カテゴリー: 漫画

ブラックジャックによろしく・新ブラックジャックによろしく・漫画貧乏 / 佐藤秀峰

ブラックジャックによろしく

無料で入手していたが為にずっと「後でいいや(・∀・)」と放置していた『ブラックジャックによろしく』を読み終えた(`・ω・´)
(『新ブラックジャックによろしく』は一冊11円、全巻で99円のセールの時に購入)

物語の中身はWikipediaの主人公の説明でほぼ記載されている。

斉藤 英二郎(さいとう えいじろう)
本作の主人公。名門の永禄大学卒の研修医。25歳。実家は千葉県銚子市とみられる。5人兄弟の2番目で、父親は中学校の英語教師。大学卒業時には医者としての理想を抱き希望に燃えていたが、実際の医療現場に携り、理屈や正義で解決しない辛辣な現状を知ることとなる。性格は純粋で一直線。患者のためを思い奔走するが、そのたびに医局や教授、日本の医療事情の現実と衝突する。

物語の構造は基本的に

  1. 研修医・斉藤が永禄大学付属病院のさまざまな診療科に配属される
  2. その背景が説明される
  3. 担当した患者に対する既存の治療方針に対する疑問を抱く
  4. 周囲を巻き込みつつ事態が進行する
  5. 解決ではないけれど、一つの答えというか現実を経験し、次の科へ配属される。

みたいな感じ。

俺氏は医学知識とか全くないから、この漫画の内容が正しいのかどうかよくわからない(・∀・)
昔、病院の夜間外来受付のバイトをしていたので、研修医みたいな若手の先生が当直に来てたのは知っていたけれども。
加えて無印の連載が2002年~2006年、新が2007年~2010年ということなので、現在の医療の現場とは事情が異なると思う。

また、この作品をリアルであると言う医療従事者と全くのフィクションと言う医療従事者も居るので内容を鵜呑みにするわけにはいかないとは思うが、これはこれで良い作品なんじゃないかなぁと思った(・∀・)

正直、斉藤の思考や行動は理解しがたいものでw、その部分を重く捉えてこの作品を低く評価する人がいるようだが、この作品のテーマは「有限の生命を持つ人間の"生きる"とは何か」、「人間の生死に緊密に関係する"医師"とは何か」であり、法の制約や現場医師達のポリシーなどによって構成される医療の現状に斉藤という狂言回しを投じて、それによって生じる波紋を描くことによって何が正しく何が誤ってるのか、"正しい"は本当に"正しい"のか、"誤り"は本当に"誤り"なのかという疑問を提示し、再考を促しているので、その部分のみをあげつらって、この作品を単純に評価すべきではないんじゃないかなぁと思ったり。

まあ、これを斉藤という主人公の人間の成長物語として読むと確かにちょっとどうよ感に襲われるのは致し方ないかもしれないけどねw 恋愛パートとかは特にw


NICU(新生児集中治療室)編、第四外科編、移植編辺りが好きかな。色々と深いような、難しい問題のような気がする。小児科編もピリッとしていた部分があって悪くはない。読後感は良くないかもしれないが。昔、夜間外来受付のバイトをしていた時にベッドがなくて受け入れられないということは実際にあったな。輪番の時なんか特に(´・ω・`)

精神科編はなんかちょっと精神病患者の方に寄りすぎな感じがした。『漫画貧乏』で2005年12月に"ある団体から重大な抗議を受ける"とあるが、実はこれに関連してるのだろうか? 精神科編は9~13巻で無印の連載終了は2006年だし。

移植編の後の年代ジャンプはいいとしても、その後がなんか雑な終わり方をしたような気がしないでもない。
イラストカバーの件でも揉めてたから打ち切りだったんだろうか?

高輪教授が一番美味しいところを持っていったような気がする(・∀・)


この作品を二巻の途中くらいまで読み進めていて、ふと、「あれ?俺この人の漫画を読むの初めてだけど、この作風は何処かで見たことあるぞ、あれだ、あれ、あの漫画……弟子かアシスタントか(´・ω・`)?」と思ってぐぐる。

漫画なんだっけ? -> 宮本から君へ
作者誰だっけ? -> 新井英樹

Wikipediaの新井英樹の項目を見る。
関連項目に

佐藤秀峰 - Twitterで新井の影響を受けた発言をしている。

とあった。

更にぐぐると

実は僕は作家としては漫画マニアの間では常に新井英樹さんと比較されてきました。「新井英樹のパクリ作家」と呼ばれたり、中には「宮本から君へ」の作者と僕と勘違いしている方もいました。

僕の好きな漫画8「宮本から君へ」 | 佐藤秀峰

ああ、やっぱ皆そう思うよねw
パクリ云々はともかくも読んだ人が判っちゃうくらいの影響力ってちょっと面白いと思った(・∀・)

関係ないけど、新井英樹の奥さんって入江喜和……「のんちゃんのり弁」の人か。
映画は凄く微妙だったな…(´・ω・`)


漫画貧乏

『ブラックジャックによろしく』の後に読むと面白いw
斉藤英二郎は佐藤秀峰とある種似ているなと思えるだろうw

佐藤秀峰側の一方的な視点なので、実際のところはどのくらいが真実なのかはわからないが、出版社側の傲慢さが横行しているのだなというのが読後感。小学館の雷句誠問題や昨今のその他の漫画家の告発を踏まえると、それほど嘘は言っていないのではなかろうかと思う。電子化に移行したとしても認識を改めない限り、出版業界斜陽の加速は免れないだろうな。

コンセプトは異なるが"漫画 on Web"と似たようなサイト、"マンガ図書館Z"があったなぁ、この二人は対談とかしてないのかなとぐぐったけどなかった。
ヒットした300万ダウンロード突破『Jコミ』が目指すもの – 赤松健インタビュー(前編)
という記事で赤松健が佐藤秀峰に言及していたりしていてちょっと面白い。
否定とは言わないけれど、ばっさりと切り捨てている感じがしたw

まあ赤松健自身も自分の漫画家としての才能というかスタイルの限界を理解し、自らをもばっさりと切り捨てているのでそれほどの悪意は感じない。確かに赤松健の漫画が無料公開されていても読む気にはならんもんな。漫画プロデューサーの道を邁進して行ったほうが良いよなぁ。
→ 赤松健の国会にっきは面白い(・∀・)ハーレムモノジャナイシネ

実写ドラマの『MAGISTER NEGI MAGI 魔法先生ネギま!』は太もも目当てでちょっと観てたけど(*´・ω・)

まあ、新しい世界への道は一つじゃないだろうし、どちらからでも辿り着けるかもしれないし、どちらからも辿り着けないかもしれないので、それぞれ模索を続けて行って欲しいのぅ("・ω・゙)


そう言えば佐藤秀峰って不倫して離婚しなかったっけとぐぐってみたら、色々と記事がヒットした。
元奥さんも漫画家で佐藤智美という人らしい。
何を描いてる人かなと思ったら『ムショ医』の人か。
あれも無料配信の時に何冊かダウンロードしたはずだけど、まだ読んでないな。
そのうち読もう(´・ω・`)

入江喜和の『おかめ日和』と佐藤秀峰の『特攻の島』もセールで買って読んでないから読まないと(´・ω・`) イソガシイ

※2017/07/01追記
そういえば忘れていたが、新ブラの4巻 P79辺りのこのシーン。"以外"じゃなくていいのかな?

何故か画像が消えている(ノ∀`) 面倒くさいから再作成はしないw

ブラック・ジャック創作秘話 ~手塚治虫の仕事場から~ / 吉本浩二・宮崎克

ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜

副題のとおり、漫画家手塚治虫の制作現場の舞台裏を描いた実録漫画である。主題にある『ブラック・ジャック』に限らず、手塚の様々な漫画、アニメの制作エピソードを題材にしている。手塚の当時の担当編集者やアシスタント、家族等関係者にインタビューを行い、その内容を回想として漫画化という構成を取っている。編集者は秋田書店に限らず他の出版社にも及び、アシスタント経験者にはその後漫画家として活躍している者も多い。

kindleでやっていたポイント92%還元だかなんだかの謎のセールの時に購入した(・∀・)
と言っても一巻だけ(´・ω・`)

結論から言うと、漫画の神様・手塚治虫のイカれっぷりが凄くて面白い(・∀・)
まあ前から手塚治虫の暗部というか異常性は知っていたから、全てが全て目新しい内容ではなかったのだけれども。

手塚治虫云々よりも編集者の壁村耐三やアシスタントだった寺沢武一、永井豪等々の話が面白かった。


壁村耐三でぐぐってみると色々と逸話が出てきたが、そういった逸話を扱ったブログのエントリに対して息子さんらしき人が書き込みをしていてなんかワラタw
ちょうどこの漫画がドラマ化された2013年頃のエントリだと壁村大輔とか大輔として書き込んでいるw

壁村耐三って吾妻ひでおに酷いこと言った人だったり、コミックビームの奥村勝彦の師匠筋に当たる人だったのか。
赤塚不二夫や永井豪を見出した人でもあるのか。赤塚不二夫がタモリを見出したことなども考えると結果的に芸能界に影響を残した人とも言えるのかな。現代で言うとマシリトなんかがそんな感じで他分野に影響を残した人だな。


|ω・`)。oO(手塚治虫関連の漫画のエントリにも関わらず、色々ぐぐった結果、今一番読みたいのは永井豪の自伝的漫画・激マン!であることはミンナニハナイショダヨ)

わたしの日々

わたしの日々

『わたしの日々』(わたしのひび)は、水木しげるによる日本の漫画。『ビッグコミック』(小学館)にて、2014年1号から2015年10号まで連載されたオールカラー作品であり、水木の最晩年の作品である。単行本は同社から2015年に出版された。

kindleでやっていたポイント92%還元だかなんだかの謎のセールの時に購入した(・∀・)

その年令から考えると連載漫画を描き続けるということは凄まじいこととわかるのだが、何分にも掲載ページが少ない為、何か物足りないというか余り面白くない(´・ω・`)

少なからず普通のエッセイ漫画やエッセイのようにオチがきっちりつくものを期待して読むと肩透かしを食らうかもしれない。投げっぱなしジャーマンエッセイとでも呼ぶべきなのかな。まあでも、漫画の間に挿入される水木しげるが子供や青年の頃の絵等は眺めていて面白かったかなぁ。


他の戦記物とか貸本屋時代のやつを読みたいのぅ(´・ω・`)

伊豆漫玉日記・日々我人間 / 桜玉吉

kindleでやっていたポイント92%還元だかなんだかの謎のセールの時に桜玉吉作品を2冊購入した(・∀・)

伊豆漫玉日記」は「満喫漫玉日記 深夜便」の続編らしく、所謂『読もう、コミックビーム』(四コマ漫画)と通常のエッセイが載っているスタンダードスタイル。
日々我人間」の方は半ページぐらいのスペースを細かくコマ割りしたエッセイ漫画。後半は主としてムカデとの戦いに終始しているような気がしないでもないw

両作品共、いつも通りの桜玉吉漫画であり、好きな人はとても楽しめるけれども、そうでない人にとってはそれほど面白くもないと言った感じの内容。以前にも増して愚痴が多くなったり怒りっぽくなったりしているような気がしないでもないが、それは加齢によるものだろうか。

俺氏も歳食ってから、独り言が多くなってしまうというか、思ったことがつい口から漏れたりすることが多くなったなぁ等と自省しつつ読んでいた(ノ∀`)


俺氏は桜玉吉作品にはなんとなく他の漫画家の作品に対する思いとは異なるものを抱えているような気がする。それは作品が私小説ならぬ私漫画?であることに起因しているのかもしれない。

通常の作品視聴であれば、その作品内の登場人物や作品世界に愛着を持つ。しかし、この作品は私漫画故に登場人物が作者であり、舞台がほぼ現実に近い世界である為、必然的に愛着を持つ対象は桜玉吉本人にならざるを得ない。勿論、作品中の"桜玉吉"と現実世界の桜玉吉本人は完全に同一というわけでないのだけれども。

こういった絡みからか、現在の桜玉吉作品の読後感想は「続きを読んだ」というよりも「桜玉吉の生存を確認した(`・ω・´)」という思いが強く、続刊に対しては「続きが読みたいヽ(Д´)ノ」というよりも「玉吉、元気にしてるのかよヽ(Д´)ノ」という気持ちが強いw

この気持を突き詰めて言葉にすると「しあわせであれ、ふしあわせであれ、そのかたちを赤裸々に見せ続けておくれよ、玉吉(´・ω・`)」と言った感じであり、よくよく考えるうちに
あ、これがファンってやつか( ・´ω・`)などと思い至った(ノ∀`)


そうか、俺氏は桜玉吉のファンだったんだなぁ(・∀・)