カテゴリー: 感想

『八日目の蝉』を観た

八日目の蝉

これって身勝手で馬鹿な女が不倫妊娠堕胎の挙句に相手男性の子供を
誘拐して家庭を崩壊させ、子供にとって大事な乳幼児期に誤った認識を
植えつけてその人生を台無しにしちゃったっていう物語だよね(・∀・)?


もう冒頭の裁判シーンからして受け付けられなかったw
まだ話の大筋がわからないところであったが、永作博美演ずる野々宮希和子の発言シーンを観て『永作博美、またキチガイ役かよ (ヽ'ω`)』と思ってしまったw

森口瑤子演じる恵津子がヒステリックだから旦那の丈博(田中哲司)が浮気したのか丈博が浮気したから恵津子がおかしくなったのかよくわからんが希和子は頭がおかしいw

被害者である恵津子を悪者にする為の印象操作としてか希和子を酷い言葉で罵るシーンがあるけど、そもそも不倫を継続していなかったらそんなことを言われることもなかったわけで。

一回きりの関係ならば騙されたと言う免罪符もあるが、『いずれ離婚するから』という言葉を信じて不倫を継続していたならば、その間は相手の婚姻関係というか家庭を侵害しているわけであり、罵られるのに十分に値する(・∀・)
その上、衝動的とはいえ相手の赤ちゃんを誘拐するなんてキチガイ以外の何者でもない。

それとは関係ないけど、施錠云々はともかく幼児を置いたまま外出したりするんだろうか?
まだ寝返り出来ないからうつ伏せ寝による危険はないということなんだろうか。
寝返りは早い子だと生後2ヶ月くらいでするみたいだけども、まあ何にしても生後数ヶ月くらいの子を放置していくなんて有り得るんだろうか?


希和子が子供に優しくし楽しげに過ごしてる頃、実の両親、取り分け母親は胸が押しつぶされんばかりに心配し狂いそうになっているのを想像すると、後々の涙や発言に対して『何言ってやがんだこいつは(´・ω・`)』としか思えなかった。

一番の見せ場であろうと思われる逮捕時の台詞を言うところで待ってましたとばかりに
ばかじゃねーの( ^ω^)
とニヤニヤしながら、つぶやいてしまったw 

お前が誘拐してなければ、今頃両親の元で不自由なく飯くっとるわ(・∀・)

松雪泰子、芦田プロ、田中裕子がやっていた日テレのドラマ「mother」の場合だと尾野真千子演ずる毒親がネグレクト+恋人の折檻等の設定があったからまだ納得が出来たけれども、これは本当にただの誘拐という凶悪犯罪以外の何物でもないからなぁ。


物語的には恵理菜が希和子に愛されていたことを思い出して大団円みたいな感じになっているけど、この希和子の愛って偽りというか狂的な愛或いは所有物としての支配に過ぎないと思う。

四歳くらいだったからまだ可愛がっていたが、成長して"薫"が自分の玩具人形でないことに気づいた時にどうなるかわからない。

恵理菜は誘拐されなければマロンが希求しも得れられなかった"普通の生活"が得られたのに、それを根こそぎ奪われ、かつ選択出来ない状況で与えられた"モノ"を愛と勘違いすることは新たな毒親連鎖、歪んだ人格の連鎖の始まりになりそうな気がする。

なんとなく最近ニュースで見た病院の取り違え事件を思い出した。
あれは数十年も経過していてどうしようもないレベルになっていたな。


「容疑者Xの献身」では俺氏は泣いたんだけども、この「容疑者Xの献身」に対して『罪のない人間を殺しておいて何が愛だ献身だヽ(`Д´)ノバーヤ バーヤ』と言う人が多少居た。

その時は『何言ってんだか(・∀・)』と生暖かい目で眺めていたが、この作品を観てなんとなくその主張というか、その主張が根ざすところがちょっとだけわかったw

どう考えても肯定出来ない部分があると登場人物に対して感情移入が全く出来ないもんだなと痛感した(ノ∀`)

映画なんだから難しい事言わずにメインストリームである希和子の方に感情移入をし、
「誘拐犯だけど子供を愛していたよね・゚・(つД`)・゚・」って感じになるように
視聴すべきなんだろうとは思うけど、それは無理(・∀・)


劇団ひとりがコント演技なのは致し方ないとして、それなりに演技力のある小池栄子がなんか変な演技してんなぁと思ったけど、最後の方で納得した。

永作博美はいいっちゃいいけど…設定的な問題でどうでもいいかなと思ってしまった。
恵津子役の森口瑤子は鬼気迫る感じ良かったな。

そういえばカメラ揺らしがうざかったな。
今でもあの阿呆な手法をイケてると思って多用している馬鹿は居るんだろうか。

子役は台詞を言ってるだけって感じだけど、まああんなもんだろう。
芦田プロが異常に出来すぎるだけで(・∀・)


八日目の蝉ってタイトルもなんか内容と合致していないような。
このタイトルから連想出来るのは子供の話ではなくて、特攻隊の生き残ってしまった人や知り合いが皆死んでしまった寂しい老人などが『図らずも一人生き残ってしまった…

七日目に死ねなかった蝉は哀しい(´・ω・`)』という自嘲的な感じで八日目に見る景色はなんであろうか的な話だなぁ。

永作博美作品としては「人のセックスを笑うな」よりはまともでちゃんとした作品なんだけども、その根底にあるテーマというかロジックが変なんじゃねと思った。テレビドラマ版もちょっと違うようだけども原作も色々と違うのかな。

「曲げられない女」の永作博美は良かったんだけどな(・∀・) シネ、ビッグママ
でもよくよく考えてみるとあれも虚言癖持ちだったな…
まともな役の永作博美を観たことないかもしれないw

『デッドボール』を観た

デッドボール

全く観る気もなかったのだが、頭を使わずに観れるのないかと
探していた時にたまたまあったので(ノ∀`)

地獄甲子園」の続編……というか焼き直しになるのかな?

相変わらずのバイオレンスグロスプラッタコメディだったw
今作も首が飛んだり、顔に色んな物が突き刺さったり、血飛沫ブシャーなので
その手の物に好きか耐性がある人ではない限りは観るべきではないだろう。
但し、前作の「地獄甲子園」に比べると一応映画の形にはなってる感じではある。


主人公は前作と同じ坂口拓演ずる野球ジュウベイ。この人以外のキャストは全て一新。
この映画は「少林サッカー」や「カンフーハッスル」みたいだなと思いながら観ていたが、
それは劇中内の坂口拓の髪型や外見がチャウ・シンチーに似ていたからかもしれないw

ジュウベイは矯正施設“鳥竜矯正学院高校”の寮(牢獄?)で鈴木新之助という眼鏡を
かけた中性的な少年と同室となる。俺氏、なぜか凄くこの少年にそそられる(*´・ω・) ナンデヤ…
ショートカットや男装のボーイッシュな女の子やパンツスーツの女性は好きだけど、
ついにそっちに目覚めたのか俺氏…( ;・´ω・`) ヤバイゾ…

と焦って演者を調べたら星野真里だった(ノ∀`) ホットシマシタ
鼻血ブーしたり、赤紙持って怒鳴りつけたりと碌な役ではないけど好演であった(・∀・)


石原校長役の蛯川みほとイルザ・ツヴァイ役の播田美保を途中まで同一人物だと
思っていたのは内緒(ノ∀`) 試合の時になってなんでこっちにも居るのΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)と
なったが別人だったw よくよく考えてみるとイルザが野球部監督に就任する際に
「校長命令だ」と言ってたな。校長だけど「校長命令だ」ってなんで言ってるんだろうと
思ったが全ては自分の聞き落としが原因か_| ̄|○ ナガラミダッタカラ…

播田美保の顔怖いわー(´・ω・`)と思いつつ他にどんなのに出てるんやとぐぐってみたら……
あー怨み屋本舗のラーメン店に嫌がらせする姉弟の姉かΣ(゚∀゚;) あの人かぁ。

鳥竜矯正学院高校に送られてくるような連中はそれぞれ残虐な殺人事件等を起こして
いるんだけど、アイボールは在日で新大久保で云々とあって、こんな設定の役を
よくやる人が居るなと思ったらアイボール役のペ・ジンミョンは在日韓国人だった。
じゃあいいのかなと一瞬思ったけど、周囲からなんか言われたりしなかったんだろうかw
役どころとしてはまあ3番手くらいだから良い役と言えば良い役だけども。「東京大学物語
やCMとかドラマにもちょくちょく出ているみたいなんだけどピンと来ない。
まあ目にボールがくっついていて顔がよくわからなかったというのもあるw

そういえばチームメンバーの中に小人症の人が居た。
これ以外で小人症の人を観たのは湯けむりスナイパーだったなぁと思って
ぐぐってみたら同じ人みたい。エンドロールでTERUって出てたし。
まほろ駅前番外地の第四話にも出てたみたいだけども覚えていない。
他にも着ぐるみの仕事を引き受けているようだ。

対戦相手のブラック・ダリア高校の女の子達は水着みたいなユニフォームだったから
「お、これからお色気ですか(*´・ω・)?」と期待したけど、特に何もなかったw
エンドロールで名前だけの女の子達のようだが、一体何の人かさっぱりわからない。
ピッチャーとバッターボックスに立った子は事務所所属の女優なのかな?
一人は西田奈津美?

弟のムサシ役は深澤大河? 校長の部下役は龍坐?

慰問アイドルユニット・ププってなんなんだろうかと思ったが、
実在する刑務所慰問アイドル・Paix2(ぺぺ)をもじったものなのかな。

なんでこんなどうでもいい映画のことに時間を費やしているのだろうかと思いつつ、
色々とググってるw 伏せられたカードはめくりたい性分なのだろうか(ノ∀`)

カミヤマ役の須賀貴匡って学生服の人か。クロマティ高校の実写版と同じ役らしい。

山寺宏一の口汚い実況と田山涼成のなぜか水野晴郎を彷彿とさせる部分が
何とも言えない。二人とも仕事選べと思ったw


これ"SUSHI TYPHOON"という北米向け日本映画タイトルの一つだったらしいけど、
ハーケンクロイツをガンガン出してきたり、北朝鮮ネタをちょこっと絡めて来たりと
アグレッシブと言えばアグレッシブな作品なのかもしれないw

長々と書いたわりに普通の人が観て楽しめる映画かと問われればどうかなって感じなので
星野真里が好演してるから、星野真里が好きでグロスプラッタが平気なら観てもいいんじゃ
ないのかなぁぐらいで(・∀・)

『人のセックスを笑うな』を観た

人のセックスを笑うな

で(・∀・)?


という観終わった後の素直な感想はおいておくとして。
まあこういうストーリーだけの映画って合わないと何も残らないからしょうがないか(ノ∀`)
「君に届け」なら中年の俺氏でもキュンキュン出来たんだけどなぁ。

原作は中年女性向けの妄想小説なのだろうか。
渡辺淳一の逆バージョンを年齢を下げた感じの。
渡辺淳一の妄想小説も相当気持ち悪いが、これも中々w
まあ熟女好みの大学生も居るには居るだろうけれど。

ちょろっとぐぐってみたけど、なんか原作とは違うものに
なっているような気がするんだけどもどうなんだろうか(´・ω・`)

原作と映画の違いがあるのかどうかは知らないが、
永作博美演じるユリってただのキチガイというか人格障害者にしか
見えなかったんだけども、そういう設定なんだろうか。
猪熊さんもなんかおかしかった。

この映画、松山ケンイチがところどころで素っぽい感じだったけど
なんかその辺はいまいちだった。監督の指示みたいで自然体みたいな
演技をしたのかどうか知らんけど、考えてみると俳優に自然な演技を
求めるのって演出やら作品世界の構築を放棄してるみたいなもんだ。
「タンタンの冒険」の重力による落下運動が統一されてなくて観ていて
おかしくなるのと同じで、方向性を持たない各人の演技やその空間に
そぐわない演技は作品世界を損なってしまう。

蒼井優が忍成修吾にキスされた後の反応はおかしいというか
素過ぎてなんじゃらほいと思ったが、蒼井優に対してはサプライズだったんかw
あのシーンは良いと言えば良いけど、もう映画とかじゃねぇな、これw

この作品自体がオサレにしようとしてオサレになっていない
チープ感があるのだけれども、これは低予算だったんだろうか。

関係ないけど蒼井優のバイト先でカウンターの後ろに貼ってあるポスターが
勝新太郎の悪名シリーズのものだったな(・∀・)


ええとまぁ、

  • 松山ケンイチがトランクス一丁になったりするので松山ケンイチが好きなら
  • あんまりスタイル良くないけど永作博美の生脚や背中が見れたりするから永作博美が好きなら
  • 忍成修吾と蒼井優のキスシーンはちょっとだけ変な空気が観れて面白いから蒼井優が好きなら
  • 温水洋一が出てるからぬっくん好きなら

観ても……いや、やっぱり観ない方がいいかなw

『ひとごろし』を観た

ひとご

越前福井藩きっての臆病者といわれている若侍双子六兵衛が突如、誰も引き受け手のない「上意討ち」を買って出た。相手は藩主が可愛がっていた御側小姓加納平兵衛を意趣あって斬り、退藩した藩のお抱え武芸者仁藤昂軒で、剣術と槍の名人であった。六兵衛には、もちろん剣の腕はあるはずもない。ある夏の日、妹かねのとめるのもきかず六兵衛は、太陽の照りつける北国路を昂軒を追って旅に出た。

ひとごろし

日本のクラシックジャンルはほぼ観終わったので、何観ようかなと適当に選んでみた。
まあこれも年代的にはもはやクラシックに近いけどw

双子六兵衛を演じているのは松田優作、仁藤昂軒は丹波哲郎。
タイトルと出演俳優からして凄く濃い男の対決ものかと思いきや違った(ノ∀`)
コメディ時代劇と言ってもいいかな。

観ている途中で、この話は読んだことはないけどおおまかなあらすじを
知っていることに気づいた。これ山本周五郎の小説だな。
まあ話のすじはなんとなくわかっていても二人の演技とコミカルな音楽や
かっこいいカメラワークで最後まで楽しめた(・∀・)

六兵衛が自己弁護ではなく「臆病さ」を受け入れて生き抜いていけることは
或る意味で強いとも言えるけど、最後はなんか開始当初のキャラとは全くの
別人のような気がしないでもないw リア充モードになったからだろうか( ・´ω・`)モゲロ


ラストの唐突な終わり方に不満を持つ人も居るみたいだけども、別段気にならなかった。
古い映画を観続けてきて思うのは最近の映画は過剰に後日譚をやりすぎていたり、
綺麗にまとめようとしすぎだということ。どのくらいの塩梅がいいとは断言は出来ないが、
本当に完成度が高い複雑で緻密な作品ならともかく、そうでないのであれば、見せ場や
訴えたいテーマを表現した後は、他のことはバーンッと投げ捨てて終わってくれた方が
思い切りが良くて良い(・∀・) まあそれ行き過ぎると「雑」とか「余韻がない」とか
「わけがわからない」いう評価になるわけで何とも難しいところではあるが。

原作では後日譚もあったんだろうか。機会があったら読んでみようかな。


「Gメン'75」もあんまり観たことがなかったので晩年近い頃の丹波哲郎しか
知らなかったが、この頃の丹波哲郎はかっこええな(・∀・)
「必殺仕掛人」の森次晃嗣のネタとちょっとかぶってしまうがワラタw

『人間革命』出演後、創価学会の大会に招待された際、創価学会の活動をさかんに顕揚する講演をした後で「南無阿弥陀仏」としめくくり、場内を騒然とさせた。丹波は著書に、自分のオッチョコチョイな性格を示す逸話として、この失敗談を載せている。

丹波哲郎

そういやこの人「大霊界」とかいう映画を撮ったりしてたな。

それほど松田優作の出演作を観ているわけではないが、観た限りでは、
この松田優作は最弱にして最も情けない役かもしれないw
故に最後が良くなるのかなぁと思える(・∀・)


これって話の作りがシンプルで面白いからリメイクしやすそう。

或いは現代風にリメイクして
大学4年間尽くしたのに、手酷い扱いの挙句にボロ雑巾のように捨てられた女性が
元彼氏の就職先やその後の転職先、生活圏内で「あの男は幼児性愛者だ」という
噂を立てて破滅に追い込む「りこん」

とか

ある男に惚れたストーカー女がその就職先やその後の転職先、生活圏内で
「あの男は酷い男だ」「ギャンブル狂いだ」「アルコール依存症だ」「薬物依存症だ」
「前科者だ」「強姦魔だ」という噂を立てて破滅に追い込み、社会復帰出来なくなった
男を自らの家で飼う「くでなし」

とかどうだろうかと思ったが、それは最早元ネタの欠片も残ってないサスペンスだな
((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル


この映画は実は2回目の映画化で最初の映画化は「初笑いびっくり武士道」という
タイトルでコント55号がやっていたらしい。そっちも観てみたい(・∀・)