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『天国にいちばん近い島』を観た

天国にいちばん近い島

桂木万里(原田知世)は、急死した父・次郎(高橋幸宏)の葬儀を終え、車の中で父の話していた「天国にいちばん近い島」ニューカレドニアのことを思い出していた。
(中略)
万里は葬儀を終えた後、母・光子(松尾嘉代)にニューカレドニアに行きたいということを話す。光子は、無口でおとなしい性格の万里が初めて自分で何かをしようとしていることを認め、万里をニューカレドニアに行かせるのだった。

えーと、んーと…原田知世ってお尻大きくて良いね(*´・ω・)
と感想の初っ端からそんなことを言いたくなるくらい特に言うことはないw
いつもの角川アイドル映画で、どっちかというと出来の悪い方w

ストーリーは何がしたかったんだかよくわからないw
少女が一人で旅立って中年男性と出会って憧れたり、青年と出会って恋に落ち、
そして成長して帰って来るというのが角川アイドル映画のパターンではあるものの、
これは出来が悪いw 「愛情物語」もアレだったけどあれはまだ納得は出来た。
出生の秘密を知るストーリーだったから。これはなぁ…。

父の死直後に父との思い出で一番印象が強かった"天国にいちばん近い島"に
行ってみたいと願う事自体はまあ良しとして、それを聞き入れて女子高生を
一人で海外に行かせるというのはどうなんだろうw まあツアーだったら、
ないこともないというかもしれないし、そうしないと話が進まない脚本だから
しょうがないとその辺までは譲歩して受け入れるとしよう。
でも偽ガイドの深谷(峰岸徹)にひょこひょこついていったり、夜の街を
一人で彷徨ったり、ほんの数日間で知り合ったばかりの深谷やタロウに
愛だのなんだのって無理があるだろw

一応の原作である森村桂の旅行記を無理矢理アイドル映画の脚本に
改変したからちぐはぐで適当な展開の話になってしまったんだろうな。
スタート地点としての旅行記とニューカレドニアが存在し、おおまかな
コースと終着点としての角川アイドル映画という制約があるがゆえに
こんな形になったとでも言うべきか。


冒頭の次郎の台詞回しが酷すぎて、そこで少し拒絶感を覚える。
誰やこの下手くそと思ってたら、俳優じゃなくて高橋幸宏だったw
じゃあしょうがないか。

ツアーで知り合った山本福子(小河麻衣子)がうるさいキャラの割に
大して話に絡んで来なくてワラタw 「時をかける少女」にも出ていた
らしいけれどもモブかな?

ツアーコンダクターの青山良男(小林稔侍)もうるさいだけで
なんかよくわからんキャラだったな。

ニューカレドニアで出会う日系人のタロウ・ワタナベって誰やと
思ってたら、また高柳良一かw

タロウの父親であるタイチ・ワタナベが泉谷しげるだったw
最近の映画やドラマで泉谷しげる役じゃない泉谷しげるを観るのは
稀なので貴重かもしれない。でもタイチが登場する辺りではもう
真面目に観る気がなくなっていたので、どんな感じだったか
詳しくは覚えていない。タロウに対して忠告したり、潜水艦の
沈没地点まで船を出して乙羽信子達に説明しているところを
思い返してみると普通の人を演じていたような気がする。

伊号第一七潜水艦の乗員の妻・石川貞(乙羽信子)が語る"愛"も唐突だったなw
それを受けて万里が圭子(赤座美代子)に言う話も何だかなぁと思いながら観てた(ノ∀`)
貞が結構チートキャラというか話の展開に都合の良いキャラだったな。

この映画がぐしゃぐしゃなのは近親者の死と色恋沙汰を混ぜちゃったから
じゃないかと思わないこともない。それに加えて深谷とタロウを出して来て
更に深谷と圭子の話も絡ませたり、万里とタロウの仄かな恋心みたいなのも
匂わせた割にうまく話を消化出来ていないのも原因か。固形物のように
各エピソードが残っていて観ていて頭の中でゴロゴロする。


まあ、そんなどうでもいい映画のことは放っておいて(・∀・)

アメリカ合衆国本土を艦載砲で攻撃した最初の潜水艦として知られる。
伊号第一七潜水艦

風船爆弾以外でアメリカ本土を攻撃したことあったんかΣ(゚∀゚;)

今も伊号第一七潜水艦慰霊祭を行っている模様。


更にかつてはフランス領であったニューカレドニアは

1998年にはヌーメア協定が結ばれた。この協定では住民への権限譲渡プロセスを「不可逆なもの」と位置づけ、
(中略)
フランス政府がニューカレドニア特別共同体に段階的に権限を譲渡し、最終的には外交、国防、司法権、通貨発行以外の権限はニューカレドニアに全面的に譲渡されること、2014年から2018年にかけてのいずれかの時点で独立かフランス残留かの住民投票を行うこと、などが定められた。

ニューカレドニア

ということらしい。スコットランドと一緒に独立しちゃったりしたら
2ヶ国も国が増えちゃうな(・∀・)


原田知世が好きかニューカレドニアの風景が観たかったら観てもいいんじゃない。
お薦めはしないけどw まだ「愛情物語」とか「プルメリアの伝説 天国のキッス」
の方がマシかもしれない(ノ∀`)

原作の旅行記は面白そうだな。

『極道兵器』を観た

極道兵器

あらすじはややネタバレ風味になるけども、

岩鬼組組長の一人息子で、海外で傭兵していた将造(坂口拓)が父・健造(麿赤兒)の死を知り、内閣特務警察の力を借りて(?)緊急帰国、健造を殺し岩鬼組の縄張りを奪った元岩鬼組若頭・倉脇(鶴見辰吾)への復讐を開始する。

圧倒的な攻撃力であと一歩のところまで追い詰めるが、突如現れたアパッチヘリ(?)の攻撃を受け、瀕死の重傷を負う。

意識を取り戻すと将造は改造人間になっていた。内閣特務警察が倉脇の背後に居る全世界的犯罪組織への対抗手段として将造を利用しようと考えたのだ。

一方、将造の生存を知り刺客を放った倉脇であったが、その失敗を知り、次の刺客として将造の親友である鉄男(村上淳)に目をつける…

みたいな感じ。

んー、結構"普通"だったな(・∀・)

この"普通"というのは一般的な意味合いでの"普通"じゃなくて「地獄甲子園」「デッドボール」「片腕マシンガール」系統の中ではという意味。

石川賢の漫画が原作の所為か大筋において話の展開はまとも。 もちろん主人公や敵の組織の設定とかは現実離れしているw


坂口拓はいつも通りに色々とアクションしてた。
村上淳という人は知らないが昔UAという歌手と結婚していたこともあるようだ……

あw…「のんちゃんのり弁」の建夫くんか(ノ∀`)

鶴見辰吾が敵役の倉脇重介を演じてるのだが、色々と酷い。
良い意味で酷いw よくこんな役を引き受けたなと思ったw

主人公の許嫁である山鬼なよ子を演じていた黒川芽以もきちんと啖呵切ったり銃ぶっ放したりで演技してた。
将造の手下である拓三役の仁科貴って川谷拓三の息子なのか。
記号的に観てたからあんまり顔を覚えてないな。

佐々木心音ってアイドルじゃなかったっけ?そんなん出てたっけ?
と思ってぐぐったら、役名がナースレッドとなっていたので、倉脇の放った刺客のうちの一人かな。ここでもブラック・ダリアって名前を使っていたけど、元ネタはなんなんだろう。 「デッドボール」の対戦校もブラック・ダリアかなんかじゃなかったっけ?

※2021/04/10追記 ブラック・ダリア事件が元ネタ?

麿赤兒も相変わらずの役だった。最後の姿はちょっと笑ったw


なんとなく展開がわかりやすすぎる割にそんなにキャラへの感情移入がないので流し気味で淡々と観ていたが、おっぴろげミサイルとそれに対するフィストファックカウンターには吹かざるを得なかったw
インパクトはあったw

あの妹役は泉カイというポールダンスが出来る女性らしい。
永井豪も絶賛!全裸女性の股間からの「おっぴろげミサイル」発射!伝説のコミック『極道兵器』映画化!!

冒頭のジャングルシーン以外は2週間くらいで撮影したらしい。
それはそれで凄いなw
映画『極道兵器』人間兵器のシーンはメキシカンスタイルのプロレス技から誕生!坂口拓監督・山口雄大監督インタビュー

関係ないけど障子のシーンは明らかに影の大きさが違ってちょっと失敗した演出だったよね(´・ω・`)


コンパクトにうまくまとめたなという気もすると同時に、数号で打ち切られてしまった漫画を読んだみたいな気にもなった。

まあグロ耐性がまぁまぁあって、鶴見辰吾のはじけっぷりや黒川芽以が好きだったり、おっぴろげミサイルが好きな人向けかなぁ(・∀・)

『スローなブギにしてくれ』を観た




ブギにしてくれ

会社宛なら様じゃなくて 御中~(・∀・)♪

(´・ω・`)。oO(マッチ棒さん、中々出て来ないな…)と思いつつ観ていた。
しばらくして俺氏が頭で思い描いていた映画は「ハイティーン・ブギ」であることに気づいた…

1981年4月7日公開か…30年以上前の作品か…。あんまり良くわからなかった(・∀・)


夕暮の第三京浜をオートバイで走る青年は、白いムスタングから放り出された子猫と若い女を「拾う」。福生の旧米軍ハウスで男2人、女1人の奇妙な共同生活を送っているムスタングの男には、別居中の妻と子供がいた。ある日突然、同居男性が急死したことから、辛うじて保たれていた微妙なバランスが崩れていく…

スローなブギにしてくれ

観ていて思ったがゴロー(古尾谷雅人)とさち乃ってどっちかというと脇役のような気がした。
原作だとムスタングの男(山崎努)はちょい役らしいので、原作と別物と考えるべきか。


原作は片岡義男の小説。片岡義男という人の小説は読んだことはないけど、
当時は人気があったらしい。存命ではあるけれども、本人の意志で青空文庫で
何点か公開しているらしいから読んでみようかな…と言いつつ忘れちゃうんだな、
これが(ノ∀`)

どういうジャンルに分類されてるのか知らないが、ハードボイルドと
オサレ系を混ぜあわせた感じなのかな?テーマ主体じゃなくてストーリー主体の
映画で、それが最後まで垂れ流される種類のものなのではまらない人には
「で(・∀・)?」って感想になるような。


芳雄ちゃん出てるのか(・∀・)と期待して観たが、あっという間に退場…_| ̄|○
ムスタングの男の娘って、幼少期おしん役の小林綾子だったのか。たどたどしく
台詞を言っていた記憶しかない。

また岸部一徳が出てた。最近観た映画での岸部一徳出現率は異常w
この人は今までにどのくらい出演してるんだろうか…( ;・´ω・`)ゴクリッ

チョイ役で伊丹十三、奥田瑛二、石橋蓮司が出てた。

ゴローのバイトしていた牛丼屋のオカマ店長役の鶴田忍って
オカマ役でいつも出ている人かと思ったけど…年齢から考えると
違うかな…誰かと勘違いしてるんだろうか(´・ω・`)
関係ないけどwikipediaの項目では"牛問屋"になってるなw
牛の仲買商みたいだw


そういえば山崎努のバックショットヌードがあった(・∀・)ウホッ
浅野温子のヌードとシャワーシーンもあった(*´・ω・)
トレンディ女優と呼ばれた頃の浅野温子は別にどうでも良かったけど、
この映画の頃は可愛いねぇ。丁度20歳の頃か。

もう一人、ハーレーの女役の宮井はるみという女性がセミヌードに
なっていたな。昔の軽めの濡れ場シーンってパンツ一丁で男女が
抱き合って転がりあうイメージだなと思った。
この人は検索しても全くヒットしないからこれ一本だけ出演して
やめちゃったと思ったけど宮井えりなという日活ロマンポルノ女優?

81年にはロマンポルノから離れ、2月に京都、南座で、京唄子、鳳啓助と舞台で共演する。現在は引退。

とあるので宮井はるみ名義で芸能界に移行しようとしていたのかな?


輝男、敬子(浅野裕子)、由紀恵(竹田かほり)のくだりって何だったんだろう。
原作だともっと言及されてたのかな。まあムスタングの男のバックグラウンド
だから必要は必要だったんだろうけれども。と思ってぐぐってたら、2chのスレの
スローなブギにしてくれ@角川映画で答えがあった。
ミックスした別の短編の設定なのかw

浅野裕子(ひろこ)という人は後に作詞家、作家になったらしい。
竹田かほりは後に甲斐よしひろと結婚して引退したらしい。
ドラマ版「探偵物語」のかほり役だったらしいが全く覚えてないな(ノ∀`)

色々と合点がいかない作品と思っていたけれども、このレスを読んで何かがつながった。

BS11で初めて観て気づいたけど、この映画の登場人物たち(山崎・原田の
不良中年、古尾谷の身勝手な青年、浅野の放浪癖のある美少女)って、みんな完全に
監督の藤田敏八の自画像なんだよ。
藤田自身が家庭が大嫌いで私生活では何度も離婚してる人で、でもそうやって何度も結婚しては
家庭を壊してしまう自分の身勝手さもよく知ってた人。だからこの映画の誰も最後で幸せになれない。
浅野と古尾谷の仲はもう惰性になってて醒めてるし、山崎は心中未遂。初めの
方で死んでしまう原田芳雄などはたぶん藤田の野垂れ死に願望そのまま。
山崎に別れた妻子がいる場面も、リアルの藤田にも生き別れた実子がいたので、
藤田を知っている人は公開当時にあれを見て背筋が凍ったはず。山崎が荒れる
場面は藤田の自虐と別れた実子への贖罪。あそこで出てくる赤座美代子は藤田の当時の
奥さんだけど、現実でも赤座とも後年には離婚するというオチがついた。

そういう背景が見えないとこの映画、全く分からないと思う。角川映画でここまで
自分を出す藤田敏八ってのも凄いけどね。

>>333

だから異常なまでにムスタングの男がクローズアップされていたのか(´・ω・`)
これは藤田敏八の"私小説"ならぬ"私映画"的なものなのか。まあこれが本当のことか
どうかはわからないんだけどもw

あと色々な感想サイトを見ても何故か一点だけ見落とされてるのか触れられない点が
あって、それは何の意味があるのかなと疑問に思っていた事があった。
それはムスタングの男が8mmカメラ?に撮られることを異様に嫌がる事。
なんで8mmカメラが出てくるのかという疑問もあったけれども、これが監督という
撮る側の人間が撮られるということを忌避するような何かを示しているのであれば
何となく納得が行く……でもこの部分が原作由来だったら的外れな推測だなw
しかもこの藤田敏八という人は元々俳優もやっていたみたいだしなぁ…8mmカメラで
撮影されたであろう映像がさち乃が共同生活ハウスに来た夜に上映されていたので
別の意味もあるのかな。ますますわからなくなった気もするw

ラストのさち乃の腹痛(陣痛?)は虫の知らせ的何かなのかな?
最後の心中相手をさち乃と勘違いしてる人が居るみたいだけど、顔を観る限りは別人だな。
「猫いなかったよ、今度は。」って言ってるし。ムスタングの男は最初の出会いの時点では
心中目当てではなかっただろうけれども、輝男の死、敬子との子の同居を経て、本妻との
離婚の為の旅行辺りからは心中というか現実からの逃避をしたかったんかねぇ。
自分だけが生き残るという最低最悪のパターンであったけれどもw


まだ少し書こうと思っていたけど、面倒くさくなってきたから、もうやめた(・∀・)

『のんちゃんのり弁』を観た

のんちゃんのり弁

そもそも主役である永井小巻を演ずる小西真奈美の顔とか演技が
あんまり好きではないが、それ以前に全体的に微妙な感じだった(´・ω・`)


登場人物に誰一人して感情移入したくなるような魅力的なキャラが居ない。
小巻もその旦那である永井範朋(岡田義徳)もどっちもクズというか痛い人。
中学時代に小巻が好きだった川口建夫(村上淳)は地味過ぎる。小巻の母親の
原フミヨ(倍賞美津子)や小巻の同級生だった玉川麗華(山口紗弥加)も特筆
すべきキャラではない。辛うじてととやの主人である戸谷長次(岸部一徳)は
良いキャラではあるけれども、話を締める為だけの脇的な存在なので、
観ていて感情移入するようなキャラではない。

子役以外の俳優陣は普通に演技をしているのだけれども、銘銘に己の芝居を
しているだけで作品世界としての統一感がなかったような(´・ω・`)
原作が漫画なのでその内容をダイジェスト的にやっているのか、
ストーリーがぶつ切りのような感じもした。

ととやでの小巻vs範明の乱闘シーンがあったけど、あれって必要なんかね?
漫画とかだといいけど、実写の夫婦喧嘩乱闘シーンってなんか観てて引くw
お話的にも子供の目の前でだし。

のり弁も何回か出てくるけど申し訳程度だったな(´・ω・`)
まあ重層構造ののり弁という発想自体は美味しそうだったけど。

製作会社のムービーアイ・エンタテインメントが公開一ヶ月前くらいに
破産していることを考えると撮影時には既に予算とかロクになかったり
慌ただしくてこんな感じになったのかねぇ?そうでないとすれば単純に
この監督或いはこの作品とは合わなかったという結論にした方が良さそう。
あんまり深く掘り下げるほどの内容ではないしw


まあ作品世界の出来とは思いっ切り乖離していてそら寒いけど、岸部一徳の
台詞自体は良さげなので岸部一徳好きなら観たら?という感じかな。
正直お薦めはしないけど、比較的短いから、野良犬に甘咬みされたくらいの
精神的被害で済むと思う(ノ∀`) キョウケンビョウニハチュウイ