ベルベット・ゴールドマイン
ニューヨークの新聞記者アーサーは、かつてロンドンを席巻した伝説のロック歌手 ブライアン・スレイドについての調査を始める。ブライアンは狂言暗殺をし、それ以来ファンからも失望され行方不明になっていた。実はアーサーは若い頃ブライアンの熱狂的なファンであり、彼は70年代のロンドンを回想する。
それはロック青年から、マックスウェル・デイモンという架空の人物を演じグラムロックの頂点まで上り詰めたブライアンの歴史であり、彼と共に愛憎の日々を過ごした“ワイルド・ラッツ”の元ボーカリスト カート・ワイルド、そしてアーサー自身の人生の記憶でもあった。
これは基礎知識や外人さんの顔識別能力が高くないと混乱して話が分からなくなると思う。
という俺氏は混乱した(ノ∀`) 狂言自殺の実行犯はジャック・フェアリーかと思ってたw
普通に観てたら「なんだこの衆道映画(´・ω・`)」という感想しか残らない可能性が高い。
ストーリーやらデビッド・ボウイやグラムロックとの関わりについては他の人のレビューが沢山あるので、ちょっとネタバレ風味になるが、その辺の前提や登場人物の補足を書いてみる(・∀・)
まだ勘違いしてる部分もあるかもw
まず第一に知っておくべきはオスカー・ワイルド。
アイルランド出身の詩人、作家、劇作家。
耽美的・退廃的・懐疑的だった19世紀末の旗手のように語られる。多彩な文筆活動をしたが、男色を咎められて収監され、出獄後、失意から回復しないままに没した。
この作品内で最初に選ばれた変わり者或いは最初の宇宙人。
象徴であるアクセサリーを最初から持っていた。
著作に「幸福の王子」や「ドリアン・グレイの肖像」がある。
アーサーが授業を受けている回想で扱われてる作品が「ドリアン・グレイの肖像」?
耽美とは
耽美主義(たんびしゅぎ、aestheticism・唯美主義、審美主義とも)は、道徳功利性を廃して美の享受・形成に最高の価値を置く西欧の芸術思潮である。これを是とする風潮は19世紀後半、フランス・イギリスを中心に起こり、生活を芸術化して官能の享楽を求めた。1860年頃に始まり、作品の価値はそれに込められた思想やメッセージではなく、形態と色彩の美にある、とする立場である。
耽美主義
という風に定義されているらしい。この作品自体は耽美主義ではないんだな。
つまるところ、この作品の起点的存在であるオスカー・ワイルドは耽美主義の男色者であるということ。
グラムロック(glam rock)は、主にイギリスで1970年代前半から中盤にかけて流行した、ロック・スタイル。由来は、魅惑的であることを意味する英語の"glamorous"から来ている。日本のロックやファッションシーンにも影響を与えた。
一概には言えないが、男性でも濃い(時には装飾的な)メイクを施し、煌びやかで(けばけばしい)、古い映画やSFをモデルにしたような、懐古趣味的な[1]衣装をまとうのが特徴である。キャンプ 的であるともいわれる[2]。また宇宙趣味、未来趣味も混在している。
グラムロック
作品内ではブライアンがジェリー・ディヴァイン(エディ・イザード)と出会った後に傾倒して
いった音楽ジャンル。傾倒というよりジェリーの売り出し方として誘導されたと言うべきかも。
デヴィッド・ボウイ(David Bowie, 本名 David Robert Hayward-Jones, 1947年1月8日 - 2016年1月10日)は、イギリスを代表するマルチ・ミュージシャンであり、俳優としても長いキャリアを持つ。本国イギリスではビートルズ、ローリング・ストーンズ、クイーンらと並んで、20世紀のイギリスを代表するロック・スターの一人である。
作品そのものには関係して来ないがブライアン・スレイドのモデルとされるアーティスト。
タイトルである「ベルベット・ゴールドマイン」もこの人の楽曲から来てるらしい。
ぐぐった時に表示された画像を観たが作品内に出てくるあの人とほぼ同じだなw
wikipediaの内容を読んでいてビジネスゲイだったのかなと思っていたが、ミック・ジャガーとデヴィッド・ボウイ、40年前に性的関係を持っていた?ともあるので
どうだろう。これを作品内に取り入れたんだろうか。
登場人物・補足
ジャック・フェアリー(ミッコ・ウェストモアランド)
いじめられっ子? いじめられた後、倒れこんでいた場所でオスカー・ワイルドのアクセサリーを見つけた"変わり者"。後にロンドンへ上京、ゲイの先駆者となる。
ブライアンがインタビューでバイセクシャルであることをカミングアウトする時のキスシーンは幻想或いは過去の回想?この時にアクセサリーの移動が発生している?
ブライアン・スレイド
バーミンガム郊外のタイル屋の子供だった。"一族の疎まれ者"で芸能畑の男と結婚した叔母が住むロンドンへ行くのを楽しみにしていた。ある時、舞台裏で観た男色行為に衝撃を受け、バイセクシャルとして成長する。
後にロンドンへ上京し、「ソンブレロ」でジャックと出会い、影響を受ける。ここで出会ったマンディと結婚し、舞台に立つようになる。セシル(マイケル・フィースト)に見出され、大きい舞台に立つが受け入れられず。その時、カート・ワイルドのパフォーマンスを目にして魅了される。
作品内でセシルが「ラブ&ピース世代を批判し、自分の音楽は時代の孤児に届くと考えていた 性革命が彼なりの革命とも言っていた」と彼について述べるシーンがあるが、これは単純に音楽的性的マイノリティのマジョリティに対する反抗的叫びのような気がしないでもない。
マネージャーがジェリーに変わり、グラムロック系のスター・マックスウェル・デイモンとなり、人気を博す。カート・ワイルドと再会、ユニットを組むが解散。狂言自殺を図った後、人気が急落し、姿を消す。
カート・ワイルド(ユアン・マクレガー)
13の時に兄にフェラチオを強要されつづけ?、事が露見した際に18ヶ月間のショック療法に送られた。後にワイルド・ラッツのヴォーカルとなりNYからイギリスへ来て、ブライアンと同じステージに立った。後にブライアンとユニットを組む。アクセサリーを受け取る。
ステージ上のパフォーマンスで全裸になるんだけども、フランクさんがもろに映ってるがこれはいいんだろうかw
アーサー・スチュアート(クリスチャン・ベール)
一応主人公。10年前にアメリカへ移住してきた。ヘラルド紙の新聞記者でブライアンの行方を追う。彼もまたかつてブライアンに魅了された人々の一人。
色々と良く分かってないこともある。ブライアン・スレイドの行方を追うことに圧力をかけ、カート・ワイルドに喋らせまいとしたのは大統領命令?
関係ないが何処かのレビューサイトで"イギリス大統領"という単語を見て「?」となったw
イギリスは大統領制じゃないよね。その人は舞台がアメリカに移ってることを理解してなかったのかな。まあ話が分かりづらい映画ではあるけども。
カート・ワイルドとの一夜、すなわちブライアン・スレイドの最後の目撃情報があった夜の
UFOは何を意味するんだろうか。単純に宇宙人ブライアン・スレイドが"地球を去った”
ことを意味するのだろうか。
最後にアーサーがアクセサリーを手にするのは"選ばれた"のだろうか?
それとも”変わり者”になれということなんだろうか。
最後のカート・ワイルドが「人生はイメージであり、イメージは自分で描け、それが自由だ」みたいなことを言うけれど、ただの象徴としての継承か。
そういう意味ではあのUFOが去った時に、アクセサリーに意味はなくなったのか。
まあしかしなんつーか、結局のところ衆道映画だな(・∀・)
監督のトッド・ヘインズはゲイらしいので、やけにそっち寄りになったのかな。
こう書くと「男の裸しか出ないのかよヽ(`Д´)ノ」と思うかもしれないが、ブライアンの妻マンディ(トニ・コレット)の濡れ場や乱交パーティシーンがあるので女性のおっぱいやお尻もそれなりに拝めるよ(*´・ω・)
最後の方まで観てシャノン(エミリー・ウーフ)に気づいた時に笑ってしまった。
エンディングのMake Me Smile(Steve Harley)が意外と良かった(・∀・)