カテゴリー: 漫画

鼻兎

今は亡き、ヤングマガジンアッパーズにて連載されていた不条理系漫画。
作者・小林賢太郎氏が組んでいるラーメンズのコントについてはよく知らないが、
この漫画は気に入って購読していた。


優しいんだか酷いやつなんだかよくわからない鼻兎、
鼻兎の意地悪されるもなんだかんだでいつも一緒に居る犬の「いぬ」、
元はお金持ちに飼われていた物売りの猫の「ニニコ」、
その他の鼻兎を取り巻く人々の日常が描かれている。

正直、凄く笑えて面白いかと言えば、そうでもない。
お誕生日の話とかニニコの過去の話などなんかもの哀しいような回が好きだった。

ヤングマガジンアッパーズ休刊に伴ない、終わってしまった。また何処かでやりそうな感じの
最終回だったので期待して待っていたが、未だに再開はしていないようだ。

聖☆おにいさん

講談社 モーニング・ツーにて現在も連載中。
作者の中村光氏はヤングガンガンにて「荒川アンダーザブリッジ」も連載中とのこと。

ヤングガンガンは2,3回読んだことがあるくらいなので余り詳しく覚えてないが、
ちょっと驚いた。橋桁に住むんだかなんだかいう話だったような気がしたが
余りこの「聖☆おにいさん」とは結びつきそうにない印象だったような。


堅実でお金に細かく、温和だけれども怒ると怖いブッダと
ちょっと軽佻浮薄で新し物好きのイエスが下界で繰り広げる聖人コメディ。

しっかり者のお兄さんタイプのブッダと甘えん坊な弟タイプのイエスの
物欲や名誉欲にまみれた、人間味あふれる毎日が描かれている。

それぞれの聖人の一生やその世界観を知っていなくても楽しめると思うが、
知っていればより一層楽しめる(・∀・)

個人的には吹き出し部分よりも手書きで書かれた部分の台詞が好きだ(w
(「迫害されてませんでした?!」や「もういい、歩いちゃう!!」など)


掲載誌のモーニング・ツーでは面白い試みをしていて、雑誌に掲載されている漫画を
期間限定でWebで無料公開している。

購読希望の読者に雑誌が届かずに作品が日の目を見ないよりかはと、Web無料公開を選択したようだ。
雑誌の売上を捨てて単行本売上で勝負する形なのだろうか。

ちなみに自分がこの漫画の1巻を買ったのは、面白いという噂を聞いて、
ちょっと前から漫画コーナーに置かれ出している、第1話だけが載ってる小冊子とこの無料公開を読んでのことなので、多少なりとも効果はあるのかなと思った。毎回全作品を無料公開しなくても2,3作品をローテーション無料公開するくらいでも効果がありそうな気もする。

そのうち5巻以上の漫画は第1話は無料公開、30巻以上出てる漫画は第1巻を無料公開なんて流れも出てきたりして(・∀・)

ダーリンは外国人

ハンガリーとイタリアの血を受けつぎ、アメリカで教育を受け、日本にやってきた男・トニーと
作者・さおりとの出会いから結婚・同居生活において起きたさまざまな出来事を描いた作品。
漫画というよりかはエッセイと漫画の中間の系統に属する。
この作品は2002年のものであり、続編も出ている。
題名通りに外国人としてのトニーと日本人・さおりとの感覚のズレもあるが、
必ずしもそのズレが外国人という部分に起因していない話も多いように感じた。
トニー自身がかなり変わっているように思えるからである。


興味深かったのは笑いの話とトニーが考える時に何語で考えるかというコラム。
・究極的には笑いのツボの差異は個人に依存するのだけれど、
笑いは所属する文化やモラル・思考ルーチンに大きく影響されるので、
日本人と外国人のツボは基本的には一致しないはずである。
日本人で言えば関東・関西などの「地域」や「年代」「知識」によって違うようなものである。
(幾つかの例外として体や表情を駆使したものはあるけれど)
トニーとさおりとの場合は男女の違い、トニーの特殊性もあり、上記のような
文化的差異によるものなのかどうかよくわからないが、なんとなく外国人としての
片鱗が見受けられた話だった。
・トニーは文章を考えている時に何語でもなく概念で考えているというが、これは
ちょっと信じられない。概念そのもの自体を言葉なしで扱うのは無理だからだ。
無意識になんらかの言語を脳内で使用している筈だ。
言葉なしでせいぜい出来るのは絵や図を思い浮かべることくらいだろう。
とはいえこれは想像の範囲なので、多言語を操る人の脳の活動部位を精査したら、
言語野が活動しない結果が出るかもしれない。何処かでそんな研究してないだろうか。


結局のところ、他人と暮らしていくには相手が日本人であれ外国人であれ宇宙人であれ、
互いに相手を理解しようと努め、思いやっていくしかないよねっていう話だと思う。