カテゴリー: 映画

『富士山頂』を観た

富士山頂

富士山レーダーを納入した三菱電機の全面的な協力により製作されたため、主人公が新田次郎自身をモデルとする気象庁課長葛木章一から、石原裕次郎の映じる三菱電機社員・梅原悟郎に変更されており、社名も原作では全ての会社名が架空の社名に置き換えられており、例えば三菱電機は「摂津電機」とされていたが、映画では三菱電機だけは現実の社名で登場する。

今はなき富士山レーダーを富士山頂に設置するまでの話。
ある種ドキュメンタリーちっくなので観る人を選ぶかも。
そのせいか石原裕次郎の演技も特には気にならないw

馬で物資を運んでいた馬方達がブルドーザーの免許取得で
悩んだり、集めてきた人夫が高山病に耐え切れずに逃げ出したりと
その当時の苦労が窺えて面白かった。

色々と有名どころが出ていたが馬方の親方・朝吉を演じていた
勝新太郎の存在感が大きかったなぁ(・∀・)
渡哲也もかっこ良かった。


全体的にながら観ではあったけれども、また機会があったら
しっかりと観直してみたい(`・ω・´)

原作もちょっと読みたい。

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』を観た

男はつらいよ 翔んでる寅次郎

夢アチャラカは便秘解消薬の開発を目指す車寅次郎博士のお話。
タコ社長が相変わらずの借金取りw 単純にポジション的にそういう役回り
なんだろうけれども、毎回毎回借金取りや悪役をやらされているのを観てると
真っ当に会社を経営して生活しているタコに対して寅さんの識閾下に妬みや
自らの存在を貶しめる存在に対する憎悪があるのではないのだろうかと
ついつい邪推してしまうw

そしてまさかの大爆発w ワットくんかよw

OPのサイレントは子供のいたずらに引っかかって怒った寅さんが
原因で川原でいちゃついていたカップル同士が喧嘩する展開(・∀・) ヨクヤッタ、トラ


今回は結婚がテーマらしく、冒頭にとらやの面々が博の後輩の結婚式に参加している
シーンから始まる。とらやに戻った後、唐突にさくらが満男のランドセルから作文を
取り出し、三重丸のついた作文を見て喜ぶ。その言葉を受けて博は満男に作文の
朗読を促す。「僕の両親は恋愛結婚です。」みたいな感じの内容だったので、
さくらは恥ずかしがって作文を読むのやめさせようとする。逃げる満男。
そんな和やかな雰囲気の中、寅さんが帰って来る。

いつものパターンで寅さんの軽口から社長と喧嘩、おいちゃんの嘆きと険悪ムードに
発展するも、何とか事無きを得た模様。トランクから出したおいちゃんへのおみやげを
さくらへ渡して二階へ上がる。

夕食時、幾分か気持ちの落ち着いたおいちゃん。素直に謝る寅さん。おみやげが
舶来品であり、表記の英語を読み間違えて化粧水と整髪料を勘違いしていたことから、
満男に「勉強しなきゃいかんぞ。」とある意味非常に真実味があることを言う寅さん。
その流れから話題は三重丸の作文へと移り、再び作文を読み上げるように促される満男。
満男は昼間の時と異なり、読み上げを拒否し、寅さんが代わりに読もうとするのを邪魔する。

作文の続きから発生する予想通りのいつもの喧嘩。寅さん出奔(ノ∀`)


北海道で商売した寅さん。一人ポツンと湖畔?で一休み。
脈絡もなく今回のマドンナである入江ひとみ(桃井かおり)が車に乗って行かないかと
誘うけれども、それには断り、説教の一つをくれてやる。

その後、怪しい男(湯原昌幸)に騙されて襲われそうになったひとみを偶然助け、
同じ宿に泊まることにこの泊まるくだりもちょっと笑える。でも、この部分も
そうだけども、今作はちょっと寅さんっぽくないところが多かったような。

湯原昌幸って人は知らないけど、それなりに一世を風靡した人なのか。
外見的にはミスターちんと濱田岳を足して2で割ったような感じだったな。

すぐ後に控えた結婚への不満とも違和感ともつかぬ、ひとみの思いを聞いた寅さんは
例え話を流暢に語り、いつものように「なんかあったら、柴又のとらやに…」という
言葉を伝える。

結局、寅さんがとらやへ帰って来て、ひとみからの手紙を読んでいる時に
ひとみが小柳邦男(布施明)との結婚式から逃げ出してとらやへ駆け込むという、
まるで映画のような、いつも通りの展開に。

関係ないけどwikipediaだと邦になっているような…

ひとみがワケありすぎるということはわかるけど、今回のとらやの面々、特に
おいちゃんが冷たい感じがした。その後の博との会話、寅さんの威勢に負けて
同意した博に対するおいちゃんの態度というコミカルなシーンの為にあえて
そうしたんだろうかと思えるくらい、いつもと違う気がした。

その後の源公に対する御前様の罰も今までの作品から考えると有り得ない罰だったような。
笑ったけどw


その後は邦男がひとみを訪ねてきてなんやかんやで寄りを戻すわけだけれども、
今作も寅さんは脇役だねぇ。多少はひとみと親しくなって上機嫌になっているけれども
本当に惚れたというような重さが今作にはない。まあネックレスを買ってきて上げたり、
二度目の邦男の再訪時に嘘をついて追い払おうとして失敗したりはしてるけどもw

結婚式で御前様が謡?かなんかをやってるけど、そういえば他の小津映画かなんかでも
笠智衆はやっていたな。同窓会だったか同窓会旅行のシーンで。

上手くないとかいいつつ、熱唱する邦男w こんなに上手かったらおっさんの俺でも
脳内子宮がキュンとしてしまうやろが(*´・ω・)

邦男の妹役の京子は戸川京子か。
戸川純の妹でこの映画の23年後に自殺してしまったのか。
あんまり戸川姉妹のことって知らないなぁ。


寅さんが脇役の時はつまらないんだけども、もうそのパターンに慣れてしまったのか、
いつもとノリが違ったせいか、別物としてそれなりに楽しめたかなぁ(・∀・)
一応、ひとみと邦男の方もストーリーがちょこっとはあったし。

『映画女優』を観た

映画女優 (1987年の映画)

映画史を説明するパートと田中絹代の半生のパートで構成されていたが、
前者の方は面白かったな。後者パートの方で状況説明を思いっきり台詞で
やっていて、この映画は一体何を考えて作ったのだろうかと俺の中のk.aが
蠢いた(・∀・) ナンダカナァ

伯父の源太郎を演じている常田富士男ってTBSの日本昔ばなしの人か(・∀・)
声を聞いていて不思議な気分になったw

なんか渡辺徹も吉永小百合も下手だな。森光子もなんか変だったな。
「親にも殴られたことがない」とか「おしっこしてやる」はワラタw

なんか田中絹代の人となりはよくわからなかったな。
家族に寄生されていたり、清光の裏切り等を経て性格が替わったのか。
まあでも大部屋時代も勝ち気っぽかったか。

石坂浩二、中井貴一、岸田今日子、井川比佐志、菅原文太辺りが出てたが
まあどうでもいい内容だったんで、特に言うことはないw

闘志のスキャンミスかな。

絹代の激しい開志が燃え上がった。
映画女優(1987) | Movie Walker


俺氏はワンピースをピンクハザードの辺りまでしか読んでいなくて、それ以降の
ストーリーを知らないのだけど、取り敢えずそこまで読んだ段階での予想では
世界貴族とか五老星辺りが権力の座を簒奪かなんかして歴史を書き換えたのでは
ないかなと思っている。そしてリオ・ポーネグリフにそんなことが書かれてるに
違いない(`・ω・´)と思っていたがそんなに単純な話でもないか(´・ω・`)

まあ、それはさておき、よく吉永小百合が昭和を代表する女優のように
扱われているのを見て、そしてその出演作を観て毎回思うのだが、

吉永小百合って俳優界の五老星なんじゃねぇか( ・´ω・`)?

※もしこのブログが更新されなくなったり、繋がらなくなったら、
俺氏がサユリストに暗殺されたと思ってください(´・ω・`)

『人間の証明』を観た

人間の証明

ジョニー・ヘイワード(ジョニー山中)が
「お母さん、怖いよ。お母さんが僕を殺しに来るよヽ(`Д´)ノ」と
叫ぶシーンで有名な「人間の証明」を観た。
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
嘘や、そんなシーンはない( ・´ω・`) ソレハヤセイヤ セリフモチャウデ


原作だともうちょい重厚な感じなのかなと思うけど、なんかダイジェストぽかったw
元々映画化を前提に書かれた作品らしいんだけれども。

なおみ(范文雀)、新見隆(夏八木勲)、小山田武夫(長門裕之)辺りが脇役過ぎてワラタw
特に男性二人はもっと深く話に関わってくるのかと思ったけど、そんなことはなかった。

その他にもハナ肇、竹下景子、坂口良子、峰岸徹、地井武男、大滝秀治、佐藤蛾次郎等々がちょい役で出てたようだけど、あんまり覚えてない(ノ∀`)

恭子の息子・郡恭平(岩城滉一)は下手だったな。
鶴田浩二は分かったが、三船敏郎には気づかなかった。
角川春樹と森村誠一も出ていたらしいw 

八杉恭子(岡田茉莉子)、棟居刑事(松田優作)、ケン・シュフタン刑事(ジョージ・ケネディ)の三人だけで話の大半は成り立ってたような気がする。

ニューヨークロケは斬新なような気もするけど、そんなに必要だったのかと言うとそうでもないような気がするw まあ未だ敗戦の影を色濃く残した内容であったことと撮影当時にはまだあったであろう海外の物を珍重する、ある種の憧れが残っていたことを踏まえるとロケは妥当な行為だったのかもしれない。

他所のレビューで見かけた豪華な二時間サスペンスドラマという表現がしっくり来たw
幾つかうーん(´・ω・`)と思ったところは

  • ファッションショーシーンが長すぎる。
  • デザイナー大賞でのコメントが好意的に受け入れられたことが謎。
  • 中山タネをいつ殺したんだろう。
  • なおみの夫・小山田武夫は必要だったんだろうか?別に独身でも良かったような。

ファッションショーシーンが長すぎたので、てっきりその辺がメインかと思い、
ジョニーがNYでデザイナーか何かで雇われる→八杉恭子のゴーストデザイナーになる→金銭的に揉めたかジョニーが自分の名前で活躍したいと言い出した→だから殺された。
という展開だと勝手に理解して観ていたが、全然違った(ノ∀`)

更に勘違いしていたけど

  1. 横須賀のバーで八杉恭子とウィルシャー・ヘイワードが出会い恋に落ちる。
  2. ジョニー・ヘイワードが産まれ、恭子の生まれ故郷の霧積へ行く。(早口言葉っぽい)
  3. 闇市の事件が起きる。恭子は警官を呼んでくるが、棟居は逃げたと思う。恭子はレイプされる。
  4. 恭子は失踪、自殺しようとした所で郡陽平に助けられる。そのまま恋仲に。
  5. ヘイワード親子はアメリカに帰る。
  6. 恭子はデザイナーとして成功しつつある。
  7. ジョニーが突如現れる。

で良いのかな?最初はレイプ事件の後に霧積に行ったと思っていて話がつながらないと混乱してたけど、これなら話がつながる。

人間には誰しも麦わら帽子のような大事な物を持っているのだけれども、それを汚されてしまったり、失ったりしてしまったら、いつまでもその物に固執せず新しい大事な物を見つけて生きていくべきなのですと八神恭子は主張したかったんだろうか。そこにかつて失った古い汚れてしまった麦わら帽子が出て来たから、犯行に及んだのだろうか。


タイトルの「人間の証明」って何処にかかる話なんだろう。
最初は

  • 八杉恭子が自らが昔読み聞かせた西條八十の詩を聞くことで人間としての心を取り戻し、犯行を自供する。
  • 棟居が父の仇であり、いともたやすく日本人を射殺するケンを理性によって一発の銃弾によって許す。
  • 八杉恭子が救われた後に父を見捨てたのではなく、警官を呼びに行ったことを知り、許す=逮捕せずに自殺を見逃す。

みたいな感じのことを指しているのかなと思っていたが、
シナリオの最後には

ニューヨーク・マンハッタンの高層ビルの遠景。
その下にも、様々な人間の証明がある。タイトル流れて。

とあるのでそういう意味でもないのかな。


劇中に出てくる"母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?"という詩が
西條八十という日本の詩人のものと知り驚くΣ(゚∀゚;)
ずっと海外の詩人の詩だと思っていた(ノ∀`)

何でそんな風に思っていたのかというと、昔好きだった「マダムとミスター」という少女漫画で執事のピーターの子供の頃の思い出で帽子だかセーターをなくした話があったからw

ぐぐってみたら、この詩は「動物のお医者さん」で使用されていたらしい。
(漫画の中の「詩・小説・戯曲」)

西條八十の項目を読み進んで行ったら

名前は筆名ではなく、本名である。両親は、苦しいことがないようにと、「苦」に通じる「九」を抜いた「八」と「十」を用いて命名した。

と面白い命名理由。

加えて

西條が『砂金』に収録した『トミノの地獄』という詩があり、この詩を声に出して朗読すると「呪いに罹って死ぬ」と噂されている。いわゆる都市伝説が存在する。内容は「トミノ」という少年が地獄を旅するという内容で、これは西條が亡くなった父もしくは妹に奉げる為に書いたとされるが詳しいことは不明。 

などという謎の都市伝説が(・∀・) こんなん知らんかった。

何時頃からあったんだろうか。少なからず自分が子供の頃はなかったし、大学の頃くらいまでは都市伝説の本とか読んでたけど見た記憶がない。

ぐぐったら

寺山修司(1935年12月10日 - 1983年5月4日)はこの詩を声に出して読んでからしばらくして亡くなった、という詩なのである。
トミノの地獄とは (トミノノジゴクとは)

とあった。

何で寺山修司が出てくるのかなと思ったら、知恵袋でベストアンサーではない別回答に

寺山修司さんの天井桟敷の映画のなかだったかな~の歌でした。
トミノの地獄について

とあった。ここで寺山修司との関わりが出てくるのか。
詩自体の解釈はベストアンサーの人のもので良いのかな。

更に他のページで

比較文学者、映画史家である四方田(よもた)犬彦氏の著書によると、
黙って心の中で読むのなら良いのだが、朗読してしまうととんでもない凶事がおこるという詩があり、なんとこの詩を声に出して読んだばっかりに、かの寺山修司は亡くなってしまった。
spazioinwind.libero.it/egvocyrh/sakin/

とあったので、この本が出た後に流布したもののようだ。

更にぐぐる。

流行ったの去年じゃなかったですか?
この手の話大好きなんですが・・・都市伝説です。
確かに美しくて怖い詩なんですが、この話を広めたのは四方田犬彦という物書きさんです。
この人が、心は転がる石のように(2004年刊)という本に トミノ地獄の呪いについて書いて、それがネットで広まったのですね。
だからトミノ地獄の話はネット上に何千件とあるけど 心は転がる石のように の発刊以前のものは皆無と思います。

このホムペに書いて

朗読して死んだ、という根拠については
四方田犬彦氏のエッセイ『心は転がる石のように』
の名前を挙げている方が多いようです。
その中の一編『トミノの地獄』には
「今までその掟を破った人に寺山修司がいた。
彼はそれからしばらくして、46歳で死んでしまった」
という記載があります。
このエッセイ以前にすでに噂は存在したようですが
少なくともこのエッセイ(元はウェブマガジン)が
噂の尾か鰭の一部になった感は否めません。

読むと死ぬとされている詩の作者ですが、かなり有名な方のようです。

ということなので発生時期はともかくも少なからずメジャーになったのは2004年発刊の『心は転がる石のように』以降で、どうも2005年辺りがピークなのかな。

ネットの流行りモノを取り扱ってた探偵ファイルでも2005/08/24のエントリ
これを試しているし。

まあ、人間の証明とは何も関係ないな( ・´ω・`)


岡田茉莉子って知らないなぁと思ったが、
秋刀魚の味」で長男の嫁、「秋津温泉」の新子役だった人か。

前者の役柄はあんまり覚えてないけど、秋津温泉の方ではメインだな。
西田敏行の「浅草ふくまる旅館」の第一話のゲストだったのか…
全く覚えてない(ノ∀`)


まあでもなんやかんや言って、豪華な2サスだと思って観るなら
そんなに悪くないかもねぇ(・∀・)