだろうか…
まあ中森明菜は酒で身を持ち崩したわけではないけども。名前だけ借用したんかな。

ネタバレ
津島の誠意あるアドバイス等により秋菜は心と体の健康を取り戻すが、何の脈絡もなく突然死するw 物語としては可哀想なんだけども、余りにも唐突過ぎて笑わざるを得ないw

マリ
津島がスカウトした美少女中学生。順子に似ている。美しいが無表情のため、当初津島はアイスドールと心の中で呼んでいた。
二年前に親を事故で亡くし叔父の家に引き取られていた。

ネタバレ
預けられてすぐに叔父にレイプされた。一人暮らしをする為に、歌舞伎町のピンクサロン「スターピンク」でグリーンという名前で働いている。

ピンサロをやめさせる為に津島が口だけの愛人契約を結ぶが、なし崩し的に懇ろな仲になる。次第に心を開き、一緒に住むことを求めるくらいに津島に執着するようになったが、美川との関係を知り、自殺してしまう。


登場人物 マルAプロ系
花山吾郎
業界トップクラスの芸能プロであるマルAプロダクション社長。稼ぎ頭のミュージシャン・永沢光三が起こした麻薬事件の身代わりとして津島が刑務所に行くことを提示し、報償金として2億円を支払った。

ネタバレ
元々、順子の持つ魔性の魅力の虜になっていた模様。麻薬事件を利用して津島を刑務所に送り、順子を我がものとする。クスリを常用し心臓が弱っていた為か、順子との言い争いの最中に心筋梗塞を起こし、死亡する。

順子
魔性の女(´・ω・`)?

柳沢きみおの画力的問題か、俺氏の美的感覚の問題か、なぜ順子がモテるのかがわからない(ノ∀`)

取り敢えず最初の方はまともな感じだったんだけどねぇ…

ネタバレ
花山の子供を身籠るも、クスリの影響を考えて堕胎しようとする。そこで子供を産んで欲しい花山と口論となり、花山は心筋梗塞で倒れる。

花山の死後、マルAプロの社長となる。津島と縒りを戻すわけでもなく、冷徹な別れの言葉を放つも、津島が幸せになることは許さず、天海組を利用してその邪魔をする。その件の結末で順子は流産してしまう。

その後、海山プロの社長・木嶋とのクスリ&せっくるの最中に死亡する。

が、ネタがなくなったのか方針変更したのか、実は生きていて、精神は壊れた状態でフィクサーの慰み者となっていたという謎の展開になるw


川合ジョージ
32歳。マルAプロの社員。花山社長にスカウトされたが、芸能人やモデルになることを好まず、そのまま社員になった。アメリカ軍人と日本人女性との間に生まれた私生児。ハーフゆえのその容姿で女性タレントスカウトでは芸能界一の能力を持つ。 色々な女性と関係を持ち、小遣いを貰っている。"ジゴロ川合"の異名を持つ。

設定では凄くハンサムな魅力的なキャラなんだろうけれども、この絵を見る限りではケツアゴの小汚い髭面の男にしか見えないw

ネタバレ
登場当初は美川陽子を口説くライバル風であったが、津島を慕っており、比較的良いキャラw 独立関連等々で何度も襲われ、行方不明になったり記憶喪失になったりしているw
何気にこの作品のラストページは川合の台詞で終わるw

登場人物 KTプロ系
片山源
津島が宿泊した宿の主。30年程前のテレビ草創期にナベプロに匹敵する片山プロを経営していた。

堕ちた日本の芸能界を更に徹底的に破壊するために再び芸能プロを設立しようと津島と組む。 これまでにもあったが、片源の登場後、大市民みたいな感じで芸能界腐しが増えるw 
「Kはだいぶ前のある男と俺はだぶるんだよ。あのときの音楽シーンともな。」「覚えているだろ、夕方に放映していた若者向け番組で現役女子高生のシロートをどんどんアイドルに粗製乱造させそれがアイドル歌手の存在を逆に絶滅させてしまったAという作詞家を。」などという台詞を吐かせたり。

ネタバレ
途中からネタ切れになったのか、木嶋との確執やら胃がんやらの設定をぶっこんできたが、大してストーリーの盛り上がりには寄与しなかった気がするw 津島も片源への詫びを心でつぶやくも毎日ユミとせっくるするだけという展開がw

畔菜
片源と新プロダクションを立ち上げた後にスカウトした女の子。親が毒親ぽかったり、歌のレッスンの先生に襲われたりと中々不幸な子だったが、健気に歌のレッスンを続け上達する。まあでも結局デビューには至らなかった模様w 

しばしば出てきては津島が「本当にうまくなった」と心の中で称賛するんだけども、最後は投げっぱなしジャーマンといった感じである。まあ売りだそうとしていたグループの他の二人には名前すらなかったような気がするから、まだマシな方なのかなw


アサミ
19歳。夜の街でヒモに追われていたところを津島に助けられ、良い仲になる。なんかこういうパターンばっかりだなw

ネタバレ
父親が沢田。一応、津島の最後の女…ということになるのかな?
或る意味では捨てられたとも言えるか…
川合の台詞同様にちょっと切なくなった。

ヒデオ
津島がスカウトした絶世の美青年。

ネタバレ
ホモやで(・∀・)
深夜バラエティでデビューするも元彼の畑田に顔に大きな傷をつけられて消えていった。

登場人物 津島のタレント以外の女性関係
ユミちゃん
高校2年生。17歳。夜の街で出会った津島に援交を持ちかける。
関係後、津島はユミを木嶋をはめる餌にすることを思いつくが、それは実行されず。ただひたすらに関係を繰り返すw
尚、途中の巻では津島-ユミと順子-宇佐美のせっくるシーンが交互に繰り返され、大して話が進展しなくなる期間があるw
一時的に津島が東京を離れた後はどうなったかわからない。

後に堀井社長と援交している女子高生(右画像)が出てくるが、ユミに似てるけど、同一人物かは不明。着てる制服が違うけど、ただの堀井の趣味かもしれないし…作者の描き分け能力の問題だなw


バーで知り合った女
津島の行きつけのバーで知り合った女。外見はともかく体は凄い良いらしい。既婚者らしく、関係後、夫と思われる人物からの津島に対しての嫌がらせ行為が度々起こるようになる。

ネタバレ
実は事故で不能になった夫の公認の浮気というオチ。津島で4人目らしい。公認ではあるものの、嫉妬心や自らの不能に対する怒りはあるので、それを晴らす為に浮気相手に対して嫌がらせを繰り返していた模様w

美絵子
28歳。B型。宇佐美との確執の結果、東京を離れた津島が宿泊していた旅館の中居。津島と良い仲になる。訳ありな女性。

ネタバレ
かつてアル中のDV夫をベランダで介抱していた時に夫が転落死してしまった模様。死亡した夫の弟に居場所を知られて色々と揉めた結果、置き手紙を残して津島の元から去った。

佐伯美奈
津島が畔菜達、中学生アイドルグループの写真集の撮影で行ったサイパンで出会った女性。清楚な感じの地味な女性。津島と恋仲となる。

ネタバレ
津島との幸せな日々を送っていたが、順子の依頼を受けた天海組の組員に拉致監禁シャブ漬け調教されてしまう。津島が救いに行き、乱闘になった際に外に逃げ出すが、自殺してしまう。

登場人物 ヤクザ系
天海伸助
天海組組長。58歳。花山と昵懇の中であった。順子から裏の仕事依頼を受け、順子もろともマルAプロを手中に収めようと目論む。

ネタバレ
呆気なく順子の体に溺れ、忠実な下僕へと成り下がる。
美奈の事件の復讐として、津島に金属バットで頭をかち割られる。

宇佐美
天海組二代目組長。順子の体に溺れる。

ネタバレ
順子が死亡した原因が木嶋だと知り、その生命を狙うが、木嶋が泣きついた、より大きい暴力団の刺客によって刺殺される。

沢田
沢田組組長。終盤の荒事を片付ける為に登場してきたキャラのように思えなくもないw

ネタバレ
アサミの父ではあるが、関係を持ってしまい執着していた。川合をさらい、津島を脅すも、最終的には津島を認める。後に銃で撃たれ、入院先で死亡。

登場人物 その他
勝錦次
カツキンの愛称で親しまれる大物俳優。モデルは勝新太郎だろうなぁw

ネタバレ
美奈の事件の時の便利屋として出てくる"ミスターK"らしい。でも活躍したのはそれっきりで、病気かなんかで死んでしまった模様。なんだったんだろうw

木嶋
海山プロ社長。順子に惚れ込み、猛アタックをかける。
女好きで相手を覚醒剤漬けにして弄ぶ。クズ野郎。

ネタバレ
クズ野郎はクズ野郎なんだけれども、順子死亡以降は『DINO』の榊社長のようにアクが大幅に消えてしまう。『THE大市民』同様に作者の老いに対する思いも混じっていたのだろうか?

畑田
スナックゴローのバーテンダー。ヒデオの元彼で執拗にヒデオを追いかける。

ネタバレ
一旦は暴力団員の脅しに屈して手切れ金を受け取ったが、その後、ナイフでヒデオの顔に治療できないレベルの傷を与える。

事務所一覧
凄くどうでもいい話だが、この時はジャニーズなどの実際の名前を出していたけれど、後の方では"ジャミーズ"とかになっていたw クレームではないにしてもそういう対策で変えたのだろうか。

それはともかく、この一覧にある"シャリシャリズム"って聞いたこともない芸能事務所だなと思ってぐぐってみたら、

ファーストアルバム『シャリ・シャリズム』(SHARI-SHARITHM)は、米米CLUBの活動のために立ち上げた個人事務所の名称(SHARISHARISM)でもあり
全盛期

ということらしい。1997年の米米CLUB解散時に無くなった事務所なんかな?


市川

マルAプロ同様にトップクラスの芸能事務所・カマプロダクションの部長。フリーになろうとしている美川陽子獲得に動く。

別段、ストーリーに大きく関わっては来ないが、カマプロでピーコ似だったのでw


結末

フィクサー・本多が順子を囲ってるホテルの最上階に津島が突入。二人のボディガードを倒すも、三人目には歯が立たず。万事休すかと思われた時、生ける人形と化している順子が部屋からふらふらと出て来た。ボディガードが部屋を調べに行くと本多はバイアグラの飲みすぎか、息絶えていた。満身創痍の津島は廃人とも言える順子を連れ、三日月の照らす海中へと消えて行った。

まあ、順子の魔性の魅力が全ての原因っていうまとめでいいですかねぇ( ゜σ・゚)ホジホジ ← エントリ化に疲れて無茶苦茶どうでもよくなってる模様