カテゴリー: 映画

『醜聞』を観た

醜聞

序盤はなんだか男っぽい青江が好印象で痛快な大作か(・∀・)と
期待したが意外と小粒だったイメージは否めない。
まあ悪くはなかったけども…

これの主人公って三船敏郎演ずる青江一郎と見せかけて、
志村喬演ずる弁護士・蛭田乙吉だよねぇ。
三船敏郎はカッコイイんだけども。

ある一点を除けば、これは教科書に載ってる話や、
手塚治虫辺りが描いていそうな話に似ていると思う。
面白いとかつまらないということは抜きとして。

何が足らぬかというか駄目なのかというと蛭田の変化をもたらすコトが
青江や西条由来じゃないところ。厳密に言えば青江という存在が間接的に
影響しているかもしれないが。加えて言えばその変化は不可逆的な結果を
受けてのことで、自らの罪悪感からの逃避や自暴自棄とも考えられなくもない。


山口淑子演ずる声楽家の西条美也子は完全に脇役といっていい。
千石規子演ずる絵画モデルのすみえの方が良い役どころか。

李香蘭こと山口淑子が起用されたのは声楽家という役ゆえか、
というよりも山口淑子を起用したがゆえに声楽家という設定なのだろうか。
千石規子ってどっかで観た人だと思ったら「静かなる決闘」の人か。
「クレージー作戦 くたばれ!無責任」にもおたね役で出ていたらしい。
おたねって何の人だったっけとぐぐったら、頭取の家の女中さんだったw
あれかぁと思い出した(ノ∀`)

wikipediaで蛭田正子役の桂木洋子の項目へのリンクが訪問済みだったので
他に何に出てたっけと見に行ったら「晩春」と「喜びも悲しみも幾歳月」…
はて、何役だったかと更に見ていくと「晩春」は小野寺美佐子……?
ああ、"不潔な"おじさんの再婚相手か(ノ∀`) 最後の方にちょっとだけ出てたなw
「喜びも悲しみも幾歳月」の方はどうかなぁと見に行ったら、藤井たつ子……?
ああ、藤井さんかwww

関係ないけど、役所広司、阿部寛、長瀬智也の男臭い系統は三船敏郎の系譜だな(・∀・)
この映画ではちょっと渡辺篤史を思い出した。


「僕は誓う、来年こそやる、今年なんかもぅ糞食らえだぁ(・∀・)」

大いに同意しました(`・ω・´) ほーたるのひーかり♪

『白痴』を観た

白痴

んーむ、何とも言い難い…(;^ω^)

原作を読んだことがないので、そのテーマやそれをオマージュした部分等がよくわからない。まあでも、たとえ読んでいてその辺のことを理解していても評価はあんまり変わらない気がする。

この映画はよくわからない感じで話が飛ぶんだけども、どうもそれはこの作品が4時間26分の完全版を2時間46分に大幅カットしたものだかららしい。
黒澤明「白痴」完全版はどこにある?

1時間40分も削ったら、変な感じになったとしてもしょうがないかな。
時折、ナレーションですらなく文章で説明してる部分があって「なんだこれはw」と思ったが、こういう理由だったのか。 当たり前のことだが、文章の情報伝達能力の高さが改めてわかったw


森雅之が演ずる亀田欽司を純然たる善人として居るせいか、基本的に子供を除いた他の登場人物達全員がキチ◯ガイっぽいw

一見まともそうに見える綾子も途中の亀田とのやり取りを見てると強度の人格障害か精神障害を患っているように思える。 那須妙子や赤間に比べるとまともではあるけれどもw

まあラストシーン等を考えると善寄りの一般人ポジだったのかな?
やり取りの繰り返しのところが異常なのは脚本通りなんだろうか、それともカットされたからなんだろうか。

赤間は登場時、良い人っぽさそうに見えたけど、やっぱりキ◯チガイだなw
正確に言うと生育過程でおかしくなった強度の人格障害を持つ男か。
イマイチ彼の行動パターンは理解出来ないw
三船敏郎自体はかっこええな(・∀・)
亀田に顔を動かされるシーンで目がちょっと動いちゃったのが残念。
赤間の最後に関しては描かれてないが3時間2分版だとちゃんとあるのか?

紀子こと節っちゃんが…((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
怪演でしたな。目が怖いw
そしてキャラクターがやっぱりキチガイ◯w
これは囲われ者に身を落としてからか。
金で愛人を囲うことは確かに善ではないが、囲われておいて「恥ずかしい淫らなことをして帰って行くの…」って言われても…(´・ω・`)

黒澤明の思想とかよく知らんけど、多少は反戦的なものを妙子に被せていたのだろうか?
話的には妙子の目が銃殺された兵隊の目にそっくりだと言ってるけど。
妙子も時代というか環境に翻弄された存在だし。
後で二人の間を行ったり来たりしてたみたいだけど、そこもカットか?

何気に綾子のお母さん役は嫌な奴と見せかけて、そうでもなくて、でもやっぱ嫌な奴で、でも最後は…っていう悪寄りの一般人ポジかな。 若草物語のおばさんを思い出したw

悪寄り一般人であろう香山がなぜか不憫に思えるのは気の所為だろうかw


亀田が純然たる善人という前提の物語だし、そういったことをテーマにしてないから言っても詮なきことではあろうけれども、なんか善というか良い物の定義がどうも納得がいかない(´・ω・`)

ちょっと言葉が変だが、悪を知り悪を為すことが出来るにも関わらず、それをしないことで善たることが出来るのではないかなぁ。 悪を知らず悪を為すことが出来ない存在は"善"ではなく"無知"なだけで。

欠陥的な"善"は大野や軽部の"悪"を誘発しただけではないかなぁ。


視聴中、ずっと「あれぇ、なんだろう、これ、どっかで観た…(´・ω・`)?」
「いや、なんか似たようなものを観たことがあるなぁ…(´・ω・`)?」と既視感なようなものがあった。途中まで観ていて不意にそれを思い出した。

それは劇中ではなく、これを観る前に見ていた番組表。BSジャパンで蛭子バスやるなぁ → エンクミの四国編観たことないな → 亀田が「ぼく…ぼく…」 → エンクミ…ぼく…?……( ゚Д゚)ピコーンッ! → 「ぼく、せっくす、しってます( ・∀・)」「宗一さんΣ(゚∀゚;)」

そうそう、「安宅家の人々」の宗一さんや(・∀・)

「安宅家の人々」って映画版もあんのか。
宗一さんが船越英二なのかw ちょっと観てみたい。


トムヤムクンとタイカレーが主人公を取り合う「パクチー」という映画があったら観てもいいよ(・∀・)
サイコロを使って金を取り合う「博打」でもいいよ。

『座頭市物語』『東京物語』他を観た

座頭市物語

んー、まあつまらなくはないけど(・∀・)
「きゃー勝新かっこいー」って人向けか。
まあ凄みが利いてて良かったけど。

最後皆殺しにしてくれるのかと期待してたけど、
そんなことはなかった(ノ∀`)

平手造酒役って天知茂だったのかΣ(゚∀゚;)

全26作ってどんだけ人気があったんだろうかw


東京物語

あー楽ちんだ あーのんきだね(・∀・)

長女が酷すぎて笑うw
実際にこんな感じの娘も多いんだろうなぁ。
長男も次男もあれだし。

それに比べて紀子さんと来たら…・゚・(つД`)・゚・
京子もええ子や。

まあでもこんなもんなんだろうな。
人のこと言えた義理でもないしw


小津安二郎って「家族愛万歳∩( ・ω・)∩」「血の絆って良いよね(・∀・)」的
ホームドラマを撮っている人なのかと勝手な先入観を抱いていたけど、
一連の映画を観てきてリアリストでシニカルな視点の人なんかなぁと思った。
劇中で京子の憤りを収めようとする紀子の話や、
周吉が紀子に対して語る話などはまさしくそれを表しているなぁ。

ってぐぐったり、wikipediaを見たら、
そもそも小津安二郎はそういう評価の人らしい(ノ∀`) オレダケカンチガイシテタノカ…

そういえば羽田美智子って微妙に原節子に似てる気がしてきた(・∀・)


阪急電車

映画をやたらめったら適当に観てきて思うようになったことがある。

こういう話を綺麗につなげて良さげなBGMを流して安っぽい感動話を
それなりの役者にやらせて「どうです、良い話でしょ(・∀・)?」って
いう映画こそが本当の糞映画なんじゃないかとw

これ観るなら「弾丸ランナー」や「テケテケ」等の観了後に
「( ´・ω・)エ?」って言いたくなる映画を観る方が遥かにマシだ。

高級な食材を使って適切に調理すれば、それなりに食べられる料理に
なるのは当たり前。それでも不味くしてしまう人間も居るには居るけど。

それなりに演技の出来る俳優を集めて、小奇麗にまとめた安っぽい感動話も
一見、それなりの映画のようにはなるけど、料理と違って心の栄養にもならず、
ただそこに残るのは観た人からひりだされる糞だけではなかろうか。

原作小説の方はもっと違うんだろうか。

まあでも、キャストはかなり有名所が多いから途中までは「~だ(・∀・)」的に
観続けることも出来なくもないが、根本的な話の浅さは如何ともし難いので
他の物を観るか、観ない方が時間を無駄にしなくていいような気もする(ノ∀`)


犬神家の一族

多分子供の頃に観たり、オマージュやパロディで
なんとなくあらすじを知っていたのでその辺に
関しては特に何もない(・∀・)

石坂浩二の金田一を観ていて髪型的に大泉洋の金田一もありかと思ったが、
堺雅人のニヤニヤ金田一の方が妥当だろうか(・∀・)ニヤニヤ

坂口良子が若くて可愛かった。
ちぃちぃが悪い役だった。
島田陽子の乳首が(*´・ω・)
図らずしてまた佳那晃子のおっぱいが(*´・ω・)
佳那晃子は後のリメイクドラマかなんかで梅子をやっているみたいだな。
あら佳那晃子って今大変な状態なのか。

警察署長の橘は東野英治郎かと思ったら加藤武だったか(ノ∀`)
加藤武の「よーしわかった」は確実に間違ってることだけは
よーくわかった(・∀・)

殺害されるシーンというか殺害後の状態が
ほとんどギャグにしか見えなかったw
特に佐智と佐清がw

原作と映画は色々と違うらしい。
こないだの角川の電子書籍半額セールの時に買っとけば良かったなぁ(・∀・)

『大魔神逆襲』『男はつらいよ 望郷篇』他を観た

大魔神逆襲

前作、前前作と異なり、消息不明になった親兄弟を探しにその子弟達が
地獄谷を目指して進む行程がメイン。ガメラが主な視聴者層である
子供達の気を引くためにガメラと仲の良い少年というポジションを
作ったのと似たような流れなんだろうかと思ったら、

シリーズ最終作は「女と男はつまらん、子供が好きやから子供でやらしてくれ」という森一生監督によって、子供たちが主役に据えられ、少年の純真な信仰心が大魔神を動かす。

ということだったようだ。

興収は赤字でシリーズが終焉を迎えた模様(´・ω・`)
まあこのまんまだと広がりようがないもんな、大魔神って。

もしももうちょっと話を作るなら、悪い奴らが悪い魔神や
妖怪の力を借りていて、そのラスボス達と大魔神が戦う形に
しないと駄目だろうなぁ。でもそれだと大魔神のコンセプトが
おかしくなっちゃうか。

幾度も続編が企画されては消え、最終的な収まりどころが
大魔神カノンみたいな改変だったことを考えると、やっぱり
大魔神のコンセプト自体に限界があったんだろうなぁ(´・ω・`)

そう言えば……何処が逆襲だったんだ…( ;・´ω・`)ゴクリッ


男はつらいよ 望郷篇

「新・男はつらいよ」に引き続き寅さん悪くないやんという切ない話(´・ω・`)

前半は機関車ぽっぽが出てきた。
1970年なら北海道で機関車が現役だったのか。

当初は本作でシリーズを完結させる予定で、テレビドラマでさくら役を演じた長山藍子がマドンナとして、団子屋のおばちゃん役を演じた杉山とく子がマドンナの母役、博役を演じた井川比佐志が恋敵を演じるなど、作品を締めくくるため以前のキャストを総動員させたが、本作があまりの人気にシリーズは延長されることになった。

ということらしく、メタ発言が目立った気がするw

マドンナとしては酷い人だったな(ノ∀`)

自らを慕ってくれる登が居るのが救いだろうか。
そういや源公ってそのまま残ったのかなw


大海原を行く渡り鳥

ベースは変わらないけど、悪役とかライバルが違ったなぁ。

ジョーの代わりに出てきたツブテの竜役の藤村有弘って
ひょうたん島のドンガバチョの声の人なんだな。

1982年3月13日、レギュラーパーソナリティーとして出演していた静岡放送の生放送ラジオ番組「東海道それゆけ四時間!!」の放送終了後に糖尿病の悪化で緊急入院し、それからわずか3日後の3月16日に48歳の若さで没した。

糖尿病でそんなに簡単に死ぬのかとぐぐってみたら、

1982年3月16日、糖尿性こん睡の為死亡。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~comefx99/star2.htm#-は行-

糖尿性こん睡ってなんだべ(´・ω・`)?とぐぐってみたら、

糖尿病性昏睡(とうにょうびょうせいこんすい)とは糖尿病の急性合併症であり、一時的に著しい高血糖になることによって昏睡状態となる。体調不良によって平常通りに服薬できなかった場合などに特に起こりやすく、機序によって分類される以下の二つが知られている。

糖尿病性昏睡

うーん、どのパターンかよくわからないけど、
これで死んでしまう場合もあるんだねぇ(´・ω・`)

関係ないけど、この人はゲイだったんか。
今ならともかく大橋巨泉は余計なことをしたんじゃないのかなw?

だから彼が’82年、48歳の若さでこの世を去った時も、真っ先に葬儀に駆けつけた。そしてスピーチの中でボクは、「バンサは彼がゲイである事を隠さなかった。しかし日本にはまだ同性愛者に対する強い偏見がある。だからボクらは今夜、藤村有弘を立派な同性愛者として送ってやりたい」と言った。

第89回人の死に”同性愛者”はふさわしくないのか?日本にはタブーが多すぎる

というくらいに映画について語ることは特にない(ノ∀`)
つまらなくはないけど、パターンが一緒過ぎるから…


彼岸花

小津安二郎の芸術性やらローアングルカメラの撮影手法とかは
ようわからんが、この作品は好きだ(・∀・)

「早春」で高橋貞二、「秋日和」で佐分利信、中村伸郎、北竜二を好きに
なっていたからというのもあるんだろうけれども、色々とニヤニヤしながら
観てしまったw 中でも佐分利信と高橋貞二がお気に入りなので、
この映画は大好物ですわ(・∀・)

( ゚Д゚)ハッ 制作年は「秋日和」より前なのか…でも観る順番としては
こっちが後の方がいいと思った。「秋刀魚の味」はこの映画との順番は
ともかく、制作年通りに「秋日和」の後に観る方がいいと思うけど。

佐々木幸子役の山本富士子は外見どうこうよりもえらく
関西弁が綺麗な感じなのが印象に残った。
wikipediaに書かれてることなのでどこまで信ぴょう性があるのか
わからないが、美人故に不運に見舞われた人なんかねぇ(´・ω・`)

節子役の有馬稲子は相変わらず可愛かった。
清子役の田中絹代は良い味出してた。

途中の同窓会シーンで笠智衆演じる三上が楠木正行の辞世の句か
なんかを吟じていたが、全く内容がわからなかった(ノ∀`)
そもそも詩吟でどういうんだっけか…

詩吟(しぎん)は、日本の伝統芸能の一つ。漢詩や和歌などを独特の節回しで吟ずる(歌う)。吟詠(ぎんえい)、吟道(ぎんどう)とも。

詩吟

あーそういうのか(・∀・)

まあ何はともあれこの映画は楽しめた。


秋刀魚の味

中村伸郎、北竜二は出てたけど佐分利信が居なかった(´・ω・`)
代わりというわけではないが東野英治郎や岸田今日子など、
知っている俳優が出てきてたなぁ。娘役も岩下志麻だし…。

「彼岸花」ほどではなかったけど、これも良かったかな(・∀・)
ラストは「晩春」と被っているかな。まあこれは珍しく息子が居て
完全な一人にはなっていないけども。

順序が逆だけど、この映画の佐田啓二が中井貴一そっくりなシーンが
度々あって「親子だなぁ…(・∀・)」と一人感心してしまったw

笠智衆を岸田今日子のBAR ACE?に連れて行く自動車整備工?役の
加東大介ってどっかで観たなぁと思ったら「早春」の時に池部良の
部屋に来た戦友二人のうちの一人か。

これが小津安二郎の遺作になったのか(´・ω・`)

全然関係ないけど、エロ神の怨霊って観てみたかったなw
脚本もフィルムも残ってないから無理みたいだけども…