カテゴリー: 映画

『グレートレース』を観た

グレートレース

ベタなところや冗長なところがあったりもしたけど観て良かったわ(・∀・)
常日頃はながら観出来ない字幕映画は観ないのだが、たまたま序盤を観ていたら
面白かったので最後まで観てしまった。しかし長かった (ヽ'ω`) 160分て…


主要登場人物は3人。一人は興行師のグレート・レスリー(トニー・カーティス)。
常日頃から脱出ショー等で人気を博している色男。一般的な見方からすると所謂主人公。
彼が自動車業界へ提案したニューヨークからパリへと向かう長距離レースが物語の舞台。

もう一人はそのライバル、フェイト教授(ジャック・レモン)はマッドサイエンティスト的要素の
強い興行師で、レスリーに絶えず嫉妬し、対抗心むき出しでレスリーと張り合おうとするw
まあ悪の博士みたいな感じ。

最後の一人は"意識高い"女性人権運動推進派のマギー・デュボア(ナタリー・ウッド)。
彼女は強引に新聞社へ押しかけジャーナリストとして契約させ、グレートレースの
取材記者となり、紆余曲折の果てにレースへと参加する。

これにレスリーのアシスタントであるヘゼカイア(キーナン・ウィン)とフェイトの助手である
マクシミリアン(マックス)・ミーン(ピーター・フォーク)の二人を加えた5人で基本的な話は
展開される。大体は敵対し時には協力し、騙し騙されパリへと向かう。

サイレント映画時代の笑いを取り入れた作品らしく、ベタながらもクスリと来るシーンが
連続したりするので、ツボにはまったら終始笑わせられてしまうかもしれない(ノ∀`)
但し、途中の乱闘やパイ投げは多少冗長に感じる可能性はある。面白いけども。

後の「チキチキマシン猛レース」の元ネタになったらしいので、考え方によっては
直接の親ではないけれども、今ある日本のコント、漫画やアニメはこの映画、
更に遡るとすれば、サイレント映画の血を脈々と受け継いでいるのかもしれない。

余りの長さ故なのか、当時の演劇等の幕間を真似たのか映画の途中で
intermissionだったかの静止画になって音楽だけが流れてたw
序盤も静止画+音楽で中々始まらなかったけれども、あれも何か意味が
あったんだろうか。

もしBSPで再放送するのであれば80分かそこらで一回放映を切って五分間くらいの
休憩を入れるような前後編方式で再放送して欲しいw ついでに吹き替えがあったら
尚の事いいな(・∀・)


昔から映画はほとんど観てなくてここ数年ようやく観るようになった俺氏なので
ナタリー・ウッドって知らないなぁと思ってたら、この人43歳で亡くなってるのか。
しかもコールドケースっぽい感じだな(´・ω・`) 劇中のナタリーは時々、夏目三久に
似てたような気がした。

ドジな助手、マァァァァックスを演じていたピーター・フォークって
「うちのかみさんがねぇ(・∀・)」じゃねぇかΣ(゚∀゚;)


合わない人も居るかもしれないけれども、これは性別年齢問わず、かなりの人に
受け入れられる作品なんじゃないかなと思った(・∀・)
理屈ではなく観終わった後の高揚感が全てを物語っていたw

『夜霧よ今夜も有難う』を観た

夜霧よ今夜も有難う

外国航路から帰ってきた相良(石原裕次郎)は早速恋人の秋子(浅丘ルリ子)に電話で求婚した。だが彼女は約束の教会に急ぐ途中、交通事故にあった。夕暮れの教会で相良は秋子をいつまでも待ち続けた--。四年の月日が流れ、相良は今、横浜でナイトクラブ“スカーレット”を営むかたわら“逃がし屋”をやっていた。

夜霧よ今夜も有難う

邦画にしてはなんか変な話だなと思っていたけど、

アメリカ映画の「カサブランカ」(1942年、ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン主演)を翻案して、石原裕次郎と浅丘ルリ子の主演により映画化した名作である。

ということらしい。道理でなんか変なはずだw

ストーリーそのものはそれほど悪くもないけれども、朴念仁の俺氏は
「ntr物かぁ…(・∀・)」という程度の感想しか抱かなかったw
相良を石原裕次郎じゃなくてもっと線の細い感じで冷徹な演技が
出来る人がやっていたら、もうちょっと感情移入出来たかもなぁ。

別れるシーンは切ないと言えば切なかったな(´・ω・`)


wikipediaだと石原裕次郎の役が伴次郎になってるけど相良徹では?
伴次郎は「銀座の恋の物語」の役名のような…
※2021/08/10追記 修正を確認。

クエン役は二谷英明だったのか。宍戸錠にしては何かおかしいと思っていたがw
( ゚Д゚)ハッ 関係ないけど、ハーフの青年役のビルを演じていた郷鍈治って
宍戸錠の弟なのか。しかも55歳で亡くなってるのか…
ってちあきなおみの夫かΣ(゚∀゚;) とまあそういう話はおいておいて
顔に何塗ってるんだw

浅丘ルリ子はあんまり好きな顔じゃないからどうでもいい(・∀・)

相良の店で働く仙吉は高品格だった(`・ω・´) オレトクナハイヤク
仙吉の娘・ヒロミがちょっと可愛いなと思っていたが、梶芽衣子か(*´・ω・)


元作品の「カサブランカ」もいつか観てみようかな(・∀・)

『富士山頂』を観た

富士山頂

富士山レーダーを納入した三菱電機の全面的な協力により製作されたため、主人公が新田次郎自身をモデルとする気象庁課長葛木章一から、石原裕次郎の映じる三菱電機社員・梅原悟郎に変更されており、社名も原作では全ての会社名が架空の社名に置き換えられており、例えば三菱電機は「摂津電機」とされていたが、映画では三菱電機だけは現実の社名で登場する。

今はなき富士山レーダーを富士山頂に設置するまでの話。
ある種ドキュメンタリーちっくなので観る人を選ぶかも。
そのせいか石原裕次郎の演技も特には気にならないw

馬で物資を運んでいた馬方達がブルドーザーの免許取得で
悩んだり、集めてきた人夫が高山病に耐え切れずに逃げ出したりと
その当時の苦労が窺えて面白かった。

色々と有名どころが出ていたが馬方の親方・朝吉を演じていた
勝新太郎の存在感が大きかったなぁ(・∀・)
渡哲也もかっこ良かった。


全体的にながら観ではあったけれども、また機会があったら
しっかりと観直してみたい(`・ω・´)

原作もちょっと読みたい。

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』を観た

男はつらいよ 翔んでる寅次郎

夢アチャラカは便秘解消薬の開発を目指す車寅次郎博士のお話。
タコ社長が相変わらずの借金取りw 単純にポジション的にそういう役回り
なんだろうけれども、毎回毎回借金取りや悪役をやらされているのを観てると
真っ当に会社を経営して生活しているタコに対して寅さんの識閾下に妬みや
自らの存在を貶しめる存在に対する憎悪があるのではないのだろうかと
ついつい邪推してしまうw

そしてまさかの大爆発w ワットくんかよw

OPのサイレントは子供のいたずらに引っかかって怒った寅さんが
原因で川原でいちゃついていたカップル同士が喧嘩する展開(・∀・) ヨクヤッタ、トラ


今回は結婚がテーマらしく、冒頭にとらやの面々が博の後輩の結婚式に参加している
シーンから始まる。とらやに戻った後、唐突にさくらが満男のランドセルから作文を
取り出し、三重丸のついた作文を見て喜ぶ。その言葉を受けて博は満男に作文の
朗読を促す。「僕の両親は恋愛結婚です。」みたいな感じの内容だったので、
さくらは恥ずかしがって作文を読むのやめさせようとする。逃げる満男。
そんな和やかな雰囲気の中、寅さんが帰って来る。

いつものパターンで寅さんの軽口から社長と喧嘩、おいちゃんの嘆きと険悪ムードに
発展するも、何とか事無きを得た模様。トランクから出したおいちゃんへのおみやげを
さくらへ渡して二階へ上がる。

夕食時、幾分か気持ちの落ち着いたおいちゃん。素直に謝る寅さん。おみやげが
舶来品であり、表記の英語を読み間違えて化粧水と整髪料を勘違いしていたことから、
満男に「勉強しなきゃいかんぞ。」とある意味非常に真実味があることを言う寅さん。
その流れから話題は三重丸の作文へと移り、再び作文を読み上げるように促される満男。
満男は昼間の時と異なり、読み上げを拒否し、寅さんが代わりに読もうとするのを邪魔する。

作文の続きから発生する予想通りのいつもの喧嘩。寅さん出奔(ノ∀`)


北海道で商売した寅さん。一人ポツンと湖畔?で一休み。
脈絡もなく今回のマドンナである入江ひとみ(桃井かおり)が車に乗って行かないかと
誘うけれども、それには断り、説教の一つをくれてやる。

その後、怪しい男(湯原昌幸)に騙されて襲われそうになったひとみを偶然助け、
同じ宿に泊まることにこの泊まるくだりもちょっと笑える。でも、この部分も
そうだけども、今作はちょっと寅さんっぽくないところが多かったような。

湯原昌幸って人は知らないけど、それなりに一世を風靡した人なのか。
外見的にはミスターちんと濱田岳を足して2で割ったような感じだったな。

すぐ後に控えた結婚への不満とも違和感ともつかぬ、ひとみの思いを聞いた寅さんは
例え話を流暢に語り、いつものように「なんかあったら、柴又のとらやに…」という
言葉を伝える。

結局、寅さんがとらやへ帰って来て、ひとみからの手紙を読んでいる時に
ひとみが小柳邦男(布施明)との結婚式から逃げ出してとらやへ駆け込むという、
まるで映画のような、いつも通りの展開に。

関係ないけどwikipediaだと邦になっているような…

ひとみがワケありすぎるということはわかるけど、今回のとらやの面々、特に
おいちゃんが冷たい感じがした。その後の博との会話、寅さんの威勢に負けて
同意した博に対するおいちゃんの態度というコミカルなシーンの為にあえて
そうしたんだろうかと思えるくらい、いつもと違う気がした。

その後の源公に対する御前様の罰も今までの作品から考えると有り得ない罰だったような。
笑ったけどw


その後は邦男がひとみを訪ねてきてなんやかんやで寄りを戻すわけだけれども、
今作も寅さんは脇役だねぇ。多少はひとみと親しくなって上機嫌になっているけれども
本当に惚れたというような重さが今作にはない。まあネックレスを買ってきて上げたり、
二度目の邦男の再訪時に嘘をついて追い払おうとして失敗したりはしてるけどもw

結婚式で御前様が謡?かなんかをやってるけど、そういえば他の小津映画かなんかでも
笠智衆はやっていたな。同窓会だったか同窓会旅行のシーンで。

上手くないとかいいつつ、熱唱する邦男w こんなに上手かったらおっさんの俺でも
脳内子宮がキュンとしてしまうやろが(*´・ω・)

邦男の妹役の京子は戸川京子か。
戸川純の妹でこの映画の23年後に自殺してしまったのか。
あんまり戸川姉妹のことって知らないなぁ。


寅さんが脇役の時はつまらないんだけども、もうそのパターンに慣れてしまったのか、
いつもとノリが違ったせいか、別物としてそれなりに楽しめたかなぁ(・∀・)
一応、ひとみと邦男の方もストーリーがちょこっとはあったし。