カテゴリー: 電子書籍

光る風 / 山上たつひこ

当時の社会情勢を巧みに反映させ、軍国主義の台頭とその恐怖を描いた内容は読者に強い衝撃を与えると同時にポリティカル・サスペンスをいち早く手掛けたことによって、高い評価を受けた。

全三巻。これも謎の無料配信の時に入手した。

結論から言うと、結構面白かった(・∀・)
多分、これが連載されていた1970年当時に読んでいたならば、世界情勢とのリンク等々から、その虚構世界により強い衝撃を受けたのかもしれないけれども、米ソ対立も反共も今は昔、せいぜい資本主義 vs 社会主義や共産主義を詐称する資本主義もどきと言った今の時代ではただの過去のポリティカル・フィクション作品という印象。

物語の始まりは奇祭というか裸祭というか。「新堂エルの文化人類学」じゃないよ(*´・ω・)

なんか昔色々あったらしい


内容は面白かったけれども、この作品名をぐぐった時にやけに"予言"とか"現在を予見した"みたいな評価が見受けられることにはいささかの違和感を覚えた。

海外派遣の部分に関しては現実のPKOとは全く異なる戦前の軍国主義に根ざしたもので、形こそは似ていても内容は全然違う。

愛国心云々は現実にはせいぜい安倍首相界隈しか唱えてないし、どちらかと言えばゲバ棒からポリコレ棒に持ち替えた攻撃的排他的独善的"博愛主義者"達の方が害悪のような気がする。まあ綺麗事を唱え続けて似たような人達とお祭り騒ぎすることほど、孤独感を払拭出来る、お手軽で中毒性の強い承認欲求達成ドラッグはないから依存しちゃうんだろうけど。まあこれは左に限らず右にも言えることかw

今時の若いもんは的なモノと同様に何時の時代でもありそう

ちょっと笑ってしまったw 今はLGBT関連にも侵食してるからこんな表記は出来ないよなw ちなみにこれとは全く違うオカマ爆弾(gay bomb)という物を開発しようとしていたらしい(ノ∀`)

地震に関しては、日本だしねとしか言いようがない。あれは物語を終わりに向かわせる為の装置というかイベントに過ぎないんじゃないかな。

俺氏もそうだけれども、人は見たいように物を見ようとし、理解したいように理解しようとする。どんな形態の作品であれ、正確に言えば世のあらゆる事象であれ、基本的にその傾向は変わらない。つまるところ、作者がそこまで狙って描いていなくても、読者は自分が解釈したいように解釈する。

それが作者にとって賑やかしの為に何気なく撒いた普段使いの茶碗の破片だったとしても、拾った人によっては「これは名工が作った傑作の欠片に違いない、世紀の大発見だ(・∀・)」と思うのであれば、それはその人にとっての事実や感想であり、他者が否定すべきものではないのかもしれない。

だけれども、作者が未来を描こうとしていたわけではなく、虚構世界(その中の多くは現実世界をそのまま模写している)に於いて論理的破綻をしないように物語を構築した結果が、現代の現実世界の物と似ているように見えるというだけで、未来を予見していたというのは少し安易過ぎるような気がする。もっと言ってしまえば、ノストラダムスの大予言を信じようとする曲解や防衛機制的合理化の類が発動しているように思える。

まあ実際のところ、山上たつひこが何を考えて描いていたかなんて俺氏は知らないので、そういう風に描いていたのかもしれないけども、俺氏にはただのif物にしか思えなかったなぁ。

ここだけ切り出すのはあれだけど、所詮"平等"とか"平和"とか"正義"とかって、結局はただのポジショントークだからねぇ(・∀・)


一見すると愛国心やら軍国主義に対峙する主人公と言った左翼思想的な内容に取られてしまうのかもしれないけれども、何となく左右の話じゃなくて、国家権力や全体主義と個人という構図の方がメインのように思えた。左翼的要素はあるにはあったような気はするのだけれど、ちょっと弱いというか、左翼を称賛しているわけでもなく、主人公の弦に思想らしい思想も見受けられなかった。弦に関して言えば狂言回し的主人公であったような。

今までの歴史に現れた、数々の名前だけのエセ社会主義やエセ共産主義の国々も、実際には権力闘争に明け暮れ、手に入れた権力を以て独裁し庶民(個人)を虐げる現状を踏まえれば、軍国主義やら独裁主義と何の違いもない。その間に違いがあるとすればそれは唱えてる文句が、振り上げているその腕が左右異なる程度のこと。鏡に写って左右反転してるだけの同一個体。

若かったとはいえ、そんなことを踏まえずに山上たつひこが青い内容を描くとはちょっと思い難い。

やはりこれは、戦前の日本や当時の世界情勢をベースにした、権力vs個人(勝負にすらなってないが)やポジショントーク的"正義"等の思考実験的ポリティカル・フィクション作品なんじゃないかなぁ。

俺氏も漏れそうな時に何とかトイレに辿り着けた時はこんな顔をしている(´・ω・`)マダユダンシチャダメ

この漫画では、異常な愛国心(考えてみたら天皇崇拝とかの戦前の右翼的思想の特徴は特になかったな)について描かれていたが、行き過ぎた思想や思考や宗教はどれも"虚像との愛撫"にしか過ぎないよね(´・ω・`)


当局からの圧力を受けた等の打ち切り説もあったようだけども、どうかねぇ?
六高寺家のパートが終わった後、ストーリー的にこれ以上の広がりようがないような気がしたので妥当な終了のような気がした。

まあ左翼称賛とか軍国主義打倒をメインテーマにしているのであれば、倒幕ならぬ倒政(革命?)展開も出来なくはないけれども、余り現実的ではないしなぁ。

"権力"というモノとそれに対する人間の執着をメインテーマにしているならば、革命後の凄惨な粛清や権力闘争まで描ききればいいのだろうけれども、やはり革命自体が無理筋だよな。米軍の介入や核なり生物兵器を使われて日本壊滅エンドが待っているだけだろうしなぁ。

そう考えるとこの終わり方で良かったんじゃないのかねぇ……とか言いつつ、実は俺氏、最終回の弦の言っていることを一分も理解できていない(ノ∀`)ムズカシイ

お手伝いの雪さん。ちょっとミニスカート過ぎませんか(*´・ω・)?

最後まで名前はわからなかったが、やけに哲学的というか物分りの良い男だったw ちょっと好きw


まあ一読の価値はあるんじゃないかなぁと思いました(・∀・)(小並感)

関係ないけど、昔、同名のゴルフ漫画があったような気がする( ・´ω・`)

禍々しき獣の逝く果ては / 楠本弘樹

禍々しき獣の逝く果ては

悪夢のような事件で、妻と子を失った警部・レオン。
その事件を霊視した「過去から現在」を占ることのできる少女・アリアは
犯人が人間でないことに気づき、レオンを通して占霊を行う。
だがその施術はレオン自身の封印された秘密を明らかにする…!!(銀の楔篇)
わずかな手がかりをもとに「犯人」と自らの「記憶」を追い続けるレオン。
一方、レオンのことが気がかりなアリアとジェスは再会を試みるのだが!?(遭遇篇)

全5巻。全部で\0+\11=44円だった模様。1巻は今でも\0円の模様。

結論から言うと絵は綺麗だし、キャラも悪くなかったけれども、んー(´・ω・`)

つまらないというわけでもないけど、世界設定とか、そのロジック等が今ひとつ受け入れられず、結果、ストーリーにものめりこむこともなくといった感じだった。まあ、ほぼ全員がハッピーエンドなのでそこはそれでいいんだけどもね。


アリア=クリスト
占霊師であった祖父の能力を受け継いだ少女。もうすぐ14歳。一応主人公だと思うのだが、なんとなく金田一耕助のような狂言回し的主人公であった。この漫画って誰が主人公だったのかなぁ的疑問が残るところがあんまり合わなかったのかもしれないな(´・ω・`)


ジェス
アリアの『守護者』。落ち着いた大人のような外見をしているが、その中身は…

レオン
中央部第四警察署の警部。妻子を殺され、その犯人を探している。画像はまだ態度がツンツンしてた頃のもの。

ラルフ
レオンを付け狙う異形の者。

ユーベル=クリスト
占霊師。その占霊術を使って中央部第四警察署で捜査の協力をしていた。いつも煙草を咥えている。故人。

ジャン=クリスト
ユーベルの息子にして、アリアの父。霊力はあるようだが、占霊術とそれに従事するユーベルを嫌っている模様。画像は若かりし頃のもの。故人。

クリスティアナ
レオンの幼馴染にして妻であった。故人。

セシル
中央部第四警察署の署長。ユーベルに捜査協力をしてもらっていた関係から、アリアにも捜査への協力を依頼した。料理が上手く、意外と男に尽くすタイプか。

何系の人向けなんだろう…微妙にBL的な香りがなくもないが、がっつりそういうわけでもないし。なんていうジャンルになるんだろうかとぐぐってみたら、作者のPixivのページに『ゴシックホラー』とあった。ああそうか『ゴシックホラー』か(・∀・)

そう言えば読み始めはアニメで観た「GOSICK -ゴシック-」みたいになるんかなぁと思ってたわ(ノ∀`)

というわけで、ゴシックホラーが好きな人だったら、合う人は居るかもしれない(・∀・)

最終教師 / 山本貴嗣

最終教師

清楚な外見にして実は総番であるブルマー少女・白鳥雛子が、荒廃した学園を建て直す(?)為に派遣されてきたゴキブリ改造人間・茶羽顔八とバトルし続けるギャグ漫画。

全三巻。正確にはPart1が全二巻でPart2が全一巻。セールの時に32+10+10=52円で買うた。マンガ図書館Zでも読めるようだが、表紙がなんか違うような気がするから、出版社が違うバージョン?


白鳥雛子
真面目そうな外見とは裏腹に私立帝王学園高校を取り仕切る総番。何故にブルマーを穿いているかと言えば…まあ、在り来りな理由であるw

顔八と渡り合える高い戦闘能力を持つが、なんでそこまで強いかは謎w

ちなみにPart1の舞台は私立帝王学園高校で後から顔八が赴任して来る流れだが、Part2では顔八が牛耳る私立最終学園に雛子が転校して来る展開。

茶羽顔八

遺伝子実験の結果生み出された改造人間。嵐に紛れて脱走し、数年後、茶羽顔八として現れた。ゴキブリとの掛け合わせの為、生命力が高く、しぶとい。何故に教師を志したかは不明w

笑った顔はやや小林まこと風。


狩魔無礼
結婚式場を装った遺伝子工学研究所・梅雄会館の所員。顔八を追い続けている。

髪型の所為か、最初の登場シーンはブラック・エンジェルズ末期に出て来るモジャ頭キャラ・運命を彷彿とさせる。

今年の始めに亡くなった、作者と劇画村塾で同期であった漫画原作者・狩撫麻礼がモデル…なのか、ただ名前をもじっただけなのかは不明。


梅吉
雛子の子分。顔に似合わず役に立つ男。

渡辺隆一
雛子の子分。帝王学園のインテリの神様と呼ばれている。二巻では何故か巨漢のデブっぽい体型になっている。
私立最終学園の文化部
顔八によって支配された私立最終学園で非行生徒として追い詰められていた文化部の面々。
園芸部 鍬形満、家庭科部 団厨太、文芸部 五月メイ、帰宅部 寝虎。

凄く疑問に感じているのはこの絵柄。なんか細野不二彦っぽい。
3巻は2巻が出てから5年ほど経ってから執筆された作品らしく絵柄が全体的に違うんだけども、寝虎は特に細野不二彦っぽいw
作者が絵柄を変えたのか、それともアシスタントがこういう感じの絵を描くのか…

エルフ・17」とも「SABER CATS」とも何か違う絵柄なんだよなぁ(´・ω・`)


こういう「これは…の分、これは…の分…」的展開の大元の作品は何だろう?
漫画なのか映画なのか…


まあ学園ドタバタ格闘コメディ物なので、そういうのが嫌いでなければ十分楽しめるのではなかろうか。まあ短いのが難か。短編も何本か収録されていたな、そう言えば。

無料配信漫画等々をいろいろ読んだ(・∀・)-32

もう止めようと思っていたのにまた無料配信漫画やセール漫画に手を出してしまった…_| ̄|○


めしにしましょう 小林銅蟲

人々に夢売る商売、それが漫画家。
その仕事場では華やかなイメージとはかけ離れた修羅場が繰り広げられている!
いつも締め切りに追われる漫画家のため、変わり者アシスタントが今日もやる気を回復させる“やりすぎ飯”を振舞います! 読めば腹が減ること間違いなし!!

まあまあ面白かったけど、調理パートがメインで色々とミッチリ詰まってる感じなので、その辺に興味がない人には一話一話が長く重いモノに感じられるかもしれない。ページ数的には一話10ページと短い。だから詰め込み過ぎな感じになるのかもしれない。休み休み読んだわ(´・ω・`)

第一話からタイトルコール。


ごほうびごはん こもとも子

地方から上京した新人OLの池田咲子は慣れない仕事でお疲れ気味。彼女の楽しみは、週に一度、自分を思いきりねぎらう「ごほうびごはん」! 時にゴージャス(おもに給料日後)、時にショボい(おもに給料日前)彼女の食卓をのぞいてみてください。

一話6ページでたまに調理説明等はあるものの、どちらかと言うと食べる方に重点が置かれてる食漫画。料理そのものよりも主人公・咲子の毎日がメインかな。まあ、嫌いではない。ただ、その一話のページ数からして箸休め的漫画なので、単行本等で一気に読むとある種の物足りなさは出て来るかもしれない。

ほっこり系ですかねぇ。


極!!男塾 宮下あきら

奇跡の大復活! ! ! !
80年代の少年少女を興奮の坩堝に巻き込んだ
伝説の名作・「魁! ! 男塾」の最終章が遂に発売! !
「男塾」のみならず、過去作品のキャラ総出演の様相を呈した、
ファン垂涎、正に宮下あきら漫画の集大成。
予測絶対不可能の超展開も話題の、宮下ワールド決定版! !

相変わらずトンデモ展開ではあったが、宮下あきらの過去作品のキャラが出て来たりして、ちょっとwktkしたわ(・∀・)ボギー

学帽政より桃太郎達の方が歳上なんだな。まあ江田島が戦争に行っていた世代なら、そんな年齢差になるのかな?


かくしごと 久米田康治

父・後藤可久士、娘・後藤姫。父が娘にぜったい知られたくない秘密‥‥。それは、自分が「漫画家」だということ!でもそんなの隠し通せるの?「隠し事」は「描く仕事」! 愛ゆえに心配しちゃう漫画家パパが大暴走の、漫画業界トラブルコメディ、開幕!

漫画業界の裏話とかあったり、いつもの久米田ワールドなので楽しい(・∀・)
でも巻頭と最後の短編?に成長した姫らしき子が出て来てるんだけど、んー、どういうことなの(´・ω・`)カクシハドウシタ? 姫のお母さんの話もいずれ出て来るのかな?

漫豪が出て来た(・∀・)


おおひなたごう作品は10~11円で買った模様。

目玉焼きの黄身 いつつぶす?

夜の町に灯る家々の光、そのひとつひとつに、それぞれの人生が、暮らしが、目玉焼きがあることを、きみは知っているか…。 “あたりまえ”だと思っていたその食べ方は、“あたりまえ”ではないかも知れない。ギャグ界の暴走天使おおひなたごうが全日本人に問う、衝撃のフード・ソウル・ロマン!

これは普通に笑ったわw 面白かった。
大きなカテゴリとしては食漫画だけども、作法というか食べ方へのこだわり等がメインなので、他のそれとは大きく異なるw

ネタバレしない為にわざわざ画像加工したよ(`・ω・´) テレビガメンノトコガアマイナ

ひなごう! おおひなたごう Extra Works

グルメ漫画『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』以前に、著者が描いてきた、幻のギャグ傑作群を一冊に収録した、おおひなたごうワールド全開作品集!!!

「スーツマン」はまぁまぁ面白い回もあったが、「ハマショー」はあんまり(´・ω・`)
「犬のジュース屋さん」は昔単行本を買ったわ(ノ∀`)

誰しも一度は考えることだから責めないで(´・ω・`)

銀河宅配便マグロ

週刊少年チャンピオン、TVBros.の連載など、多岐に渡る創作活動で人気の作家・おおひなたごうの、コミックビーム初連載作、遂に電子書籍化! 10分1000円カットをしたり、ワープで遊んだり、配達先の星で駐禁取られたり、ブログつけたり、本来の仕事である宅配稼業もそこそこなマグロ便の面々。銀河を翔ける彼らが壮大な宇宙を舞台に繰り広げる無責任宅配ギャグドラマ、開幕!

まあまあ面白かったかな。何となく絵柄的に21エモンとかのパロディなのかなと思ったがどうだろうか。

べんじょ(・∀・)