カテゴリー: 感想

『ケイゾク』を観た

ケイゾク

『ケイゾク』は、TBS系列で1999年1月8日から3月19日まで、金曜ドラマ枠(毎週金曜日22:00 - 22:54、JST)で放送された日本のテレビドラマ(全11話・特別編1話)。2000年には劇場版作品『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』が公開されている。

(中略)

“ケイゾク”と呼ばれる、迷宮入りした事件を担当する警視庁捜査一課弐係(架空の部署)に配属された、東大卒のキャリア警察官僚・柴田純と、元公安の叩き上げ刑事・真山徹が難事件を解決していくミステリードラマ。

いつかは観ようと思っていたが、TBSの作品だし、そんなに無理して観たくもないなと
放置してきたが、huluで配信されていたので観てみた。


中谷美紀や松嶋菜々子、松たか子のように頬骨が突き出ているようなホンコン顔は
好きではないので中谷美紀がキレイだと言われても、んー(´・ω・`)?という反応
しか出来なかったが、このドラマでの中谷美紀は可愛いと思う。まあそれでも
やっぱりちょっと頬骨が残念だったなぁ。

顔云々の話はおいておいて、演技力は申し分ない。天然キャラの柴田を演じきって
いたからか、観ていて開始数分で話に入り込めた。まあこれは鈴木紗理奈以外は
きちんとした俳優陣だったからというのもあるだろうけれども、何にしてもうまかった。

渡部篤郎というと「幸福の王子」の糞野郎役か「白夜行」の糞野郎役しか知らないので
その辺と比べると真山は随分とまともなキャラに見えた。十分病んではいたけれどもw

この柴田と真山のコンビが後の「TRICK」シリーズの山田と上田へと発展したんだろうか。

中谷美紀と渡部篤郎って確か不倫関係でどうとか騒がれたんじゃなかったっけと
ぐぐったら、リカコとは離婚して未だに付き合ってるけど結婚してないというか
事実婚状態なのか。10年もそんな状態ならずっとそのままかね。


同僚役の近藤昭男(徳井優)と谷口剛(長江英和)を観て、( ゚Д゚)ハッとなる。
TRICK2のエピソード1「六墓村」に出てくる議員とその秘書やないか(・∀・)
あれはこのドラマからの流れでのキャスティングだったのか。

鈴木紗理奈はたまにとちりそうになっていて危うかったけど許容範囲内か。
竜雷太や野口五郎はまあ普通。泉谷しげるもいつもの"泉谷しげる"的キャラ設定で普通。
ポジション的には美味しい役だったな。

斑目役の村井克行という人はそれなりに出演ドラマがあるのに全く観たことがない人だな。
榎木孝明の「密命 寒月霞斬り」の第一話に出ていたらしいが全く覚えてないw


主題歌の「クロニック・ラヴ」は

坂本龍一プロデュース。楽曲自体は坂本のアルバム『未来派野郎』に収録されている「Ballet Mechanique」を改作したもの。岡田有希子の「WONDER TRIP LOVER」のカバー曲でもある。英詞であったものに中谷美紀が日本語詞を書いた。

ということらしい。中々いい感じはあるけど、この頃はまだ女優のマルチタレント化を
推し進めようとしていたのだろうか。そもそも中谷美紀って何の出身なんだろう?

TRICKと比べると話の構成はこちらの方がきちんとしていてドラマとしての体は
整っている感じ。但し、その所為なのか、登場キャラクターにそれ程インパクトが
あるわけでもなく、個々の事件の犯人やその使用したトリックが結構平凡だったり
無理があったりする感じなのであんまり引き込まれる感じはしない。
これはこのドラマが十数年前のものであり、このドラマを参考にしたりした、TRICKの
ような他のより新しいドラマを観ているが故の物足りなさに起因するのかもしれない。

個々の話のパターンは、
出勤途中の柴田が受験生等の問題に首を突っ込んでバスを降り損ねたりする→
2係の面々が暇そうにしていて、木戸(鈴木紗理奈)が「柴田どうしたー」→
柴田来る→婦警さんが今日の相談者→なんやかんやで「犯人わかっちゃったんですけど」→
もっともらしそうなことを犯人が言う→真山が「本当は~なんじゃねぇか」と罵る→
犯人、捨て台詞→おしまい(´・ω・`) ナンカ、アトアジワルイ

これに真山の妹ネタというか朝倉ネタが挿入される感じ。8話までは一応個別案件で
上記のようなパターン。9話からは朝倉絡みだったかな。厳密に言うと8話からか?

この朝倉裕人というキャラが問題があるというかスーパーチート過ぎて、比較的
リアル路線系のこのドラマでは浮いてしまっているような気がしないでもない。
続編であるSPECやTRICKのように能力者の存在を明示的また暗黙的に認めている
ドラマならば朝倉という存在は問題ないのだけれども、このドラマの中では
ちょっと無理があるかなぁと言った感じ。これが更に映画になると何がなんだか
という感じになってくるw 自分は難しく考えるのが面倒くさいので、この
連続ドラマ版では話を成立させるための悪の超人的快楽殺人者として受け入れたw

朝倉を演じていた高木将大って人はwikipediaに項目がないので他に何やってんだろと
ぐぐってみた。取り敢えずウィーズカンパニーという事務所には今は居ないのかな?
高木将大 | ORICON STYLE
http://tvtopic.goo.ne.jp/cast/cid/18880/0/0/4.html

一昨年、去年と土ワイには出ているので引退はしてないんだな。

脚本の西荻弓絵という人は他に何を書いてるのかなと思ったら、「SPEC」もこの人なのか。
「安堂ロイド」もかw 観てないけどどうだったんだろうか、アレは。


連続ドラマ版の「ケイゾク」に対して言えることは、スーパーチートな朝倉の存在を
受け入れられるかどうかにかかってくるだろうw それさえ受け入れられるならば、
普通のちょっと易しい推理物ドラマという感覚で楽しめると思う(・∀・)

『南極物語』を観た

南極物語

小学生低学年くらいに一度観た。
PTAからタダ券だが半額券みたいなのを貰ったんだったか…
その時に友達と「あのシーンはセットだったよね(・∀・)」とか
無邪気に言い合っていた記憶がある。多分オーロラと犬が死ぬ
シーンだったと思う。それ以外の感想は全く覚えていない(ノ∀`)


さて30年ぶりに改めて観て思ったが…
これは今更観なくてもいいだろ(・∀・)

30年前なら貴重な南極大陸の映像だけど、今だったらライブカメラなり自然系番組で
簡単に観ることが出来てしまうのでその部分での加点はない。

ストーリーは犬を置き去りにしていかなければならなかった人間側の物語と
南極に残された犬達のサバイバル物語で構成されるが、結局のところ、
後者の部分はただの勝手な創作であってそれを見せられても正直困るw
最後の最後で死ぬ犬なんかは余りにもご都合主義に思えて、
「ポセイドン・アドベンチャー」のおねーちゃんを思い出してしまったよ(ノ∀`)
まだ「銀牙 -流れ星 銀-」みたいに犬が人間のように会話してくれた方が良かったw

日本に帰った人間側の話もなんだかなぁ。
渡瀬恒彦は夏目雅子とイチャイチャしてるだけのように見えるしw

まだ「ハチ公物語」の方がマシかな。
あっちも美談化されすぎて鼻白むがこの映画に比べたら遥かに良い。

喫茶店のマスターが岸田森で第2次越冬隊員の片方が佐藤浩市だったらしいが
よく覚えていない。高倉健がお詫び行脚で行った先の姉妹の姉のほうが
荻野目慶子だったらしいが、これまたよく覚えていないw

多分二時間半弱を費やしてこの映画を観るよりもタロとジロのエントリに目を通し、
そこで興味を引いたことを調べる方がきっと有意義だな(・∀・)


この映画をハリウッドでリメイクしたら、きっと火星有人探査隊に動物実験の為に
連れて行かれた犬が、異常な宇宙線が一時的に発生した際に火星上に置いて行かれて、
モンスター化して戻ってきた探査隊員達と死闘を繰り広げる展開になるんだろうな(・∀・)

更にそれを日本が再リメイクすると、タロとジロを可愛がっていた美少女隊員が居て、
モンスター化したリキ達に襲われそうになったところをタロ・ジロに助けられて
タロ・ジロvsリキ率いるその他の犬っていう展開になるんだろうな(・∀・)

なんてくだらないことを考えていたが、「南極物語」って既に普通に
ハリウッド・リメイクされているんだなw 知らなかった(ノ∀`)

『武士の家計簿』を観た

武士の家計簿

江戸時代後半。御算用者(会計処理の専門家)として、代々加賀藩の財政に関わってきた猪山家。八代目の直之(堺雅人)は、生来の天才的な数学感覚もあって働きを認められ、めきめきと頭角をあらわす。

微妙というか微妙過ぎる(´・ω・`)
正直つまらなかった。

直之(堺雅人)が猪山家の借金を知り、緊縮財政に取り組む辺りは
面白くなりそうな雰囲気があったが、それも長続きせず、
なんだかなぁという展開になった。 ヽ( ・∀・)ノタイジャタイジャ

四文銭探しの雨降りもわざとらしい設定だったなぁ。

元々時代劇として撮ろうとしてないのだろうけれども、なんちゃって
時代劇感が酷くてこれまた観ていてなんだかなぁという感じになった。

特に仲間由紀恵が酷いw トリックとかごくせんみたいなはっちゃけ
キャラ以外は駄目なのかなぁ、この人。松坂慶子もアレな感じ。
この人は或る程度歳を取ってからは一本調子の演技しかしなくなっているので
期待はしてなかったけど。

仲間由紀恵と松坂慶子の嫁姑役共演というと「エラいところに嫁いでしまった!」を
思い出す。あの時の仲間由紀恵の役は山田奈緒子風味だからそれなりに観られた
けれども、松坂慶子はもう一本調子の状態だったような気がする。

まあ中村雅俊も草笛光子も下手ななんちゃって時代劇風演技だったから
そういう演出なのかもなぁ…でも仲間由紀恵はちょっと突出してたな。

クヒオ大佐」以上に堺雅人の無駄遣いじゃないかなと思ったw


話の作りは猪山成之(伊藤祐輝)が父・直之の一生を回顧する感じ。

直之の人物像が随分とアヤフヤだったので全編を通して何がしたかったのか
よくわからないとまではいかないが、それはこの形で表現出来てるの?的疑問を
観終わった後に感じる。直之の人物像は

  • 先見の明があって算盤を選んだわけでもなく、算用者の家に生まれた故に算盤をやっただけ。
  • 文武両道に優れていて尚算盤を極めたわけではなく、他に選択肢がなかった故の算盤バカ。
  • 全てにおいてきっちりしているのかと思えば駒に買ってやった櫛は見逃す。砂糖は子につながるものと考えれば理解できなくもないが。
  • 自らがスパルタ教育で育てられたわけでもないのに成之には理不尽なスパルタ。
  • 上司の不正を知りつつも、父の職や猪山家の為にスルーするわりに成之は"さだめ"みたいな一言で片付ける。
  • 偶然の発覚がなければ成功体験もなく上司の不正を見逃す正義も主君への忠誠心もない。

と言った感じだったので、一体何を大事にしてたのかよく分からないw

融通の効かない算盤しかなかった人がたまたま算盤による成功体験を得て、
守株が如く子供にそれを叩き込み、その子がこれまたたまたま政治的動乱で
職に就いて出世しただけの話と言っても特に問題ないかなぁ(・∀・)


なんか凄く合わない映画だなぁ(´・ω・`)と思って観てたがエンドロールを観て納得した。
監督は森田芳光だった(ノ∀`) 直之は劇中で"帳尻合わせ"を嫌っていたけど、森田芳光の
作品ってなんか適当に有名どころの俳優を器用して適当に尺を埋めてなんとなく映画
みたいなもんが出来ましたよっていう感じの"帳尻合わせ"の結果みたいなイメージが
あるけど、何か自戒的な思いを込めていたのであろうか?

原作というか原案はノンフィクションの本らしいからそっちを読んだ方が良かったかな。

『最後の忠臣蔵』を観た

最後の忠臣蔵

元禄赤穂事件から16年。赤穂浪士の生き残り・寺坂吉右衛門は大石内蔵助から「事件の真実を後世に伝え、浪士の遺族を援助せよ」との命を受け、ようやく最後の遺族を探し出したことで浪士の十七回忌法要が行なわれる京へと向かう。その道すがら、寺坂はかつての盟友・瀬尾孫左衛門と再会する。討ち入り直前に逃亡した瀬尾だが、実は彼にもある目的があった。

忠臣蔵そのものはそれほど好きではないけど、「或日の大石内蔵助」みたいな
作品が好きな俺氏向きの内容だった(・∀・)

吉右衛門(佐藤浩市)は辛い命を受けたなぁと思って観ていたが、
孫左衛門(役所広司)も辛かったろうなぁ(´・ω・`)
つーか、ふざけんな大石内蔵助ヽ(`Д´)ノ

前半はなんか可音(かね・桜庭ななみ)と孫左(まござ)の恋愛物っぽくって
観るの止めようかと思ったが、吉右(きちえ)と孫左が再会した辺りから
ちょっと面白くなった。

動揺を隠せなくなってから橋の下に居る時辺りまでの孫左の表情が
何とも言えない味があり、主君の命を受けて生き延びざるを得なかった
哀しき二人の会話に涙を誘われる。・゚・(ノД`)・゚・。


可音役の桜庭ななみは頑張ってたと思った(・∀・)
なんかのドラマで観たと思ったら、恋して悪魔〜ヴァンパイア☆ボーイ〜かw
さかなくん似のジャニーズの子と堀内敬子と伊東四朗とマッチ棒さんが
出てたドラマだな。あれはつまらなかった記憶がある(ノ∀`)
テレ東のリミットの主役もやってたか。あれもドラマ自体がどうも…
今のところ代表作は「三菱地所を、見に行こう。」ということで(・∀・)

この作品の山本耕史はなんかいやらしい感じがしたw
伊武雅刀と田中邦衛も出てたな。田中邦衛はなんだかもう弱々しかった(´・ω・`)


話の転換点で挿入されている人形浄瑠璃の演目は曽根崎心中らしいが
詳しい内容は知らない。心中物ということだから男女の色恋沙汰の話
なのだろうけど、この映画でかぶせる部分はやはり可音と孫左ということか。

ラストの孫左の行動は予想されていたことではあったけれども、
その理由は何かというところで判断に苦しむところではある。
単純に忠義立てとも言えるがそうであるのであれば、あの人形浄瑠璃は
何だったのであろうかと。強引だが或る意味で結ばれる相手を
制度的に殺したと解釈出来なくもないから心中と言えなくもないし、
そちらの使命を果たしたからこその行為とも言える。

単純に考えるとあのラストだから「"最後の"忠臣蔵」なのかと思えてしまうが、
孫左は大石家の用人なのでそれは違うのだと思う。言葉遊びになってしまうが
"討ち入り"行列に参加出来ず、"嫁入り"行列を主導する、つまり孫左にとっての
可音の嫁入りとは大石内蔵助にとっての吉良邸への討ち入りであり、己の主君の
命を果たす「"最後の"忠臣蔵」なのではないか。

もっと言えば「"もうひとつの"忠臣蔵」と呼ぶべきものなのかもしれない。

ラストシーンはあそこまでがっつりやる必要があったのであろうか?
吉右が家に入って行くシーンを外から撮って吉右の慟哭とかで終わっても
良かったんじゃないかな。まあ映画だから映像で見せろと言われれば
そうなんだけれども。


結構出来は良かったとは思うけど、間延びするところも多々あり、
素養なき我が身には人形浄瑠璃の語りがラリホーの呪文のように
眠りにいざなおうとしたりしたので、最終的にはまあまあという
評価になってしまった(ノ∀`) 決して悪くはない。