15年前のある日、丸菱デパート七代目社長であった父・丈一郎が代々番頭格であった副社長の樽屋五郎をはじめとする重役達の反逆によって解任され、すべてを失ってしまった菱井一家。母は家を出て行き、父である丈一郎は酒に溺れて死亡してしまい、残された幼い菱井ディーノは不遇な少年時代を送ることになる。そして時は過ぎ、高校に入学したディーノの前に現れた父の友人から、父が残してくれた小さな家と自身の名前の由来となっているフェラーリの名車「ディーノ206GT」を渡されるのである。その時、父の深い愛を知ったディーノは復讐を決意。丸菱デパートを奪い返すため、そして樽屋五郎をはじめとする重役達に復讐を果たすために、丸菱デパートに新入社員「杉野ディーノ」として入社するのであった。
Amazonの紹介文、"樽谷"になってるけど"樽屋"じゃないのか(´・ω・`)?
全12巻。1巻0円、2~12巻x10円=110円で購入。
一応同じピカレスクロマンと類されるであろう『美悪の華』もそれなりに御都合主義があったが、この漫画はその度合が若干酷い気がするw
それなりには楽しんだが、多くの人は結末まで読んで
「おい、その終わり方でいいのかよヽ(`Д´)ノ」
と言いたくなることは間違いないだろうw
柳沢きみお作品なのでせっくると格闘やら筋トレのシーンが多かった。
あとは『僕はミニに恋してる』と同様に作者の趣味というか愛する車・フェラーリのネタというか解説ページがちょこちょこ挟まれていたw
これは漫画タイトル、主人公名でもある、ディーノ 206。
最初の流れ
ディーノのお母さん、若い頃はこんな感じなのかw
この後、父・丈一郎は酒に溺れ暴力を振るうようになり、母は出て行く。
復讐の為にディーノは努力し、丸菱デパートへの入社を果たす。
現在の丸菱デパートの重役陣。つまりはディーノの標的達。
この台詞は誤用なのかと思ったけれど、聖書の文言をもじって言ってるのかな?
主な登場人物一覧
本作の主人公。15年前、樽屋吾郎ら重役達の緊急動議によって丸菱デパートと資産を失った菱井丈一郎の息子。 酒に溺れ、暴力を振るうようになった父の元から母は去り、その後父も死んでしまう。 両親を失ったディーノは遠戚の杉野家に養子として引き取られる。 父を放逐し、全てを奪った奴らへの復讐を心に誓ったディーノは身体を鍛え、勉学に励む。 そして東大を首席卒業した後、丸菱デパートへと入社する。社内では伊達眼鏡を掛けている。
丸菱デパートのショップ・モードイタリアの主任。30歳。
ディーノの部屋を訪れた際に肉体関係を持ち、社内ゴシップなどの情報源として利用される。
ディーノが養子に入った杉野家の次女。ディーノの二歳年上。三友銀行の行員。
子沢山でお金にも愛情にも余裕がなかった杉野家において唯一ディーノに対して優しかった。ディーノに対し哀れみを覚え、姉であり母であろうとするも、離れていこうとするディーノをつなぎとめようと肉体関係を持つ。
つーか、この人もなんか精神的に異常w
名前が出てこなかった女子大生。
物語開始以前のディーノの金蔓らしく、100万円単位のお金をためらいもなくディーノに融通する。
銀座の一流クラブのNo.1ホステス。23歳。
樽屋八郎専務の愛人ではあるが、パトロンは他にも存在する。樽屋八郎の資金源を探ろうと近づいて来たディーノの肉体とテクにあっさりと籠絡されてしまう。
後々"クラブ・リズ"の所属ということになっているが初登場時は"クラブ青"所属だったような気がするが、スカウトなりされて店を移ったんだろうか?
樽屋吾郎会長の息子。ディーノと同期入社。
丸菱のみならずデパート業界の凋落を憂い、改革を志すも、吾郎に役職に就けてもらえず燻っている。 住吉銀行頭取の娘である小暮敦子に憧れている。
或る種の傲慢さはあるものの、それほど性格は悪くない。 頭はいいけれども、結構甘ちゃんなのかもしれないw
西急デパートの社長・榊京平の息子。専務。
フェラーリ・デイトナ(365GTB/4)を所有する。
一見気さくで良い奴なのかと思いきや、普通にクズ野郎だった(ノ∀`)
秘書課社員。
身持ちの固めな純真な子であったが、重役陣のより詳しい動向やゴシップを探る為に接近してきたディーノに簡単に口説き落とされる。
丸菱デパートと謎の取引を行っている(有)ネオ・アート・ファニチャーとつながりがある神保町興産の2代目社長。
無謀な取引を持ちかけてきたディーノを気に入る。
人事部課長。
ディーノ入社時にその素性を知るが、菱井丈一郎のファンだったこと、現在の樽屋家の一族支配を快く思ってないことから、周囲に知られないように情報の隠ぺいを図った。
樽屋八郎専務の古い愛人。
暴力団神保町興産への麻薬密売ルートのトンネル会社、(有)ネオ・アート・ファニチャーの事務員。ディーノは樽屋八郎から麻薬密売ルートの利権を奪い取るために針山と肉体関係を持つ。
千駄ヶ谷警察署の刑事。
登戸副社長の事件を調査中に浮かび上がった松野春男(ディーノ)が、丸菱デパートの一連の事件の犯人ではないかと疑いを持ち、追い始める。
樽屋吾郎の会長秘書。
樽屋文雄社長の娘、樽屋瞳の英語の家庭教師でもある。高慢チキチキマシン猛レースな感じで嫌な女(・∀・)
樽谷文雄社長の娘。
ディーノに秘密を握られ、父・文雄への脅迫の協力をさせられる。
所川専務が全土憂民連合会から雇ったボディーガード。
強い(・∀・)(小並感)
菱井丈一郎失脚に関わった人間に対する復讐を認知した樽谷吾郎会長が雇った要人警護員(SP)。 日本で八人しかいないスーパーライセンスを持つSPのうちの三人。
今井沢の跡を継いで社長となった英雄の義理の叔父。
婿養子の為、樽屋一族と血縁関係はなく、樽屋吾郎が倒れた後、丸菱デパートの乗っ取りを目論む。
秘書課の課長代理。
樽屋家とは親類関係にある柄沢家の長男。34歳。 東大卒で頭は切れる。 英雄の秘密を握っているらしく、ディーノに対して挑発的な態度を取る。
関係ないが、柄沢が出て来た辺りで原稿(?)のベース色がちょっと青っぽい異なる感じになるページが何枚かあったが、これはなんだったんだろうか?
ディーノの母。
後半で亜里沙が勤めている銀座のクラブ・リズのママでもある。
丸菱デパートのメインバンク、住吉銀行頭取の娘。女子大生。
登場初期は凄く良い子のように思えたが、案外そうでもなかったw
西急デパートの社長。
ライバルの丸菱デパートの息の根を止める為に"丸菱の怪人"の正体を調査させる。息子の一平を溺愛している。
友人である菱井丈一郎に頼まれ、ディーノが高校生になった時に、彼のために用意されていた家とDINO206GTの元へと連れて行った。 心身の鍛錬の為にディーノに空手を教えていたが、ディーノの空手の中に邪悪なものを感じ教えるのをやめた。
最初、"ディーノ様"って呼んでた気がするんだけど、その後"ディーノさん"と言ったり、"ディーノ君"と言ったりする。なんじゃらほい(´・ω・`)?
ネタバレを含む
キャラ達の大まかなその後
女性社員と夜のオフィスでせっくるしているところをディーノに襲われた。 二人共全裸のまま、テープでぐるぐる巻きにされて朝まで放置され、出社してきた社員達にその惨めな姿を晒すこととなったw
その後、クビに。
曾根崎専務
上記の息子の不祥事の責任を取らされ、流通センターの所長に左遷される。 それだけでは満足しないディーノは深夜にセンターの倉庫に火の点いたタバコを投げ入れる。 スプリンクラーのおかげで火事自体はボヤですんだが、作動したスプリンクラーの放水で配達用の荷(9000万相当)が全て濡れて駄目になってしまう。 その報を聞いた後、心筋梗塞を起こして倒れる。
婚約者の達雄にディーノとの関係がバレてしまい、最終的に精神に異常をきたした達雄に刺殺される。 達雄はその後電車に飛び込み命を断つ。
達雄も若干、キチガイの素質が元々あったなw
ディーノに薬を盛られ朝帰りしてしまった溺愛する娘・恵をきつく問い糾す。そこに投げ込まれた娘の淫らな写真を見てしまい激昂、自らの手で恵を絞め殺してしまう。
頼みの綱の堂本がディーノによって倒される。ディーノのきつい脅迫によって退社することを約束させられ、その上で両手両足を折られる。
樽屋八郎専務
ディーノがシズ子を落とした後、神保町興産の片桐の手の者によって飲酒運転を装って殺害される。
樽谷 文雄社長
度重なる脅迫と自宅に籠もりきりの生活から酒浸りになり、最終的に脳溢血で命を落とす。
今井沢副社長
一旦は退社を考えるが、空いた社長の席をちらつかされ、結局社長に昇格し、留まる。 届き続ける脅迫文に怯え続けた結果、階段から転げ落ち、腰の骨を折り、退社する。
自分の上位の重役陣が居なくなったことにより欲を出し、部下の橋上を使って今井沢を脅迫して怪我をさせたが、事が露見してクビになる。
樽屋 吾郎
ディーノの毒薬で即死はしなかったものの、意識不明の状態に陥る。 郷沢社長の丸菱デパート乗っ取りの時に奇跡的に目を覚まし、自らの息がかかった宮川常務を新社長、英雄を重役にした。(郷沢社長一派は解任。)
その後、病院に戻るが全身麻痺状態になり、3年後に死亡する。
杉野 あや
父親が榊一平かディーノか分からぬ子供を身籠るも、一平との別れ話で揉めた際に横断歩道橋の階段から落ち、流産してしまい、同時に子供の出来ない体になってしまう。 その後数回出てくるが、特に展開には大きく関わらず、消息が知れぬまま、最終回を迎える。
話が続いていたら、ディーノ達の元に再び現れそうな気がしないでもない((((;゚Д゚)))
実はなんだかんだ言ってディーノとは相思相愛だったのだろうか…?
榊 一平
あやを流産させた後、ディーノが細工をしたデイトナに乗り、事故死する。まあこいつは死んで当然なんでどうでもいいかな( ゜σ・゚)ホジホジ
針山 シズ子
この漫画の中で秀逸な存在だった気がする。
幼き頃に母に捨てられたディーノは極度のマザー・コンプレックス的なものを抱えており、それ故に通常の漫画では有り得ないような年上のシズ子の肉体に溺れる展開になったw
このことによってあやが榊一平との関係を持つことになり、流産、一平の死へとつながる。ディーノが実の母親と再会した後は、その役目を終え、登場しないまま最終回を迎える。
岡村
記憶が部分的に戻った瞳と縒りを戻すが、最終的に瞳は岡村の元を去ってしまう。
樽谷 瞳
最終的に完全に記憶が戻るが、ディーノへの愛(?)ゆえにディーノを説得し、ディーノとその母・里子と三人で静かに平和に暮らす。
利用価値を見いださなくなったディーノに捨てられる。岡村にも身体を狙われたり、柄沢に美味しくいただかれたりして、最終的にすっかりやさぐれた感じになってしまった(ノ∀`)
柄沢の死後、ディーノを告発しようと警察に向かうが断念する。
堂本
終盤で非常階段から落とされるという結構いい加減な感じで始末されてしまうw
阿部 ケンジ
ディーノの目潰しを喰らって失明する。
二階堂 タクマ
唯一、無傷。12巻でディーノを金属バットでボコボコにして、去っていくw
武闘系唯一の勝利者と言ってもいいかもしれないw
熊塚 サブロー
ディーノの目潰しを喰らって失明する。
田丸刑事
真相にかなり迫ったが、偶然、張り込みがディーノにバレ、そのことが神保町興産の片桐に伝わってしまう。結果、片桐に雇われた男に車で轢き殺される。
千駄ヶ谷警察署の刑事。
田丸刑事死亡後、一応丸菱の事件を追っていたようだが、10巻で急に再び出てきて、「田丸君、スマン!!」と心の中で謝って丸菱の事件から手を引くw
何しに出て来たんやw
柄沢 伸夫
樽屋吾郎の妻が死ぬ前に録音させた、英雄が菱井丈一郎の子であるという証言テープを公開しようとするも、そのことを知ったディーノによって地下鉄の線路に突き落とされて轢死する。
一応、柱の陰になってたけど、現場に居たディーノの存在が認知されず、捜査されなかったのは謎w
三田村 里子
樽井吾郎会長と愛人関係にあった。
無理心中に見せかけて樽屋吾郎と共に毒殺しようとディーノは目論んだが、九死に一生を得る。意識を取り戻した後、この事件の黒幕であるディーノをかばい、自らが罪をかぶって、懲役刑を受ける。出所後、ディーノと関係を修復。最終的にディーノと瞳と静かに平和に暮らす。
毒を仕掛けた後の苦悩とかディーノと連行される母との目が合ったシーンなどは嫌いじゃない(・∀・)
木暮 敦子
正直、ディーノが急にこの子に惚れた展開には無理があったような気がしないでもないw
ディーノにレイプされて以降、ディーノのSEXの虜となる。最終的に英雄と結婚するが、身籠っていた子供はディーノと英雄のどちらの子かわからない。『美悪の華』同様に金持ちの娘が一番怖いパティーンだったような気がしないでもないw
須貝 大二郎
ディーノを力ずくで止めようとするも敗北(ノ∀`)
ディーノが部屋を出て、しばらくして戻って来た時には姿を消していた。自分で去って二度と関わって来なかったのか? 一瞬、あやか誰かがとどめを刺して死体を始末してしまったのかと思ったw
丸菱デパートに致命的なダメージを与える為にディーノが"丸菱の怪人"であることを世間に公表するつもりだったが、愛息・一平の死によって心境の変化が起こり、取りやめた。 一平の死後、すっかりやつれ果ててしまう。
ディーノに養子になれと言って来たり、ディーノの父・丈一郎にも非があったことをディーノに分からせようと色々と諭したりした。
正直、"ディーノ"から"一郎"に変える辺りは凄く無理がある展開だと思ったw
何回か出て来たけど最後の方は出てこなくなったので、どうなったのかは知らないw
ネタバレ感想
ディーノの記憶の中では良き父であった丈一郎であったが、
実は糞オブ糞だった(ノ∀`)
元々こいつが樽屋吾郎の妻に手を出したりしなかったら、こんなことにはならなかったw
しかも英雄は丈一郎の種である可能性が高いとかw
ディーノと英雄は穴兄弟どころか実の兄弟じゃねぇかヽ(`Д´)ノ イボキョウダイダケド
しかしまあ、この漫画の凄いところはあんだけ罪を重ねたディーノが何のお咎めもなくハッピーエンドを迎えちゃうところだわw
日本の普通のピカレスクロマンは大体、主人公は罪の報いを受けて死んだりするんだけどねw
そして誰もいなくなった…(´・ω・`)
またしてもそんなにハマったわけでもない漫画のエントリに途轍もない時間をかけてしまった…(ヽ'ω`)
登場人物は全網羅はしてないが、ほぼほぼ網羅してしまったかもしれない…_| ̄|○ ナンテバカナコトヲ…
まあそれなりには面白かったよ(・∀・)
コメントを投稿するにはログインしてください。