カテゴリー: 感想

快楽殺人の心理 / ロバート・K. レスラージョン

ちょっと前に買って、ちょこちょこと読んでいた「快楽殺人の心理」をやっと読み終えた(・∀・)
著者は、FBIの特別捜査官であったロバート・K・レスラー及びジョン・E・ダグラス、「犯罪と医療の関わり、幼児虐待」等を主なテーマとする研究者 アン・W・バージェスの三人。

快楽殺人者36人のインタビューなど、各種の研究結果をまとめあげた「忌まわしい犯罪のパターンと動機をより深く理解することを願って」著された本である。

紹介されている内容は、アメリカの、しかも1940年代~50年代に子供時代を送った犯人たちの話であり、その個別の事件を単純に捉えても日本にとって参考になるものではない。

しかしその根底にある快楽殺人者が育つ環境、彼らが持つその異常な”世界”(正確にいうならば所属する社会において規格内ではない"世界")、その行動はおそらく地球上のどの国においても共通するだろう。

内容にレイプ殺人や死体の解体などの詳細があり、この手のモノに耐性がない人や子供・女性にはお薦めしない(´・ω・`)


この本において強調されている殺人者たちの"空想"癖は非常に興味深い。

研究対象とした三十六人の快楽(性的)殺人者に、どういうきっかけで最初の殺人を犯したのかという根本的な疑問をぶつけてみると、次のような共通点が明らかになった。まず彼らは、長いあいだ、きわめて頻繁に空想にふける習慣を持っており、しかもそのことを自覚していた。第二になかでも暴力的かつ性的な空想や思考に固執していた。(2 殺人にとりつかれた人々 P.90)

たとえば、保護者に虐待されてきた子供は、大人が近づいてくるたびに殴られるものと思うようになり、人を殴るという行為をたえず頭の片隅に置いておくようになるだろう。やがてそうした子供は、誰かが自分を助けて、大人を殴り返せるようにしてくれることを空想しはじめる。この思考パターンは、その子供に救いをもたらしてくれる。空想のなかでは、いつも誰かが彼を守ってくれるからだ
 さらに、子供は虐待を受けているうちに、自己を苦痛から心理的に切り離す方法を身につける。彼は、虐待されているときでも、自分をコントロールできていることに誇りを抱くようになり、たとえば殴られているあいだでも恐怖を感じず、まばたきひとつしないようになる。この思考パターンは支配の感覚を教え、結果的に心理的緊張から解放してくれる。子供は空想を通して、意識のさまざまなレベルで、恐怖を増大させたり軽減させたりできるようになる
 とはいえ、このタイプの思考パターンを発達させていくことが、そのまま、成長してから他人を虐待する側に回ることを意味するわけではない。(同 P.95)

この"空想"の始まりは、銭ゲバ 最終回(2)で触れた「認知や解釈の歪み」や「自己愛性人格障害における空想」と同様に、過酷な現実から自己愛、精神を守る為の類ではないかと考える。

普通の人がする空想と過酷な現実からの逃避のために継続的に繰り返し行われる空想は根本的に異なるだろう。この空想は彼らにとって過酷な現実下で精神的に壊れないために必要なものであり、本来ならば現実の中で、人と触れ合うことによって取得しなければならない心の糧を産み出すものである。彼らは”狂わないために狂った”のであろう。
この空想の固着や解釈の歪みが人格障害を産んだりするんだろうけれど、それについて言及しようとするとうまくまとまらない。人間という生き物そのものに対して言及しないといけないからか。
難しいから取り敢えずやめた(・∀・)


まあ何はともあれ「5 なぜ快楽殺人は起きるのか-殺人者ウォーレンの場合」の冒頭に記されている「動機付けモデル」や各殺人者の中に見え隠れする人格障害など、いろいろと興味深い一冊であった。

かたき討ち: 復讐の作法 / 氏家 幹人

"かたき討ち"を読み終えた(・∀・)
江戸時代の敵討ちの作法と法制に関する事例、その裏側について書かれた本だった。

三島宿~沼津宿の平作地蔵の時に出てきた「伊賀越道中双六」が載ってないかと
たまたま目にしたこの本を手に取った。

「伊賀越道中双六」の元の話への言及は数箇所あっただけだったが、
今まで思い描いていたステレオタイプの「敵討ち」像を打ち崩す一冊だった。

敵を討つ側の討手と、かたきとしてつけ狙われている「敵持」、事の仔細にこだわらず敵持ちや駆け込んで来た者を「囲者」として全力で庇護する大名や旗本、清から来た朱佩章に清国でのかたき討ちについて詳しく質問する将軍・吉宗、目下の者のかたき討ちの禁止、なんやかんやでしち面倒くさいかたき討ちの届け、寝取られ夫がその妻と間男を斬る「女敵討ち」と内容豊富だった。

その他にも、


「後妻打ち/相当打ち」(うわなりうち・そうどううち)

(1)前妻が後妻をねたんで打つこと。
「あさましや、六条の御息所(みやすどころ)ほどのおん身にて、―の御ふるまひ/謡曲・葵上」
(2)室町末頃から近世初期にかけての習俗。離縁された先妻が親しい女たちなどに頼んで、予告して後妻の家を襲い、家財などを荒らさせたこと。相当打ち。騒動打ち。(後妻打ち

先妻側が日時・持参する得物(竹刀など)を相手方に予告して襲撃し、家財やら食器などを壊したのちに仲裁を受けて終わる、ルールに則って行われた「屈辱と嫉妬を鎮めるための習俗」だった。

一応、「妻が離婚して五日または一ヶ月以内に新しい妻を迎えたとき」に行われたようだが、なんでまた旦那の方に怒りが向かずに新妻の方に向かうんだろうか。女心はよくわからんちんちん(´・ω・`)

女心云々の部分以外にも対外的な体裁もあったのかな。
まあでもルールに則って行われ、流血沙汰になるようなことはなかったというから、
これはこれで有りだったのかもしれない。
現代なら確実に刺殺か放火されるからね((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
海外でも後妻打ちはあったんだろうか。
結婚制度とか根底の文化が違うからなかったのかな?


「指腹/差腹(さしばら)」
怨む相手を指名して自ら切腹し、相手にも切腹させる復讐法。切腹した者の主張が正しいと証明されれば指名された者は切腹を余儀なくされた。会津藩では侍同士の喧嘩が両家を巻き込んで大規模な争いに発展する前に最小限の犠牲で済ませる為の解決策として奨励したらしい。保科正之の指示なんだろうか。


「衆道敵討」
衆道ネタかΣ(゚∀゚;)
作者がわざわざ衆道ネタを発掘してきてこの章を書き上げたのかと思いきや、この章に限らず、衆道由来のかたき討ちの例が多数紹介されており、武士社会は本当に男色が盛んだったんだなと改めて実感する…orz
うほっ(・∀・)


などなどと話の種になりそうな話が色々と載っていて面白い一冊だった(・∀・)

BOSS

BOSS 第一話を観た(・∀・)
予想はしていたがとにもかくにもカメラワークがうざいヽ(`Д´)ノ
揺れは離婚弁護士に比べればはるかにマシになったが、
ズームやらアップやらエフェクトやらやたら目にうるさい(´・ω・`)
OPはちょっと格好よくていい(・∀・)
途中途中で落ちてるのはm&m'sのピーナッツ?
マーズが隠れスポンサーというわけでもなさそうだが。
ぬっくんと天海の衣装が白いけど死んじゃうんだろうか(´・ω・`)


相変わらずのAGF枠だなと思えるコーヒープッシュ(w
ラスフレの時もあったなぁ。
・寝起きのコーヒー
・刑事部屋で玉鉄がもってるコーヒーx2
・(ふれあい銀行前のカフェ)
・取調べ室での武田鉄也の「コーヒー」要望
光石研(嫌な人)の部屋にあったのはティーポットか。
どうせなら缶コーヒーのBOSSもスポンサーにもってこれたら良かったのにな(w


正直、登場人物が多すぎるような。正確に言うと登場人物全員が或る一定以上に映るようにしてるというかアップを多用しすぎてるところがいまいち。各キャラの掘り下げはどうせ後のエピソードでやるんだろうから、そんなにアップで忙しく映さなくていいよ(´・ω・`)
昔のドラマに当てはめると離婚弁護士+ショムニ風か。
離婚弁護士でのポジションに置き換えると
溝端淳平→玉山鉄二のポジション→佐々木らくだのすけのポジション→ハンチョウ
という感じで玉突き昇進した感じ。
まあなんやかんやでケンコバは要らなかったんじゃないかな(´・ω・`)
吉瀬美智子は要る(*´・ω・) あんまりうまくはないけど(w
戸田恵梨香は下手というよりもこの役を演じるのに準備が足りてないような。エルを真似てるのかどうか知らないが物真似演技って浅い感じになるだけだから。無機質な変人キャラをやるなら瞬きを我慢できるようになるか編集でそこだけカットしないと駄目だな。白い春に出てきた大河内教授役の人も白い巨塔の大事なシーンで瞬いてちょっと画竜点睛を欠く感じになって居たのを思い出した。あと医学系ドラマとかと一緒で専門用語とかを頭で咀嚼出来ていないのに台詞にするから、なんだかたどたどしい。


録画したのを改めて視聴したが、これ提供かぶりのシーンも一応話しが進んでいるのかΣ(゚∀゚;)(爆発物処理班?突入)
なんか市原悦子に全部を持ってかれたハンチョウのように武田鉄矢に大部分を持ってかれた感じがしないこともないが、天海と竹野内の掛け合いとかは面白かったし次回からに期待しよう(・∀・)
ああでも竹野内豊とありふれた塩見三省の声は音量をあげないとよく聞こえないなぁ(´・ω・`)

白い春

白い春 第一話を観た(・∀・)
初回視聴時はアタシんちの男子の後であんまり気にならなかったけれど、改めて録画したものを視聴してみると大橋のぞみの演技がどうも…(´・ω・`)
この子がアタシんちの男子に出ていたら多分「まぁまぁうまいじゃん(・∀・)」って思っただろうけど、このドラマの水準だとちょっと。デビもいまいちな感じがする。白石美帆はなんとなくイントネーションが違うのかありふれた奇跡っぽくなってる(w なまり?

主要キャストが少なかったり画面がやけに昭和風に感じるのは、トライアングルで金を使いすぎたのが原因なんだろうか。まあそのおかげで余計なノイズ的出演者達やエフェクトが少なくて話に没頭できていいけども。そういえばトライアングルの殺された子の名前は「さち」だったなぁ。関テレは「さち」好きだなぁ。
吉高と金髪のサブパートはどんな感じで絡んでくるのかな(・∀・)
吉高は相変わらずの変なキャラを配役されているな(w
このドラマでもネカフェが出てきたな。
とりあえずドラマ内の気になる謎は800万の行方くらいかなぁ。
①組とデビがグルで、そもそも春男にヒットマンをやらせる為の罠だった。
②デビがおいしくいただいて、スナックの資金の足しにしました。
③真理子がさちの為に手術せずに貯金して残した。
くらいしか考えられないな(´・ω・`)
あと姉妹間の確執もあるか。タイトルの「白い春」の白いはなんだろう。明日のジョーみたいに白くなるのか。天使の羽のくだりもよくわからなかったなぁ。
正直、特筆すべきことはあんまりないのだけれど、普通に面白かった(w
単純に来週もまた観たいと思った(・∀・)