カテゴリー: 感想

『十三人の刺客』(2010)を観た

十三人の刺客 (2010年の映画)

開始直後から12人を集めて出発するところまでは「おお、これは面白くなりそう(・∀・)」と
思って観ていたが、伊勢谷友介が演ずる山の民の木賀小弥太が出てきた辺りから全てが
台無しになっていった気がするw

この映画で伊勢谷友介の売り出しをしたかったのかよくわからないが、劇中内で変に
プッシュされた存在になっていて、小弥太の登場や振る舞いによってそこまで時代劇
だったのがなんちゃって時代劇というか時代劇もどきに成り果てた(ノ∀`)

折角、茂手木桜子と稲垣吾郎が猟奇的な雰囲気を醸し出し、役所広司やベテラン勢が
手堅く時代劇に仕立て上げ、若手もそれなりに頑張ってたのに、小弥太の存在で
全てがおじゃんw 所々に挟み込まれたコメディシーンは要らないだろ(´・ω・`)

もう真面目に観る気を無くしていたので徳兵衛とのシーンとかも笑うというより、
ハイハイっていうスルーモードで流して観た。

オリジナル版だと13人vs53人という或る程度現実的な設定をなんで変えてしまったんだろ。
増やせば良いというものでもないのに。アクションシーンはそんなに好きでもないので
戦闘シーンはすぐ飽きた。売りだったんだろうけど、無意味に長い気がする。
13人の俳優に見せ場を作らないといけなかったからだろうか。

お習字のあの字も上手すぎるなぁと思ったり。スタッフ・キャスト全員に実際に筆を
咥えさせて書かせて、読み取れるものを採用するとかしなかったのかな?


監督の三池崇史って名前を聞く割にそんなにその作品を観た記憶がない。
映画だと「着信アリ」と「ゼブラーマン」と「妖怪大戦争」くらいかな。
他のラインナップを見てみると、あんまり合わない人かもしれないw
俺氏にとっての第二の森田芳光的存在かもしれない…( ;・´ω・`)ゴクリッ
テレビでの「ケータイ捜査官7」は結構好きだったけれど。
ヽ|l#● ● l|ノ <ケータイは投げるものではなーい!
それの絡みで窪田正孝が出ているのであろうか。
今続編を作ったら「スマホ捜査官7」か。それともDroidくんを採用した
「Android7」…或いは「安堂ロイド7」…いやそれはコケたドラマか…。

冒頭で斉韶に手篭めにされてしまう牧野千世って谷村美月だったのか。気付かなかったw
吹石一恵も出てきたけど、あんまり必要なキャラじゃなかったな。

山田孝之や沢村一樹も出ていてが古田新太の役が印象に残ったかな。
裏切ってばっくれるのかと思って観ていたからかもしれないw

波岡一喜が悪人じゃなかったのが新鮮だったw


なんか勿体無い作品のような気もする。役所広司と市村正親の無駄遣いのような気がする。
小弥太とコメディシーンを除いたシリアスバージョンだったらもっと面白かったろうな。

まあこれが監督の求めたオリジナリティーや面白さなのだろうから、
しょうがないんだろうけれども(ノ∀`)

オリジナルはどんな感じなのかちょっと観てみたい。

『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』を観た

蛭子バスを見たから「男はつらいよ 私の寅さん」を見逃したんだけど…( ´・ω・)
BSジャパン、もう少し考えてよヽ(`Д´)ノ
「二十四の瞳」かなんかをやった時みたいに翌週2本連続にして欲しかった…
さてどうやって見逃したものを観るかな…TSUTAYAにまた入るのも面倒だしな…


男はつらいよ 寅次郎恋やつれ

マドンナは第9作目の柴又慕情に出てきた歌子さん(吉永小百合)の再登板。

いつもの夢始まり→OP裏のドタバタは変わらないものの、真のマドンナが再登板と
いうこともあってか、話の作りがいつもとはちょっと違った。

仮のマドンナとも言える絹代(高田敏江)も出てくるが、物語開始時点で寅さんとの
出会いや親しくなる過程は既に終えており、寅さんがこれから告白でもしようか
という状態。それで告白をする前においちゃんおばちゃんさくらの了解を得る為に
土産を持って柴又へ帰って来るところから本編は始まる。

普通の人と寅さんの感覚のズレから、皆が(・∀・)→(´・ω・`)となり、そこから
逆ギレした寅さんとおいちゃん達の喧嘩が勃発。いつものてんやわんやヽ(`Д´)ノ
なんやかんやでさくらとタコを伴って絹代さんへの元へと舞い戻る。

当然のことながら、寅さんの恋は実らず、そのまま旅に出た寅さんはそこで
歌子さんと再会。歌子さんの哀しい現況を知るも、気休めというかいつもの一言だけを
残してまた旅に出る。

その後、柴又のとらやに帰って来た寅さんはいつもの過剰反応でまた出ていこうと
するけれども、歌子も柴又に戻って来たことを知って舞い上がる。
この舞い上がり状態の寅さんのセリフが酷かったというか面白かったw


いつも通りの一時の幸せの果てに寅さんのスタンドプレーからすったもんだし、
マドンナの問題が解決すると共に寅さんの幸せな時間は終わりを告げる(´・ω・`)

今回の話はマドンナである歌子の問題解決に重点が置かれていたようにも思えた。

劇中でさくらに「それは歌子さんの幸せじゃなくてお兄ちゃんの幸せじゃないヽ(`Д´)ノ」
みたいなことを言われて自覚したのか新しい生活に挑戦しようとする歌子さんの前から
ひっそりと姿を消す寅さん(´・ω・`)

最後、とらやへ届いた歌子からの手紙の後に寅さんが行ったのはどこぞの海岸(ノ∀`)
登が居なくなったからこういう終わり方になったのかな。
まだ歌子への恋心を失ってないからそっちに行ったんだろうか。

何にしてもいつもちょっと違う作品であった(・∀・)
歌子が来た時のおかしくなった寅さんとワシントンのくだりがお気に入りだw

『ケイゾク/特別篇「死を契約する呪いの樹」』『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』を観た

ケイゾク」のドラマシリーズを観たので
勢いでついでに特別編と映画も観た。


ケイゾク/特別篇「死を契約する呪いの樹」

連続ドラマ版の最後はあんな感じで終わったが一点を除いては元通りな感じ。
なんだかな~(・∀・)(阿藤快風)

柴田の異動(正式な配属?)に伴い京大卒で柴田を敵視する割に使えない
遠山金太郎(生瀬勝久)が2係に研修に来るが、このキャラは中々面白くて
良かった(・∀・)

後のTRICKで矢部警部と東大に分離されたんだろうか。
そういえば金髪こと前原一輝がちょい役で出てたな。

映画もそうだけれども前半は普通の謎解き、後半というか終盤で朝倉絡み。
やはり朝倉はスーパーチートな能力者だと思うw なんか朝倉絡みの話は
同じことを人を変えて繰り返しただけなんじゃないかと思ったり、
この特別編の肝は遠山金四郎の面白さなんじゃないかと思ったりw

見逃したのかもしれないけど、偽の神主って結局何だったんだっけ(´・ω・`)?


ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer

探偵はBARにいる」みたいにまた小雪無双かと思ったらちょっと違ったw

前半は普通の謎解きでわかりやすい犯人とトリック、後半は朝倉絡み。
舞台となった島の設定がなんだか連続ドラマ版とは大きくかけ離れた
TRICKっぽい感じだった。話を何となくまとめるためにそういう要素が
必要だったということだろうか。

磯山章子役の子が観たことある顔だと思っていたが、最初は誰だか
分からなかった。よくよく観ていたら大河内奈々子だった。
若すぎてよく分からなかった。

第七神竜丸の生き残り役の中に片桐はいりが居た。
安部ちゃんとは全然違う嫌な女役だったw
第七神竜丸の救命ボートのくだりは結局本当はどうだったのか
よくわからなかったな。見逃したのかな?

DVDのコメンタリーでは冒頭の壺坂(泉谷しげる)と斑目(村井克行)は
本物で木戸(鈴木紗理奈)が単身で応援に行こうとしていた船に
現れた斑目は死者らしい…(・∀・)?

イマイチ斑目が木戸に執着していたのがよくわからない。
そんなに重要視というか愛していたようにも見えなかったので。

途中の本土シーンで壺坂の妻らしき人が登場するけど、あのシーンで
笑ってしまったw 一時集中して観てたスプラッタ系映画でああいうのに
慣れてしまった所為か(ノ∀`) ところで壺坂の妻って生きてたの?
それとも後妻?子供だけが死んだんだっけ?


正直、連続ドラマ版の段階で「朝倉はスーパーチートの能力者」と
いうイメージで観ていたので、冒頭の斑目は朝倉だと思っていた(ノ∀`)

加えて言うと後半の展開は話をまとめるための超展開だと思って
観ていたので、他の真面目に観ていたケイゾクファンと異なり、
怒ったりもがっかりもしなかった。ドラマならともかく堤幸彦が撮った
映画に期待する方が馬鹿なんだということを映画版TRICKの一作目で
学習しているのでそもそも期待していなかったしw むしろ前半は
きちんと謎解きをしていたので、頑張ったなと思って観てたw

あの後半の展開は幻覚だろうが超常現象だとしてもどっちにしても
リアル系な連続ドラマ版を真面目に観ていた人からすると酷すぎる内容
だとは思うけども、まあ何はともあれ朝倉は倒したって話だという風に
理解した。なんで快楽殺人犯の朝倉が訳の分からない理想を語りだしたのか
とか疑問に思うところは多々あるが、真面目に考えるだけ時間の無駄の
ような気がするw 霊的存在が銃で倒せちゃうくらいだしw

関係ないけど1カットだけ雅の顔があったけど、うまくそこで停止させる
ことが出来なくて観れなかった(ノ∀`) キャストを見たら永田杏奈だった。
マスター・オブ・サンダー」と「バトル・ロワイアル」を観てた俺氏は
「またお前か(・∀・)」と思ってしまったw


映画としてはどうなんだろうねぇ(・∀・)
まあ前半のみを真面目に見て、後半は適当に流し見するのが
妥当なところかなぁ。「ケイゾク」にハマった人ほど、
なんだかなと思うかもしれないけど。

『ケイゾク』を観た

ケイゾク

『ケイゾク』は、TBS系列で1999年1月8日から3月19日まで、金曜ドラマ枠(毎週金曜日22:00 - 22:54、JST)で放送された日本のテレビドラマ(全11話・特別編1話)。2000年には劇場版作品『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』が公開されている。

(中略)

“ケイゾク”と呼ばれる、迷宮入りした事件を担当する警視庁捜査一課弐係(架空の部署)に配属された、東大卒のキャリア警察官僚・柴田純と、元公安の叩き上げ刑事・真山徹が難事件を解決していくミステリードラマ。

いつかは観ようと思っていたが、TBSの作品だし、そんなに無理して観たくもないなと
放置してきたが、huluで配信されていたので観てみた。


中谷美紀や松嶋菜々子、松たか子のように頬骨が突き出ているようなホンコン顔は
好きではないので中谷美紀がキレイだと言われても、んー(´・ω・`)?という反応
しか出来なかったが、このドラマでの中谷美紀は可愛いと思う。まあそれでも
やっぱりちょっと頬骨が残念だったなぁ。

顔云々の話はおいておいて、演技力は申し分ない。天然キャラの柴田を演じきって
いたからか、観ていて開始数分で話に入り込めた。まあこれは鈴木紗理奈以外は
きちんとした俳優陣だったからというのもあるだろうけれども、何にしてもうまかった。

渡部篤郎というと「幸福の王子」の糞野郎役か「白夜行」の糞野郎役しか知らないので
その辺と比べると真山は随分とまともなキャラに見えた。十分病んではいたけれどもw

この柴田と真山のコンビが後の「TRICK」シリーズの山田と上田へと発展したんだろうか。

中谷美紀と渡部篤郎って確か不倫関係でどうとか騒がれたんじゃなかったっけと
ぐぐったら、リカコとは離婚して未だに付き合ってるけど結婚してないというか
事実婚状態なのか。10年もそんな状態ならずっとそのままかね。


同僚役の近藤昭男(徳井優)と谷口剛(長江英和)を観て、( ゚Д゚)ハッとなる。
TRICK2のエピソード1「六墓村」に出てくる議員とその秘書やないか(・∀・)
あれはこのドラマからの流れでのキャスティングだったのか。

鈴木紗理奈はたまにとちりそうになっていて危うかったけど許容範囲内か。
竜雷太や野口五郎はまあ普通。泉谷しげるもいつもの"泉谷しげる"的キャラ設定で普通。
ポジション的には美味しい役だったな。

斑目役の村井克行という人はそれなりに出演ドラマがあるのに全く観たことがない人だな。
榎木孝明の「密命 寒月霞斬り」の第一話に出ていたらしいが全く覚えてないw


主題歌の「クロニック・ラヴ」は

坂本龍一プロデュース。楽曲自体は坂本のアルバム『未来派野郎』に収録されている「Ballet Mechanique」を改作したもの。岡田有希子の「WONDER TRIP LOVER」のカバー曲でもある。英詞であったものに中谷美紀が日本語詞を書いた。

ということらしい。中々いい感じはあるけど、この頃はまだ女優のマルチタレント化を
推し進めようとしていたのだろうか。そもそも中谷美紀って何の出身なんだろう?

TRICKと比べると話の構成はこちらの方がきちんとしていてドラマとしての体は
整っている感じ。但し、その所為なのか、登場キャラクターにそれ程インパクトが
あるわけでもなく、個々の事件の犯人やその使用したトリックが結構平凡だったり
無理があったりする感じなのであんまり引き込まれる感じはしない。
これはこのドラマが十数年前のものであり、このドラマを参考にしたりした、TRICKの
ような他のより新しいドラマを観ているが故の物足りなさに起因するのかもしれない。

個々の話のパターンは、
出勤途中の柴田が受験生等の問題に首を突っ込んでバスを降り損ねたりする→
2係の面々が暇そうにしていて、木戸(鈴木紗理奈)が「柴田どうしたー」→
柴田来る→婦警さんが今日の相談者→なんやかんやで「犯人わかっちゃったんですけど」→
もっともらしそうなことを犯人が言う→真山が「本当は~なんじゃねぇか」と罵る→
犯人、捨て台詞→おしまい(´・ω・`) ナンカ、アトアジワルイ

これに真山の妹ネタというか朝倉ネタが挿入される感じ。8話までは一応個別案件で
上記のようなパターン。9話からは朝倉絡みだったかな。厳密に言うと8話からか?

この朝倉裕人というキャラが問題があるというかスーパーチート過ぎて、比較的
リアル路線系のこのドラマでは浮いてしまっているような気がしないでもない。
続編であるSPECやTRICKのように能力者の存在を明示的また暗黙的に認めている
ドラマならば朝倉という存在は問題ないのだけれども、このドラマの中では
ちょっと無理があるかなぁと言った感じ。これが更に映画になると何がなんだか
という感じになってくるw 自分は難しく考えるのが面倒くさいので、この
連続ドラマ版では話を成立させるための悪の超人的快楽殺人者として受け入れたw

朝倉を演じていた高木将大って人はwikipediaに項目がないので他に何やってんだろと
ぐぐってみた。取り敢えずウィーズカンパニーという事務所には今は居ないのかな?
高木将大 | ORICON STYLE
http://tvtopic.goo.ne.jp/cast/cid/18880/0/0/4.html

一昨年、去年と土ワイには出ているので引退はしてないんだな。

脚本の西荻弓絵という人は他に何を書いてるのかなと思ったら、「SPEC」もこの人なのか。
「安堂ロイド」もかw 観てないけどどうだったんだろうか、アレは。


連続ドラマ版の「ケイゾク」に対して言えることは、スーパーチートな朝倉の存在を
受け入れられるかどうかにかかってくるだろうw それさえ受け入れられるならば、
普通のちょっと易しい推理物ドラマという感覚で楽しめると思う(・∀・)