日野日出志の代表作とも言える「蔵六の奇病」。体中が吹き出物だらけになる不思議な奇病にかかり、住んでいる村から追い出されてしまった主人公の蔵六。森の外れに隔離された蔵六は、自らの体から吹き出る7色の膿を使って絵を描き始める。果たして蔵六の描く絵とは?そして読者を待ち受ける壮絶なストーリーとは?39ページの作品を1年かけて何度も描き直し、納得のいったところで再デビューを果たした最高傑作。
死期のせまった動物があつまるふしぎな沼の近くに住む蔵六という百姓が奇病にかかる。
まあ話はしっかりとした感じですけど、いつものパティーンですわ…( ゜σ・゚)ホジホジ
って程度に単純に読み流していたが、どうも作者自身にとって最高傑作らしい。
16年前の5ちゃんのスレのレスで
912 :愛蔵版名無しさん:2006/06/11(日) 22:53:02 ID:???
蔵六って亀の別名でしょ913 :目が飛び出る:2006/06/11(日) 23:17:08 ID:T7zAGqIa
↑そういえば千葉に蔵六餅とかいう亀の形した最中があるな。
するとあれは印旛沼か?
村田蔵六も無関係じゃないのか?
2ちゃんねるでこんなに高尚な話をしていいのか?
日野日出志について語るスレ
というのがあって、ググってみて、蔵六が亀の別名と初めて知ったわ(・∀・)
無理のある解釈ではあるだろうけれども、才能はあるが周りにいる一般の人々には認められず、創作に心を奪われ普通の労働につこうともせず、胡散臭い、或いは鼻につく言葉のみを吐き続けた芸術家が次第に社会から孤立し、最後には憎まれて放逐されてしまう話のように考えられないこともないなぁと思ったり。そしてその芸術家とは他ならぬ日野日出志自身を指しているとか。
日野日出志作品のパターンの一つに、ある日、奇病にかかったり、謎の変異に襲われて人外の存在になったものが、最後、社会での居場所の無さ、人間からの攻撃によって海や闇に帰るというか消えていくというのがあるけれども、案外、同じように上のような捉え方もできなくもないかなぁ… 表層的にはただの醜悪な絵の、残忍なお話だけども(・∀・)
※別のことを調べようとして、インタビューをぐぐっていたら、なんかあった。
全部は読んでないけども、色々と興味深い。他の部分はともかく"蔵六=日野日出志"というのは当たりらしい。
猫蔵による日野日出志氏へのインタビュー
猫蔵による日野日出志氏へのインタビュー(2)
蔵六に関するやり取り
- 猫蔵 『蔵六』に関する質問なんですが、作品中、モノローグ部分の声の主は、いったい誰として、先生は意識されたんでしょうか。僕の場合、主人公・蔵六を、過去の自分になぞらえて読んだのですが、その際、モノローグの部分は、過去の自分を見つめている、現在の自分の、内心の声のようにも思えたんですが。
- 日野 蔵六とは、僕なんですよ。だけど、蔵六という名前で、あの時代の民話風にやっている限りにおいては、日野日出志ではない。でも、間違いなく自分の分身。自分の心象風景を描いた作品なんです。当然、「私は」という一人称にはなれない。蔵六は、当然、言葉をしゃべれないから、彼が言っているわけでもない。余りにも言葉をしゃべらないので、蔵六の心を、誰かが説明してあげるしかなかった。絵を描きたいんだよ、色を使いたいんだよ、って。
- 猫蔵 その不思議な語り手が、効果として、厚みをもたせたと思うんです。
- 日野 読み手が、どう受け取るかだよね。『蔵六』のラストシーンについて、蔵六が化け物になって、村人に復讐すべきだった、という意見があるけど、僕は違う。それをやってしまったら、蔵六は創作者ではなくなってしまうから。彼は、そういうエネルギーは一切ないんです。社会を恨むとかね。ただひたすら絵を描きたい。それだけを、僕は表現したかった。亀に変身するというのは、そういう蔵六の想いに対する、せめてもの神の救い。死にゆく蔵六の、創作への想いを、七色の亀というかたちに変えさせてくれた。そして、蔵六は眠り沼に入り、永遠の安らぎをえる。僕はそうしたかったね。今の自分が、『蔵六』を描いたらどうなるんだろ?ふっ、とそういう誘惑に駆られることはあるね。ただ、描いた当時の、自分の心象風景が、いまあるかと聞かれれば、全然ないね。あれは、自分がプロ漫画家として生きるかどうか、っていう瀬戸際の時だから。自分の過去をなぞってもしょうがない。技術的には今のほうが上をいっているだろうけど。亀になるって発想、『蔵六の奇病』ってタイトルにヒントがあるの。蔵六って、古語で亀のことなんだ。両手、両足、首、しっぽが、甲羅の中に納まるっていう意味らしい。実は、蔵六が亀に変身するアイディア、最初はなかったの。最初に名前ありきなの。白土三平の『忍者武芸帖』のなかに、蔵六って忍者がでてくるの。危機が近づくと、手足をひっこめたりする。蔵六っていう、言葉の響きが好きでね。亀だという意味は知らなかった。そのとき考えていた作品のアイディアとして、温めておいた。そして、先に、『蔵六の奇病』っていうタイトルをつけた。その後、なんとなく気になって、辞書調べたら、載ってるのよ(笑)そこからね、亀に変身というアイディアが生まれたの。それまでは、ラストも決まっていなかったし。いくつかの偶然が重なって。
百貫目:
野盗に父母を殺された十人兄弟が自らも野盗となり、飢えに苦しみながらも生き抜く物語。
うーん、これは珍しいオチかもしれないw
良い話とは思わないけど良い話エンド…?
いい写真を撮ろうと山深い小さな村に訪れた写真家が一晩の宿を求めて入る。家に居たのは猫と小さな女の子。親が帰るまでと彼女が語った伝説とは…
これ、前に買ったやつに収録されてた話だな…
まあ嫌いではないw
町の小学校に転校した鯰太郎は心身共に弱い少年で、毎日のように悪ガキ達にいじめられていた。そんなある日、ナマズの神様が棲むというナマズ沼に訪れて、心身共に強くなるように願う。
まあいい話っちゃいい話w
これも別のやつに収録されてた話。
鯉好きの城主の命を受けて、人魚を捕らえに行った陣内という侍の話。
この陣内って他の漫画にも出てきた九鬼陣内かな。まあ別キャラ扱いなんだろうけど。
これも別のやつに収録されてた話。
私の名は日野日出志。怪奇と恐怖にとりつかれたまんが家である、、、から始まる作者の告白的作品。自伝とも夢想とも言える形式の中で怪奇と猟奇が集約された傑作。(中略)
その他「蝶の家」「七色の毒蜘蛛」「白い世界」「博士の地下室」「どろ人形」などの傑作揃いの1冊。1971年初版時の表紙を可能な限り再現した記念版です。初版本の表紙でコレクションしよう!
地獄の子守唄(ひばり書房、1977年6月30日)
amazonの説明文、めっちゃネタバレしてるんだけど、どんな馬鹿が書いたんだろうか(´・ω・`) この手の漫画再販をやっている会社の外注とかなんだろうか…?
蝶が大好きな少年・一男は、船長である父が海外から持ち帰る蝶のお土産をいつも心待ちにしていた。
本当かどうか知らないけど、5chのスレでなんか日野日出志は母親との確執(母親への憎悪(?))みたいなのがあったとかどうとか書いてあったような気がするんだけど、作品の多くで、なんか母親への愛着と憎悪みたいなのを感じたりする気がする。これもそのパティーンかな?
※尚、“幻の作家”日野日出志氏 恐ろしい作品世界描くその素顔とはという記事では
取材では、ここ20年画業をセーブしていた理由も聞いた。さまざまな思いが絡み合ってのことだったが、印象的なのはホラー漫画を描く苦悩。最愛の母ら親族の死が続き「描くことに疲れていた」という。「母親は漫画の中で死なせていますしね」と、代表作の1つ「地獄の子守唄」で描いたフィクションが心に引っ掛かっているようでもあった。
ともあるのでどうなんだろうか。何はともあれ、日野日出志自体の実際はともかく、作品内で母へ強い思慕を抱いたり、愛に飢えているキャラは男女問わず多い。
最近、背中がチクチクと痛む漫画家が自分や家族についての記憶の糸を手繰る…
美しい動物の新種を作る研究に没頭する博士と出産を控えた美しい妻の話。
さまざまな公害によって障害を負った少年少女達は工場に囲まれた空き地で泥人形を作り、自らの怒りをぶつける…
"怨念の漫画家が現代の悪を告発する!"という煽り文句があるように、やはり日野日出志作品の根底に公害風刺の感じもあったのかな? それともただ単に当時の風潮に乗っかっただけなんだろうか?
日野日出志本人が自分の過去を語る…
これは子供の頃に読んでいたら、怖くて、結構なトラウマになってたかもしれないw
語ってる過去が本当かどうか知らないけど、色々な漫画に散りばめられているパーツは実は実体験に基づくものなんか(´・ω・`)?
ネタバレを含んでしまうが、
伝説の怪奇漫画家が歩んできた退屈しない人生
「両親を『最悪の人間だ』と描写したうえで、惨殺してますからね。
『お前はなんてこと描くんだい!! わたしが満州から苦労して連れて帰って来たのは、こんな漫画を描かせるためじゃないよ!!』っておふくろに怒られました。親戚一同にも散々文句を言われましたね。
のインタビューで、この作品の公開当時の話が読めるw
友達ふたりと田舎のおじいちゃんのところへ遊びに行った秀一は、帰りの列車で奇妙な体験をする。トンネルに入ると突然電灯が消え、真っ暗になった中でものすごい騒音がしたのだ。トンネルを抜けると座席に黒い羽が落ちていて、周りの乗客がまるでゾンビのように恐ろしい顔になっていた。
帰宅すると、出迎えた両親の様子がおかしく、奇怪な出来事が秀一を襲い始めるのだった。しかし、それは恐ろしいドラマの序章でしかなった。
表題の「恐怖列車」を始め、思わずのけぞる展開で描く短編の数々。1976年初版時の表紙を可能な限り再現した記念版です。初版本の表紙でコレクションしよう!
恐怖列車(地獄から来た恐怖列車)(ひばり書房、1985年7月16日)
友達のユキちゃんとブーちゃんと共に田舎のおじいちゃんの家に行った秀一は、帰途の列車で謎の怪異と遭遇する。
飢饉に苦しんでいた上州のある村の者は通りがかった旅人を襲って、金品や食料を奪って食いつないでいた。ある日、江戸から越後へ向かって絵師の一家を襲い、夫と子は殺したが、手籠にされて気が狂った妻はそのまま放置した。狂った妻は夫と子供の死体をひきずり、竹藪の奥へと消えていった…
ギャグ漫画(?)
これも『狂人時代』と同じテンションのギャグ漫画(?)
なんだろう、糞みたいな作品が金になり…みたいな風刺が込められているのだろうか?
剣を通して己を高めたいと望む室戸一平は、山中で隠遁してた九鬼陣内を偶然見つけ、立ち会いを願う。
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