大脳生理学を専門とする著者・池谷裕二氏による記憶について書かれた一冊です。
前回読んだ進化しすぎた脳よりも6年ほど前に書かれたものです。
そのため、内容的にはかぶっていたり、古いかなと思ったのですが、
この本は記憶の仕組みとその大部分を司る海馬について書かれており、
「進化しすぎた脳」とは異なる面白さがありました。
同一性を保つために増殖しない神経細胞の中、唯一増殖する海馬の「顆粒細胞」、
「意味記憶」と「エピソード記憶」の違い、記憶を形成する「シナプス可塑性」「増殖」「発芽」、
「LTP」と「LTD」、「記憶」と「ストレス」「夢」の関係などについてわかりやすく書かれています。
神経細胞の使いまわしが連想や創造を産むという点が特に興味深く、読んでいて
興奮を覚えましたε===ヽ(*゚∀゚)ノエウレカ !!
実際に記憶力を高めたい人でもそうでない人でも読んで面白い一冊です。
若い頃に人間機械論的なことや悲観的な考えや考えがループするのは脳内にある種の
溝というか電気というか思考が流れやすいルートが形成されるんじゃないかなどと
考えていましたが、明確ではないにしてもなんとなくの答えを得られた感じです。