カテゴリー: 感想

JIN -仁-

「JIN -仁-」を観た。原作はスーパージャンプ連載のIF幕末医療漫画。
原作者は六三四の剣や龍などで知られる村上もとか。

他の漫画目当てでスーパージャンプを購読していた頃に一緒に読んでいたので、
まあ初回だけでもとドラマを観てみた。
舞台が幕末ということもあり、TBSだしなぁ(´・ω・`)と正直期待していなかったが、
予想を裏切りよく出来ていたと思う。豪華というわけでもないけど、子役をはじめ
最低限の演技はできる面子が揃っているというかドラマ世界を破壊するほどを
酷いのがいないと思った。まあ現代編がいまいちだったとか、ゴンゾウの芝居が
如何に坂本竜馬といえどちょっと大味過ぎな気もするとか、多少の引っかかりは
あるものの、全体的には非常に良い出来。来週も観る(・∀・) 
仁が現代で犯していた過ちに気づく辺りから咲の家に帰るところまで良かったと
思うが、MVPは大沢よりも麻生祐未かなと思った(w

人格障害かもしれない / 磯辺潮

いそべクリニック院長であり医学博士、臨床心理士である磯辺潮氏による人格障害の光と影について書かれた一冊です。「人格の定義」、「境界性人格障害」「治療の現場」「実例を交えて人格障害の種類」「DSMの説明」「人格障害の光と影」などが主な内容です。全体的に人格障害の影の部分を限定的に捉え光の部分を繰り返し強調する感じの内容でした。


読んでいてなんとなく感じたのですが、この方はおそらくまともな普通の家庭に育った方のではないのかなぁと感じました。なんというか踏み込みが甘いというか、加藤諦三氏・岸田秀氏・小此木啓吾氏などの著作に見られる、狂気や苦悩や内観の末に得られた洞察がない感じがしました。特に「人格障害者の影の部分」に出てくる犯罪者たちに対する見解というか捉え方が非常に普通の人っぽいです。毒親家庭などの異常な家庭環境を想定出来ない育ちの良い人のような印象を受けました。


環境要因以外に資質というものは存在するとは思うのですが、著者の主張するようにそれが凶悪な殺人犯を産み出すのに必要な因子だとは考えにくいです。人としての一線を越すような快楽殺人者の多くが持つ小動物への虐待経験や共感能力の欠如、現実世界の秩序からの乖離は、幼少期の虐待、極度の支配、性的トラウマに起因するものであり、その事象は主に養育環境で発生するものと考えます。


自分も音楽・絵画・文学などの芸術、政治、発明その他の分野における天才たちの多くが人格障害者であったろうと考えているので、その辺の部分は大いに首肯できました。細かい用語の定義や治療現場の状況などを知ることができました。(初版は2003年なので色々と現在とは違うのかもしれませんが)
また人格障害の影響があろうとも凶悪犯罪を実行したのは本人の意志であり、その責任は本人に帰するべきであるという意見には同意できます。
人格障害そのものについて考察するというよりも手っ取りばやく人格障害というものについての理解を得るには良い本だと思います。

赤鼻のセンセイ 第7話

赤鼻のセンセイ 第7話を観た。
参太朗が盲腸になることによって初めて自分が患者という立場を経験し、
隣のベッドに現れた漆原によって、病院における人の死に遭遇する。
人間的小ささを再認識し、院内学級に勤めるということへの自信を喪失する参太朗。
シルクちゃんのハッパ、それでも自分を必要としてくれる生徒の想いを受け、
一回り成長して再び立ちあがる回。今までの参太朗の能天気さやうざさが
ようやく生きてくる回でもあった。
原由子のゲスト出演というかカメオ出演は視聴率テコ入れだったんだろうか(w
演技はアレだったが、まあコミカルパートへの出演だからいいか(ノ∀`)
「夢をアリガトウ」ってタイトルなのか、OP曲。
それぞれの苦悩や心情の吐露があり、良い台詞が多かった。
折角のいい回だったが、ダンカンを起用しないで欲しかったな(´・ω・`)
前回が七瀬の成長回で今回が参太朗の成長回、来週が黒乳首の成長回か。
もう、わだっちの死を軸にストーリーが収束し始めてるような気がス( ´・ω・)
まあしかし、しょうがないけれど、わだっち役の須賀健太が元気すぎるな(w


ダンディ・ダディ?#6 も観た
今回はいつもより面白かったような気がする。
佐々木泰三バージョンで始まり、伊崎家と対比しながらの展開だったからか。
まさか佐々木泰三も同じ医者にかかるとは思わなかった(w
今回も龍之介が意外と良い話をする感じだったなぁ。

ペンギンは歴史にもクチバシをはさむ / 上田一生

ペンギン会議研究員である上田一生(うえだかずおき)氏によって書かれた人間とペンギンの関係についての通史です。以前読んだペンギンたちの不思議な生活の著者・青柳昌宏氏に三年ほど師事していたことがある方のようです。過去の史料等の写真が多数用いられた、どちらかといえば学術的傾向の読み応えのある本です。

「大航海時代以前のペンギン」「大航海時代に始まる食料・燃料としてのペンギン」
「商業目的により大虐殺される資源としてのペンギン」「博物学の流行・児童文学の成立」
「資源から保護への転換」「ペンギン≠南極」「日本におけるペンギン」
「世界語としてのペンギン」「カワイイを踏まえた上での人間とペンギンのこれからのあり方」
などについて書かれています。

天売島のオロロン鳥、チャンカイ文化のペンギンを象った土器、グアノの収益によるペルーでの奴隷解放、グアノをめぐったチリとの戦争、大航海時代の冒険には欠かせなかった食料としてのペンギン、ヨーロッパにおける博物学の興隆、ハーゲンベックの展示手法、南極探検隊の赤字など新たな知識への足がかりと既得の知識に対して違った視点を持つことが出来る内容だと思います。

ただ、日本では余りしられていないペンギンオイルやその資源的活用のくだりはなかなかショッキングな事実であり、子供や女性には刺激が強すぎるかもしれません。また通史であるために、冒険家や科学者、研究家などなど沢山の人名が羅列的に出てくるいささか読みにくい部分や横道にそれすぎてる部分も多少あります。
現在も尚、海洋汚染や環境変化によって減少傾向にあるペンギンと人間の未来を考えさせられる一冊でした。