カテゴリー: 電子書籍

がきデカ / 山上たつひこ

がきデカ

何故か去年の11月頭にkindleで大量の山上たつひこ作品が無料配信された。(全部で52冊?)
取り敢えず、そのうちの「がきデカ」(全26巻)、「がきデカ ファイナル」(全1巻)、「中春こまわり君」(全2巻)を読んだ。

『がきデカ』は、山上たつひこによる日本の漫画。主人公である日本初の少年警察官と自称するこまわり君と、彼が通う「逆向(さかむけ)小学校」の同級生やその周辺のキャラクター達で展開されるギャグ漫画作品。『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、1974年44号から1980年52号まで連載され、単行本の発行部数は3000万部を超える。

結論から言うとまぁまぁ楽しめた(・∀・)
手放しで褒められないのは、この漫画の影響を受けたであろう数多の漫画家の作品を既に読んでいるが為に、既視感を元祖に対して抱きつつ読んでいたから。あと、今の漫画と異なり、昔ながらの投げっぱなしジャーマンな展開とオチという部分が物足りなく、巻数が多かった為に途中から飽きてしまったから(ノ∀`)

取り敢えずこれを読んでいて「あれ(´・ω・`)?」って思ったのは、
「パタリロのキャラってこまわりくんの焼き直しじゃね(´・ω・`)?」
ってこと。

どうも魔夜峰央は「がきデカ」の影響を否定しているが、幾つかの部分でそれは怪しいかなぁと思ったり(´・ω・`)

山上たつひこのベースとなっている吉本新喜劇的なものの影響を魔夜峰央も受けていて類似性が生まれたと頑張って好意的に考えられなくもないが、ノリ以外にもそこはかとなく類似している要素やシーンが見受けられるので、やっぱり無理があるかなぁ。魔夜峰央本人自体が読んでなかったとしても、担当編集なりアシスタントなりマンガ制作に携わった人間経由での影響とかあったんじゃないかなぁ? まあ「パタリロ」は異なる面白さがあるから「がきデカ」の影響があろうがなかろうがどうでもいいが、全くないと言われると首を傾げざるを得ない。本当のところはどうなんであろうか。


第一話のこまわり君。等身が違っていて「死刑!」にポーズがついていない。

第一話の西条とモモ子。

第二話目のモモ子とジュンとその兄。兄はあんまり出てこなかったな。

或る程度落ち着いて着た頃の三人組。

ブームが落ち着いた頃に鴨川つばめの『マカロニほうれん荘』が連載を開始、登場人物が変身したまま物語が暴走する特徴も、『がきデカ』と共通しており作者はライバル視していた。そのせいか絵のタッチが鴨川つばめに酷似し始め[5]、作中において西城君やモモちゃん、ジュンちゃんまでもが目玉が大きく3頭身のいびつなキャラとなってしまった時期もある。

と言われている頃の絵。多分。

「死刑!」と並ぶ、こまわり君の一発ギャグ?である「アフリカ象が好き」と「八丈島のきょん」。

もっとキャラクター紹介等をしようと思ったが、なんだか疲れて来たので端折る(´・ω・`)
「がきデカ ファイナル」についてもパス(ノ∀`)
まあ「がきデカ」では描かれなかった最終回があったというくらい。


中春こまわり君

ある種「劇画・オバQ」的な、38歳になったこまわり君が主人公のお話。
色々と暗い(´・ω・`)
「がきデカ」のキャラの未来の話ではあるが、まあ別物と考えてもいいのかもしれない。
俺氏としてはこっちの方が面白かったw

順番としては「光る風」を先に読んでおいた方がいいかもしれない。
まあ大したネタではないけれどもw


作者からすると「がきデカ」は

発表当時はそれほど評価されていなかった『がきデカ』は『喜劇新思想大系』の内容をやや薄めて俗っぽくしたものである。しかし爆発的な大ヒットとなった事で、むしろ苛立ちや嫌悪を感じていたと後年語っている。 山上たつひこ

という感じの作品のようではあるが、この漫画に影響された人間は多いと思われるので、最初の数巻だけでもギャグの古典として読んでみたらいいんじゃなかろうか。
お下劣ネタが嫌いな人には向かないけどもw

レディ・スクランブル / 金井 たつお・松田 康志

元警視総監の娘・麻子。幼い頃お父さんと同じ警察官になると言ったお蔭で、武道全般を厳しく叩き込まれ、絵本の代わりに六法全書を読まされて育った。嫌々婦人警官になったものの、もっと女の子らしくなりたいと悩んでいる。(中略) 可愛くてめちゃ強い婦人警官・麻子ちゃんの活躍をご覧あれ!

セールの時に216円x3巻=648円だったかな?
つまらなくはないけれども、面白いかと問われると、うーん(´・ω・`)と返答に窮するくらいかな。なんか凄く全体的にステレオタイプな感じに話を綺麗にまとめてる感じなので、そこら辺が物足りなく感じた。

まあでも、指名手配犯、スケベな老スリ(泥棒)、ストーカー、要人警護、大使館犯罪、銃器密輸、いじめ、誘拐、快楽殺人犯、殺し屋との対決等々とある種婦警物の定番ネタは揃っているので、それほど飽きるということはない…かな? まあ婦警漫画?というか警察物を色々読んでいたら既視感に襲われてしまう恐れはあるけどw

毎回下着姿とかおっぱいが出て来るので、そういう意味でのサービスショットはあるというかお色気要素のある漫画ではあるけれども、所謂エロではないので、そういう感じの期待はしない方が良い。金井たつおが描く女の子の綺麗な感じが好きな人にはいいかもしれない(*´・ω・)


森下 麻子
あらすじにある通りの育てられ方をした為か、恋愛や一般知識に疎い。猪突猛進で捜査の邪魔をするが、最終的には解決に寄与する。最初は交通課勤務ではあるが、話の途中で婦人特別捜査課へと異動する。スレンダーだけどおっぱい大きいよね(*´・ω・)

安西卓
麻子からは"卓ちゃん"と呼ばれる、20歳童貞の新人。出ている回数は多いが、何となくキャラが立っておらず存在感がない。一応活躍した回もあるが、基本的に麻子に振り回されるだけの存在。

緑山 静
東大卒の警部。交通課の癖に捜査に首を突っ込んでくる麻子を疎ましく思っている。麻子とは犬猿の仲。話の途中で警視に昇進し、婦人特別捜査課の長になる。ナイスバディの持ち主だが、下着はおばさんっぽいのを着用している模様。

大和 チカ
婦人特別捜査課設立時にメンバーとして招集された。何処ら辺が優秀なのかは最後まで不明。外見から判る通り、色仕掛けキャラである。黄金の右手を持つらしい(*´・ω・)オレシニモヤッテ 

花丸 好子
婦人特別捜査課設立時にメンバーとして招集された。食いしん坊キャラ。その設定故の嗅覚の鋭さが麻子の危機を救うこともあった。

岡島警部
婦人特別捜査課とそのメンバーを見下している。緑川静が或る意味で麻子と仲間になったが為に追加された対立キャラかな?

ばぁじんロード、安くならないかな(*´・ω・)
あれの主人公の名前は麻美だったような。金井たつおは"麻"という字が好きなのだろうか?

ラブZ / やまさき 拓味・小池 一夫

セールの時に買ったので全部で33円x9巻=297円だった。

結論から言うと…微妙でした(・∀・)
和田雄平が出て来て、雪山へ行った辺りから話が徐々におかしくなっていったような気がする。最初からおかしいと言えばおかしいんだけども、その度合が激しかった気がするw 色々と投げっぱなしジャーマンのような終わり方だったな。打ち切り? 
あと中途半端なSF感が駄目な人はきっと受け付けないと思うw

まあでも黒猫のロンとの友情が妙に熱いので、そういうのが好きな人なら有りは有りなのかな。最初の方はまぁまぁ面白い感じではあったし。

ちなみに表紙等ではル子のサービスショットがあるけれども、本編内にエロ要素はほぼ皆無と言っていい…( ´・ω・)
エロスは愛って意味だと言われるとエロスに満ち溢れた作品と言えなくもないけども。

作者のやまさき拓味は競馬漫画の「優駿の門」シリーズが有名な模様。名前は知ってるけど読んだ記憶がないなぁ。今年で69歳だから、もう漫画は描いてないのかな?


早見公平
主人公。小楯薫子が好き。交通事故死し、後にラブZになる。
現代だったらいずれストーカーとして逮捕されていただろうなと思わないこともない。なんか最後の方はキャラが変わっちゃってるような気がしないでもないw

小楯薫子
公平の同級生。可愛くて人気がある。愛称は"ル子"。公平の死後、公平の想いを知り、再会を望むようになる。

黒猫のロン
殺し屋。公平と知り合い、無二の親友となる。音楽屋と共に公平の愛を後押しし続ける。このコマの横に"さいとう先生ごめんなさい"みたいなことが書いてあったw

おゆき

ル子のおばさん。恐山のイタコをやっている。


和田雄平
後半の主人公とも言える少年。非常に太っていて、学校では皆に馬鹿にされている(´・ω・`)

牛頭大王/馬頭大王/死人船船長
霊界の法則を乱す公平を消滅させようとする霊界の支配者と幽霊を乗せる死人船の船長。この絵だと船長の方が偉いように見えるが、牛頭大王と馬頭大王の方が上。

本編内で歌が出て来るんだけども、何故か読者から歌詞と曲が送られてきたとかでLPレコードを出したことがあるらしい。人気はあったのかねぇ(´・ω・`)?

無頼侍 鈴木マサカズ

全三巻。一巻は無料配信で、二~三巻は各108円で買った。今は高くなっているというか通常価格になっているのかな。
Unlimited作品だから、入っている人はそれで読める筈。

賭場で刀まで取られた浪人が出会ったのは、賞金首がかけられた男。その男は、不条理な流れから追われる者となったが、仇を討つためだけに旅を続けている。その腕の立つお尋ね者を中心に、その「賞金」に吸い寄せられた野郎・女郎が輪舞して・・。



鈴森 岩十郎
賭場で負け続けて、刀まで取られた浪人。群像劇風なので誰が主人公とも言い切れないが、一応主人公に当たるのかな?

自意識過剰で非常にだらしがなくて、他人とは思えない(´・ω・`)


妹殺しの寛壱
美形の賞金首。両親と妹と捕縛に来た役人を殺し、百両の賞金首になったという。指南役になれるくらいの剣の腕前を持つ。

蛇山の藍
要鹿野宿で蛇山一家を率いる女渡世人。美しいが非常に非情(´・ω・`)コワイ

寛壱を用心棒として雇うが、その実、その首を狙っている。

要鹿野宿だと思うんだけども、なぜかP71で千代松は要鹿足って言っているな。まあ千代松は馬鹿なんで(´・ω・`)


馬鹿の千代松
藍の元について二年弱経つ渡世人。藍に惚れている…?
馬鹿と言えば馬鹿だが、岩十郎も同じレベル。
田子作という弟が居る。

紋太と健二郎とお結
紋太と健二郎は要鹿野宿の浮浪児の兄弟。百両の賞金首を狙い、岩十郎と知り合う。

お結は山越えの際に寛壱達と知り合う。


独特の間があって好き(・∀・)
面白かったけれども三巻という短さで終わってしまった。もう少しこの奇妙な面々が織りなす世界を読んでみたかった。

二巻の終わり方だともっと長くなりそうな雰囲気だったので、打ち切りになったのだろうかと思ったが、案外、作者のただの投げっぱなしジャーマン的な部分が出ただけなのだろうか。

最後の終わり方は別にこれで良かったと思うのだけれども、もう少し続けて深みを持たせないと読者側としては唐突に感じてしまうのではなかろうかと思ったり。


何はともあれ、これは読んで良かったかな(・∀・)
作者は今も色々と描いてるみたいだから、機会があったら読んでみようかな。