カテゴリー: 漫画

美貌の果実 / 川原泉

知ってる人は知ってるけど、知らない人は知らないシリーズ。
作者は主に白泉社で短編物を描いていた川原泉氏。短編物が多いので
タイトルは沢山あるけれど、かつて単行本ベースで売っていたものの中で、
一番好きだった『美貌の果実』をエントリ名にした。
掲載紙は『花とゆめ』なので少女漫画に分類されるものではあるが、
内容は少年漫画や一般漫画に近いかもしれない。

世間一般で一番有名な作品は上野樹里主演で映画化された『笑う大天使』だろうか。
テレビで観たけど、あの映画は酷かったなぁ…(・∀・) 何で最後、格闘物になったんだろう…


一番最初に読んだのは十数年前に友達から借りた『フロイト1/2』の単行本だった。
『フロイト1/2』自体はそれほど面白いと思わなかったけれど、
同時収録されていた『かぼちゃ計画』に出てきた
  人生はいつだってかぼちゃ計画…(´・ω・`)
という言葉になんか惹かれた。その後、『中国の壷』、『美貌の果実』を
自分で買って最終的にはほとんど揃えたような記憶がある。今はもう持ってないけれど。 ← kindleのセールでほぼ全部買い直したわ(ノ∀`)


川原作品は一般的にSF要素や哲学的内容が好まれているらしい。
個人的にはある種頑固とも言える傾向のある主人公達が真面目に生き、
時に誤解されたり喧嘩して落ち込むけれども、最後には報われるという
王道的展開が好きだ(・∀・) めでたしめでたし感が半端ない(w


以下は文庫本なので収録作品が異なるかもしれない…

『美貌の果実』
甲州で小さなワイナリーを営んでいる秋月親子の窮地を見かねた行基の霊に
命じられた秋月家の葡萄の木に宿る葡萄の精がこの母娘を助けるために現れるお話。
「愚者の楽園」、「大地の貴族」も好きだ。このシリーズはアニメ化しないかな(・∀・)
「愚者の楽園」ならNHK辺りでドラマ化できそうだけど。


『中国の壷』
亡父から譲り受けた中国の古い壷。その壷には趙飛竜なる人物が住んでいた。
壷の持ち主である志姫と飛竜の奇妙な日常を描いたお話。
単行本タイトルである「中国の壷」も面白いが、どちらかというと同時収録の
「殿様は空のお城に住んでいる」が好きだ(・∀・) 正直、無理に『笑う大天使』を
映画化するよりもこちらを映画化するべきだったんじゃなかったのだろうかと思う。
普通に実写化できそうな気がする。鈴との縁談を決めた景宗の父が言う台詞が
凄く好きだヽ( ・∀・)ノ


『甲子園の空に笑え!』
田舎の高校に赴任してきた女教師・広岡が弱小野球部の監督になって、何故か甲子園出場を
果たしてしまうお話。最後の皆でバスに乗って帰る辺りがなんか好きだ(・∀・)
この広岡はのちの『メイプル戦記』で女子プロ野球チームを率いたりする。


どの文庫本に収録されているかわからないが「銀のロマンティック…わはは」も好きだ(・∀・)
フィギュア人気があるうちにアニメ化しないかな。「空の食欲魔人」「ゲートボール殺人事件」も
まぁまぁ好き。

映画化はちょっとアレだった『笑う大天使』も面白い。なんとなく司城兄妹のこれからに
『はいからさんが通る』の青江冬星とその養子のようなものを感じた。
おハルさんは「美貌の果実」の精しゃんみたいなイメージ(´・ω・`)


「ブレーメンII」までは読んでいたけれど、その後の作品は読んでいない。
少年漫画や一般漫画すら最近では読んでないので少女漫画や少女漫画家が
シフトとした雑誌のことはさっぱりわからない(´・ω・`)

今はもう漫画を描いてないのかな?

MASTERキートン

今更紹介するまでもないけど、読んでないなら読んでみたらシリーズ。
作者は「YAWARA!」「20世紀少年」の作者の浦沢直樹氏。全18巻。
現在は絶版問題により新品は入手しにくいかも。

2011年10月現在 上記の問題が一応解決したらしく「MASTERキートン 完全版」の刊行がされている模様。

キートン動物記とかいう外伝もあったような気がするけど、あれは読んだ記憶がない。

主人公は平賀・キートン・太一は考古学者→SASロイズの保険調査員という経歴。
依頼された仕事を軍隊で培った技術や考古学の知識等で解決していくストーリー。
探偵・便利屋物の類でハードボイルドではなくてハーフボイルドな空気の作品
爽快な話や楽しい話も多いが、やるせない話や物悲しい話も少なくない。
1話完結、たまに前後編、3話以上の回はそれほどなかったような。

冒険野郎マクガイバー特攻野郎Aチームのコングの工作タイムが好きだったら結構合うかも。
あとは歴史物、軍事物が好きな人向け…かな?

最終回に関しては好意的な評価ではない人も居るようだけれども、キートンの考古学への思いや
別れた妻への想いがうまい具合に昇華されてめでたしめでたしな終わり方だと個人的には思う。

軍事ネタ主体の「パイナップルアーミー」より好きだ(・∀・)

うしおととら

今更紹介するまでもないけど、読んでないなら読んでみたらシリーズ。
絵柄等で好き嫌いは別れると思うが、ストーリーはかなり良いと思う。
全33巻+外伝1巻+画集?2冊が出版されている。
今はワイド版や文庫版が出てるはず。本屋で見掛けた記憶がある。


・蒼月潮…普段はおちゃらけているけれど、芯は理不尽なこと、曲がったことの嫌いな熱血中学生。
       寺の息子で父と二人暮らし。ストーリーが進むに従って、母が居なかった心の葛藤を
       解決していく。太陽のような存在の為かなんやかんやで男にも女にもモテモテ(・∀・) 

・とら……潮の家である恩施山覇風寺・芙玄院の地下に「獣の槍」によって封印されている妖怪。
      「白面の者」と浅からぬ因縁を持つ。非常に利己的で妖怪退治に毎回非協力であるが
      「獣の槍」で脅されたり、自分のプライドを傷つけられて怒ったりでなんやかんやで毎回
       潮に協力して妖怪を倒す。「獣の槍」で自分を脅す潮を常々疎ましく思っており、いつか
       喰らってやろうと企む。最終回でその宿願を果たす。ぶっきらぼうだが芯は通っている
       のでやっぱりなんやかんやでモテモテ(・∀・)

・白面の者…世界が誕生する時に集まった邪な気が意識を持ったもの。後に体を有し、
        人間・妖怪問わず全ての生命体を恐怖を与えることを存在意義とし、
        同時に自らに恐怖を植えつけた「獣の槍」を破壊しようとする。
        九尾の狐がモデルだが、たまにガンバのノロイに見えなくもない(・∀・)

・獣の槍…白面の者に祖国を滅ぼされた鍛冶職人が打った、白面の者を滅ぼせる唯一無二の武器。
        同時に妖怪達にも絶大な力を持つ為、妖怪達に恐れ忌み嫌われている。

その他、魅力的な登場人物が沢山出てくるけれど、書ききれないから略す。


単純に妖怪退治物として読んでも楽しめると思う。個人的にはその底辺に流れる悲しさ、
優しさ、暖かい温もり、熱血などが感じられ、毎回通読するたびに。゚(゚´Д`゚)゚。状態に。
ってこれを書くために原画集を見ながら既に涙目になってる俺は一体(  ;´ω;`)

一応三巻までは独立した話で四巻辺りから本当の話が動き出す感じ。
シリーズによって当たり外れというか好き嫌いは出そう。
散りばめられた光のかけらというか、潮ととらによって光り輝きだしたかけらたちが、
白面の者という世界を覆おうとする絶対的な闇を打ち晴らそうと収束し太陽にも
劣らない光をもって見事にそれを成し遂げる展開は読んでいて興奮する(`・ω・´)

DSの「押忍!闘え!応援団」の最終ステージが好きな人なら、合うかも。

エピソードとしてはカマイタチ、サトリ、ナマハゲ、?、キリオ、ハマー機関が良かった。・゚・(ノД`)・゚・。
何気に一番好きなのは、とらと真由子のエピソードだったりもする(w
あとキジムナーの回も好きだな。

シャガクシャや白面の者、流などを心理学的精神分析的に眺めるとまた違った面白さも
出てきそうな気がする。


作者の藤田和日郎氏は他に「からくりサーカス」を描いており、今は「月光条例」を連載中らしい。
「からくりサーカス」はあんまり合わなかったなぁ(´・ω・`)

おそらく原案であろう短編集の「からくりの君」は好きだった。
短編集の朔夜シリーズはやんないのかな。猟奇的な事件ばっかになりそうだけど(w

「月光条例」は面白いのかな?機会があったら読みたい(・∀・)

まじかるストロベリィ / まつもと 剛志

ヤングアニマル、その他ヤングアニマルの増刊系で連載されていたほのぼの四コマ漫画。
全10巻。作者のまつもと 剛志氏は新連載を始めた模様。


植物好きの光太が或る日拾った苺の鉢植えはただの鉢植えではなかった。
光太と魔法苺の妖精・いちことその仲間たちが繰り広げるほのぼの四コマ漫画。

植物好きで植物学科専攻の主人公・日下部光太は或る日公園で苺の鉢植えを拾う。
その鉢植えの苺はただの苺ではなく、妖精の宿る魔法苺(マジカルストロベリィ)だった。
マジカルストロベリィは愛情をもって育てることによって願い事を一つだけをかなえる魔法の実を成らせることができる。但しその実で願い事を適えると妖精たちはそこから居なくなってしまうのだが…


・温厚で植物好きの朴念仁・光太と甘えん坊のちょっとおませないちこ
・巨乳おっとり眼鏡っ子の日向としっかり者で女装の似合うニコ(マジカルブルーベリーの精)
・大酒呑みで人をからかうことが大好きな太刀花先生とその娘・謎の力を秘めた無口キャラのさえ
・ギャンブル狂いの貧乏人の前坊と外見とは裏腹に守銭奴キャラのスージー(マラジカルラズベリーの精)

という4本のキャラコンビ軸、さえを含んだ妖精たち視点のこども世界、光太たちの心の葛藤やラブコメ、ほのぼのしたギャグ、そして植物ネタなどで構成されている作品である。


全編を通して作品世界を照らす穏やか陽光が感じられ、読んでいて優しい気分になれる。
『三月のライオン』のほのぼのパートが好きな人なら結構気に入るのではないかと思う。
ギャグも個人的にはツボだったのでたくさん笑わせてもらった(・∀・)

二コマの漫画も懸賞ページだったか漫画募集ページに載っていたが、あれも面白かった。

ここ数年はほぼ漫画を買わなくなっていたが、この漫画は好きだったので買っていた。
お金ないから7巻までだが…_| ̄|○


ヤングアニマルは『ベルセルク』、『エアマスター』、『ホーリーランド』などの格闘・戦闘系、『ふたりエッチ』、『ユリア100式』などのエッチ系、『ああ探偵事務所』や『DMC』などのコメディ系、『藍より青し』以降の萌え系?などで名が知れているように思うが、自分は四コマ漫画が面白かったのでよく買っていた(w

『戦え!アナウンサー』、『のの美捜査中!』『ももいろシスターズ』が好きだった。
あと1ページコラムの『B級グルメ冒険記』も何気に好きだった。