カテゴリー: 映画

『ひとごろし』を観た

ひとご

越前福井藩きっての臆病者といわれている若侍双子六兵衛が突如、誰も引き受け手のない「上意討ち」を買って出た。相手は藩主が可愛がっていた御側小姓加納平兵衛を意趣あって斬り、退藩した藩のお抱え武芸者仁藤昂軒で、剣術と槍の名人であった。六兵衛には、もちろん剣の腕はあるはずもない。ある夏の日、妹かねのとめるのもきかず六兵衛は、太陽の照りつける北国路を昂軒を追って旅に出た。

ひとごろし

日本のクラシックジャンルはほぼ観終わったので、何観ようかなと適当に選んでみた。
まあこれも年代的にはもはやクラシックに近いけどw

双子六兵衛を演じているのは松田優作、仁藤昂軒は丹波哲郎。
タイトルと出演俳優からして凄く濃い男の対決ものかと思いきや違った(ノ∀`)
コメディ時代劇と言ってもいいかな。

観ている途中で、この話は読んだことはないけどおおまかなあらすじを
知っていることに気づいた。これ山本周五郎の小説だな。
まあ話のすじはなんとなくわかっていても二人の演技とコミカルな音楽や
かっこいいカメラワークで最後まで楽しめた(・∀・)

六兵衛が自己弁護ではなく「臆病さ」を受け入れて生き抜いていけることは
或る意味で強いとも言えるけど、最後はなんか開始当初のキャラとは全くの
別人のような気がしないでもないw リア充モードになったからだろうか( ・´ω・`)モゲロ


ラストの唐突な終わり方に不満を持つ人も居るみたいだけども、別段気にならなかった。
古い映画を観続けてきて思うのは最近の映画は過剰に後日譚をやりすぎていたり、
綺麗にまとめようとしすぎだということ。どのくらいの塩梅がいいとは断言は出来ないが、
本当に完成度が高い複雑で緻密な作品ならともかく、そうでないのであれば、見せ場や
訴えたいテーマを表現した後は、他のことはバーンッと投げ捨てて終わってくれた方が
思い切りが良くて良い(・∀・) まあそれ行き過ぎると「雑」とか「余韻がない」とか
「わけがわからない」いう評価になるわけで何とも難しいところではあるが。

原作では後日譚もあったんだろうか。機会があったら読んでみようかな。


「Gメン'75」もあんまり観たことがなかったので晩年近い頃の丹波哲郎しか
知らなかったが、この頃の丹波哲郎はかっこええな(・∀・)
「必殺仕掛人」の森次晃嗣のネタとちょっとかぶってしまうがワラタw

『人間革命』出演後、創価学会の大会に招待された際、創価学会の活動をさかんに顕揚する講演をした後で「南無阿弥陀仏」としめくくり、場内を騒然とさせた。丹波は著書に、自分のオッチョコチョイな性格を示す逸話として、この失敗談を載せている。

丹波哲郎

そういやこの人「大霊界」とかいう映画を撮ったりしてたな。

それほど松田優作の出演作を観ているわけではないが、観た限りでは、
この松田優作は最弱にして最も情けない役かもしれないw
故に最後が良くなるのかなぁと思える(・∀・)


これって話の作りがシンプルで面白いからリメイクしやすそう。

或いは現代風にリメイクして
大学4年間尽くしたのに、手酷い扱いの挙句にボロ雑巾のように捨てられた女性が
元彼氏の就職先やその後の転職先、生活圏内で「あの男は幼児性愛者だ」という
噂を立てて破滅に追い込む「りこん」

とか

ある男に惚れたストーカー女がその就職先やその後の転職先、生活圏内で
「あの男は酷い男だ」「ギャンブル狂いだ」「アルコール依存症だ」「薬物依存症だ」
「前科者だ」「強姦魔だ」という噂を立てて破滅に追い込み、社会復帰出来なくなった
男を自らの家で飼う「くでなし」

とかどうだろうかと思ったが、それは最早元ネタの欠片も残ってないサスペンスだな
((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル


この映画は実は2回目の映画化で最初の映画化は「初笑いびっくり武士道」という
タイトルでコント55号がやっていたらしい。そっちも観てみたい(・∀・)

『必殺仕掛人』を観た

必殺仕掛人

テレビシリーズの大人気を受けて制作された劇場版仕掛人第1作。各種設定はテレビシリーズを元にしている。注目点は主人公2名、梅安と左内のキャストが変更されていることで、梅安は田宮二郎、左内を高橋幸治が演じている。半右衛門はテレビ版と同じく山村聡が演じた。原作「おんなごろし」と短編「梅雨の湯豆腐」をミックスしたストーリー。

仕事人系の映画だから大したことないだろうと思って侮って観たら、よく出来てた(ノ∀`)
まあストーリーの作り自体は普通なんだけども、メイン俳優陣の演技もさることながら、
テーマソングやカメラのカットがかっこええ(・∀・)


仕掛人の三人の弟分・岬の千蔵を秋野太作が演じてた。
寅さんでも弟分だったしな。この頃はそういうポジションだったんだな。

三の松の平十の息子・為吉を森次晃嗣が演じてた。
この映画が1973年ということは森次晃嗣はウルトラセブンの五年後かって
森次晃嗣の項目を見てたら、「必殺仕掛人」の下に「人間革命」Σ(゚∀゚;)
うぇ、創価学会のあれか…('A`) まあこれに出演してたからといって
学会員であるとは限らないだろうが結構な俳優陣が出てるな。
幸福の科学のアニメみたいなことを実写でやってたんだなw
ってよくよく読み進めてみると、これアニメ版もあるのかw
そういや石井いさみだかの漫画がebookjapanにあったな。

他に知っている人居るかなとキャストを眺めていて気づいた。
お吉って野際陽子かよ…Σ(゚∀゚;)
全く気づかなかったわ。
そういや梅安も気づかなかったな(・∀・)
とネタバレを含むボケを一つ。


|ω・`;)。oO(wikipediaを見るまで音羽屋半右衛門が伊吹吾郎だと思ってたのは内緒…)

伊吹吾郎ってこんな昔からこんな外見でこんな役をやっていたんだと思って観てたけど、
山村聰だったとは…( ;・´ω・`)ゴクリッ

東京物語、早春、東京暮色にも出てたのか。。
東京物語では笠智衆の長男のお医者さん役、早春では仲人の小野寺、
東京暮色では笠智衆の同級生Σ(゚∀゚;) 
秋津温泉にも出てたみたいだけども覚えてないなぁ

まだあと二本あるみたいだから観ようかな(・∀・)

『地獄甲子園』を観た

地獄甲子園

漫画原作だからどうせあれだなぁ(・∀・)と思いつつ観始めた。
結果から言うとなんじゃこりゃあって感じなのだが、どうも原作漫画自体が
そういう感じの内容らしい。途中まで違う漫画の映画化だと思って見てた(ノ∀`)
wikipedia見て知ったけど、これ漫☆画太郎の漫画かw 
じゃあこんな感じの映画になってもしょうがないw

俳優の演技とかストーリーについて語るのは時間の無駄だと思う。
全編ギャグだが、バイオレンスと言えばバイオレンスなので、嫌いな人には向かない。
そもそもこれは原作を知らないなら観なくていいんじゃないかなw
合う人は笑えないこともないけどそうでないときつい。

主人公・野球十兵衛の父親役が蛭子能収だったw 相変わらずのちょい役だったけど。
十兵衛を演じていた坂口拓は他に何に出てるのかと思ったら、今年の3月に引退してたw
※2021/08/08追記 wikipediaの項目にあるように"2014年5月にTAK∴として復帰"し、その後も精力的に活動してる模様。

何処かで見たことあると思ったら「魁!男塾」の映画に出てた人か。
あの映画はどうだったんだろうか。

石川県出身の日本の元俳優、アクションコーディネーター、映画監督。身長175cm。血液型はA型。
八極拳、少林寺拳法、ボクシング、キックボクシング、ムエタイ、総合格闘技などあらゆる格闘技に精通し、現代殺陣や時代殺陣もこなす。

なんかアクション監督とかをやってた人なんかな。
高橋克典のやっていた特命係長只野仁の跡を継げそうな感じだった。


ちなみに俺氏が勘違いしていた漫画のタイトルは「逆境ナイン」( ・´ω・`) コチラモミドク…

『羅生門』を観た

羅生門 (1950年の映画)

結構面白かった(・∀・)
絶賛にならないのは最後の坊さんがなんで信じたのかなというモヤモヤと
俺氏が元々芥川龍之介が好きで「藪の中」や「羅生門」を知っていて、
期待値が上がってしまっていたがゆえである。

まあ新たに杣売りと坊さんを追加して、上記二作を組み合わせて新しい
テーマを付与したところは面白いなぁとは思った。原作を新しい層で
ラップすることによって新しいテーマを付与するという手法は今でこそ
それなりにあるとは思うけど、この当時では斬新だったろうな(・∀・)

でも最後は適当に付け足したように思えなくもないw
上記の部分に比べると整合性というか関係性が薄いような。
まあ最後の部分がないと話がしまらないから蛇足とは言わないが。

あと最初の杣売りの話で山を歩いていくシーンとか皆の証言で冗長なシーンが
あって、もうちょっとカットしてもいいんじゃないかと思ったり思わなかったり。
最後の証言のgdgdも長かったなぁ(・∀・)

杣売りって何かと思ったが

(そま)とは、

  • 古代・中世の日本で国家・権門が所有した山林のこと。
  • 上記の杣から伐り出された木のこと。
  • 上記の杣において働いている人のこと。近世・近代の日本では転じて林業従事者一般の意味で用いられるようになった。

ということだから、まあ薪売りと考えていいか。


やっぱり三船敏郎はかっこええなと言わざるを得ない(・∀・)
まあ男臭いカッコよさなので現代女性に好まれるかどうかはわからんが。
リメイクするなら役所広司(自転車に乗ってない方)か阿部寛か長瀬智也辺りだな。

杣売りは志村喬か。
「白痴」の大野、「醜聞」の蛭田となんかいつも微妙なポジションの役をやっているな。
「静かなる決闘」の藤崎パパはまだ良い役だったのか。

金沢武弘を演じている森雅之は美形だけど知らないな。
真砂を演じている京マチ子も知らないような。
色々出ているけど、俺氏の産まれる前の作品ばっかりだからわからないな。
…などと寝ぼけた事思いながらWikipediaの森雅之の項目を眺めていると

『虎の尾を踏む男達』『續姿三四郎』『羅生門』『白痴』『悪い奴ほどよく眠る』など、黒澤明の映画作品に欠かせない演技派二枚目俳優でもあった。

とある。
「白痴に出てたのかぁ、何役だっけ(・∀・)?」と「白痴」の項目を見に行って思い出した。
主役の亀田欽司じゃないか_| ̄|○ マッタクキガツカナカッタ…

本間文子演じる巫女がなんか怖かったで((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル


本作の完成時、世間の評価もぱっとせず、大映社長(当時)の永田雅一も、「この映画はわけがわからん」と批判していた。しかし本作がヴェネツィアに出品されてグランプリを受賞すると、永田は一転してこれを自分の手柄のように語った。黒澤は後年このことを回想し、「まるで『羅生門』の映画そのものだ」と評している[1]。

まあなんていうか、人間そんなもんだよね(・∀・)